第二十一話 完全な竜化
竜人よりも竜人な主人公。
まあ、そう言う話ですしね。
基本的には何でもありな主人公ですから。
でも、覚えれる魔法が少ないので、出来ない事の方が多いですが。
「おぬしは本当に人間か?」
シャロンは背中に大きな翼を生やし空を飛んでいる俺を見ながらつぶやいていた。
「本来人間に扱える魔法じゃないはずなのじゃがな。それと人間の女」
「私の名前はクロエっす。人間の女とか失礼っすよ」
「ふむ。ではクロエよ。その背中で微かに動いていつのは翼じゃな?何故おぬしも小さいとはいえ翼が生えているのじゃ?」
クロエは俺と違い、極小さな翼だ。
故に服の中で納まっている為、背中がモゾモゾと動いているように見えているのだ。
人間の背中はそのように動く事などないので、それが翼と推測するのは簡単だ。
「そんなのは覚えたからに決まってるっす!術式が構築出来れば使えるっすよ!」
「いや、竜化には属性がないのじゃぞ?それもあって本来人間には扱えない魔法のハズじゃぞ」
「あっ!ホントっす!リンネ君大変っす!すぐに下りてくるっす!」
クロエに呼ばれ俺は飛行を終わらせて着地をした。
まだそこまで上手く飛ぶことは出来ないが、ある程度は制御出来るようになってきた。
「どうしたんだ団長?」
「リンネ君との練習で保有魔力や魔力付与値は上がってたんすよ。その影響があるかはわからないっすけど、無属性の魔力付与値が1になってるっす!」
「へーそれはおめでとう団長」
「軽いっすリンネ君!今まで人間で無属性の魔力付与値が発現した事なんてないっす!リンネ君は全系統っすから無属性も使えるっすけどね。それで術式を詳しく見てたっすけど、この竜化は無属性っす」
「ほーそれは面白いのじゃ。我らが使ええるのが無属性のみで、人間は属性が無いと魔法が使えなかったのじゃな。それで今までは誰も使えなかったのじゃな」
「それで、何で団長は無属性を使えるようになったんだ?」
「それはわからないっす!とにかく術式を調べて練習を繰り返してたら、ちっこい翼が生えたっす」
「団長はなんだ、頭もよくて感覚も優れてるって、本当に天才なんだな」
「そんなに褒めると照れるっすよリンネ君」
「それはそうと、翼を大きくするなら団長は気を付けた方が良いぞ」
「どうしてっすかリンネ君?」
「簡単なことだ。服が破れる。男の俺ならともかく、女性の団長の背中部分が破れるのはまずいだろ?」
そう言って俺はクロエに背中を見せた。
既に竜化は解除しているため翼は無いが、翼が生えていたところには大きな穴が二つ空いていた。
「なるほど、それはまずいっすね。そんなところが破れたら下着が落ちるっす。それに解除すると空きっぱなしはまずいっすね。シャロンさんはどうなってるんすか?」
「我か?我ら竜人は服など着ておらんのじゃ。故に破れるものなどないのじゃ」
「え?裸って事っすか?」
「我らはドラゴンが進化した種じゃ。ドラゴンが服など着てたらおかしいじゃろ?鱗が全身を覆っておるから服など不要じゃ」
「そうっすか。それより私はどうしようっすかね。服が破れるのは困るっすが、リンネ君もいるので裸でやるわけにもいかないっすからね。あっ、リンネ君は見たかったっすか?」
「バカな事言ってないで、他の方法を探してくれ」
「バカとは酷いっす。そうっすね、あっ!」
クロエは何かを思い出したのか、アイテムボックスに手を突っ込んで一つの袋を取り出した。
その袋にてを突っ込み中の物を取り出すと
「背中が開いた水着があるっす!これなら翼が生えても大丈夫っす!さっそく着替えるっす。リンネ君とシャロンさんは反対を見てるっすよ」
俺とシャロンが後ろを向いたのを確認すると、クロエは服を脱ぎ水着に着替えた。
水着は背中が大きく開いたハイレグタイプなんだが、いかせん幼女体形もありスクール水着にしか見えない。
しかも草原でその恰好になっている為、非常にコメントに困る状況だ。
「もお良いっすよ」
「団長、完全に幼女だな」
「幼女じゃないっす!大人のレディーっす!まあいいっす。練習の続きをするっす」
こうしてシャロンと出会ってから約一週間、竜化の練習を繰り返していた。
一週間練習を繰り返した結果としては
「リンネ君は人間やめたっすね。それ完全にドラゴンっすよ」
俺は全身の竜化に成功し、見た目は完全にドラゴンになっていた。
シャロンでも部分的な竜化しか出来ないようで、完全な竜化など過去にもほとんどなかったらしい。
クロエは現状では翼を生やす事しか出来ていない。
しかし初日から比べるとずいぶんと大きくなり、自由に飛ぶことは出来るようになっていた。
「団長もすでに自由に飛べるじゃないか」
「ドラゴンの姿でしゃべると怖いっすよ。知能あるドラゴンなんてまさに太古の龍族じゃないっすか」
「我が教えれる事など、すでに何もないのじゃ。おぬしらは幻影龍様の元に向かうのじゃな?」
「ああ、その予定だ」
「49階層までは案内は可能じゃが必要か?」
「不要っす。ダンジョン調査もするので、のんびり最下層を目指すっす。しかし今の言い方だと50階層が最下層っすか?」
「おそらくはそうじゃ。我も49階層より下には行ったこととがないのじゃ。我が一族は41~49階層の守護が課せられているのでの」
「そうか。世話になったなシャロン。またいつか会えるといいな」
「我はこのダンジョンの40~49階層から出る事は無いのじゃ。またいつか来るがいいのじゃ」
俺とクロエはシャロンに竜化を教えてもらったお礼を告げて先に進んだ。
下に進む途中でクロエが魔法具を作っていたようで、竜化で翼を生やして服が破れても良いように、破れたところがすぐに修復する魔法衣を作り出した。
俺の分とクロエの分の二着を作り、その魔法衣に着替えてダンジョン調査を続けていた。
そして、シャロンと別れて約二週間。
幻影の調査を始めておおよそ一カ月と少しが過ぎた頃、俺とクロエは50階層に繋がる階段の前にいた。
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