2023年10月10日ー2023年10月17日 11日投稿
あの日までの僕の炎は、めらめらと燃えていた。数年前から僕の心についた炎はどんどんとその勢いを増していた。その人のことを見るだけで、心のざわめきが止まらなくなる。目が合って、手を振ってくれた時にはもう気絶しそうなほど、この炎は強く燃えている。
でもそんな心とも、別れる時が来てしまった。その人に、彼氏ができた。それを知った時、僕の中の炎は一瞬にして消えてしまった。風が吹いても、たとえ水をかけられたとしても消えなかったこの炎は、たった一瞬で、目を離したわけでもないのに消えてしまった。
憂鬱だった。何をするにもやる気が出なかった。あの人のために、いろんなことをしていたからか、僕は何もしなくなった。いい成績をとって、たくさんお掃除もした。片づけもしたし、饅頭の整理もしたのに。
なのに、なのに彼女は振り向いてもくれなかった。こんなにも愛していたのに、伝えようとしたのにダメだった。うん駄目だった。燃え盛る炎に突き動かされて、動いていたからか、僕は何もできなくなっていた。
燃えカスもない、何にもない。くべるものが何も……いや、あるにはあるか。たった一つだけあるじゃないか。彼女を燃料にすればいい。彼女のためを思って、また行動すればいい。
彼女のために僕があるんだから、彼女のおかげで心が燃えたのに、なんで彼女のために動くことをやめたんだろう。ああ、これは恥だ、これは恥だ。燃やそう、彼女のためなんだ、仕方ない。
僕の心についた新しい炎は、少しだけすすを運びながら、また彼女のために、僕の体を動かした。