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誕生日に交わした約束37
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それから緒美は、千春と話をした。
『・・・・・・つぐちゃん。怪我のこと気にしてないよ? だから仲直りしよう!』
『・・・・・・っ! 仲直りしよう・・・・・・!』
『つぐちゃん、誕生日の日に一宮さんたち呼んでもいいかな?』
『う、うん』
『大丈夫だよ! 一宮さんたちもう怒っていないから!』
『うん』
『また逃げないでよ?』
『逃げないよ! 仲直りしてまた毎日会うんやから!』
『それでいいよ!』
千春と話したときこうは言ったけど緊張するな。もう怒ってないやろか・・・・・・。
隣に今日の主役と書いたタスキを巻いた愛生が、
「ねえ? まだ?」
「まだや。というか、なんであんたがタスキ巻いてんねん?」
「ムカつくから」
「まあ、ええわ・・・・・・」
溜息を零したあたしに、親指を立てて笑うゆうくんが、
「もう来るやろ。来たで。はいはい。いまでますさかい」
「なんでゆうくんが出迎えるんや」