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誕生日に交わした約束28
「まだ祝ってんかいな? あの子の誕生日・・・・・・」
「まだ薄暗い部屋でいるんかいな、あの子・・・・・・?」
一宮が緒美の部屋を、見上げて暗いトーンで話す。
「そうだよ。お前らが来ないからあいつ、すっかり暗くなっちゃってさー、ホントどないしたもんか」
「あと二日やね? 誕生日」
「あ」
「忘れてたんかいな、ゆーくん、あの子の誕生日」
「違うんや!? 最近ショックで記憶を失っててなっ!?」
「あの件、あーしも被害受けたんやから言わんといて・・・・・・」
「誕生日祝うんかいな? それやったら――」
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