誕生日に交わした約束25
「誕生日いつだったけ・・・・・・?」
「つぐちゃん・・・・・・?」
あたしを呼ぶ声に、振り向くとそこに立っていたのは、「千、春・・・・・・」
久しぶりに会った二人の間を自転車が通る。声を震わせて久しぶりの旧友に、声をかけようとするが上手く声が出せない。時が止まったかと錯覚する時間を断ち切るように歩み寄る。近づくと額に、古傷が残っていた。
「千春ちゃん、どうしたんや、こんなところでお出かけ・・・・・・?」
「近くを通ったって言うと嘘なんだよね・・・・・・、近くにつぐちゃんの家でしょう? 会いに来ちゃった!」
★
「離せ、愛生っ!?」
「離すか、結太っ!?」
「追いかけなきゃいけないやろっ!? 緒美久しぶりに家出たんやから迷子になってるかもしれへんし・・・・・・っ!?」
「いかせるか、絶対に、結太は愛生のモノっ!?」
「恐ろしいてっ!? 離せこの~!?」
「離すか~この~!?」
力が強いな女かいなこの力っ!? 男の俺がぐいぐい引っ張られているでっ!?
「おーえすっ!? おーえすっ!?」
「引っ張るな痛いわっ!?」
「おーえすっ!? おーえすっ!?」
「腕千切れるううううぅ!? 力強いねんお前っ!?」