背中に32
最初に退院した俺は、彼女の見舞いに来ていた。
「愛生、今日の調子は・・・・・・、だよな・・・・・・」
彼女の病室に顔を出すが、それでも俯いたままで一言も喋ろうともしない。
窓の外では退院した子供が、看護師さんたちに見送られて花束を受け取っていた。
「愛生も元気になったらここ出るんやな。愛生、退院できたら何したいんや?」
「・・・・・・」
「はあー・・・・・・」
「お母さんに会いたい・・・・・・」「――!?」
「そうやな、じゃあ退院したら墓参りに行こう! 俺も一緒についてったるわ!」
「違うところ」
「違うところ? 何言うてんや? 愛生・・・・・・」
「――っ!?」
彼女は、窓を指さして指先をたどると、空を指さしている事が分った。
「お母さんがいる天国。愛生もお母さんも、独りぼっちで寂しいから、側にいないと、寂しくて、心が苦しくなる・・・・・・」
大粒の涙が、彼女の頬に流れてはシーツを濡らす。
「あかんっ!? 何いうてんや愛生っ!? 雫さんの分まで生きなあかんやないかっ!? 絶対に天国にいかせんからなっ!?」
彼女の手を、握りしめて説得するも彼女は、首を横に振って、
「嫌っ!? 家に帰ってもお母さんがいない毎日は嫌っ!? 独りぼっちで生きるのは心が苦しくなるのは誰だって分っているはずでしょうっ!?」
「だからって死を選ぶんかいな!? そんな事誰が認めるねんっ! 残された者はどうすればええねんっ!?」
「お父さんに裏切られて一人天国に登ったお母さんが可哀想でしょうっ!?」
「愛生も寂しいのっ!? お母さんがいない生活はあり得ないっ!?」
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いい明日を!
良き未来をっ!
ではでは~!