131/144
誕生日に交わした約束27
「あかん目がイッてるっ!? あーちゃん目を覚ましい!?」
愛生の頬を、ビンタした一宮と呼ばれた女の子が、目を覚ました愛生の肩を掴んで揺らす。
「目覚ましたかっ!?」
「あ、れ・・・・・・? ここはどこ?」
「緒美の家の前や、あの子とまだ関わってんかいな? ゆーくん」
「そういう言い方無いやろ、一宮」
彼女は緒美の元友人。千春ちゃんが、怪我したときに緒美と喧嘩していた相手が一宮だ。
いまでは犬猿の仲なのだが、一宮と緒美は仲がいい友達だった。だが、あの件以来一宮が、一方的に緒美を嫌ってしまって顔を合わすことも無くなった。