誕生日に交わした約束24
絞られるぞうきんと同じようにあたしは、人から苦しめられた。痛いと叫んでもきつく絞られる。まるで流れる全身の血を、一滴残らずに搾り取る。その日から孤独は始まりいまは、昔の自分を見る影も無い怯えた子になった。
だけどゆうくんが、側にいるからまだ救いはあった。
隅に追いやられたあたしは、隅で丸まり怯える小心者。いつ殴られるか、いつ酷い言葉を浴びせられるか、いつになっても変わらずに怯える。
人の目に怯えるし、人が離れていったいま、ゆうくんが、いつまであたしの手を握りしめてくれるか分らない。いつか来るだろう孤独の誕生日。側で誕生日を祝う人が、いない孤独は、人生ごと否定されているように思える。
孤独になるその日は、振り返れば誰もいない。手を握りしめてくれる人もいない。声をかけてくれる人もいない。支えてくれる人もいない。そんなあたしの誕生日に埋まる席は無い。
孤独の中での誕生日にどういう幸せを、想像することが出来る?
一人で祝う誕生日は、自ら殺しているようなモノ。死にゆく馬鹿だろう。そんな日は来て欲しくない。孤独を背負った誕生日に、どんな幸せを想像する? しないよ誰も。
お誕生日おめでとう、と書いたチョコ板を、叩き割ってケーキごとゴミ箱に投げ捨てるのがオチ。憎くて仕方ない誕生日は、この世に必要ない記念日。