第十八話 マッサージ
美女による献身的なマッサージとか、本当にご褒美ですよね。
最近パソコンばかりで肩が凝るので、誰かにマッサージをしてもらいたいもんです。
「さてと、団長を抱っこしながらの戦闘は無理だから、護衛を数体作っておくか」
「小型人形×10」
俺は十体の小鳥型小型人形を作り出した。
流石に1000万は過剰戦力になるので、10万に留めておいた。
10万でもSSランクモンスターぐらいなら瞬殺は可能だから、それが十体もいれば問題は無いだろう。
団長の肩にはピョン子も乗せているので、これで準備は万端だ。
「さてと、ここからは一人で次の階層へ繋がる階段を見つけないといけないのか。いくら支えてるから体力的には問題ないとはいえ、苦手な場所に長期間いるのはしんどいよな。なるべく早く41階層を目指すか」
こうして、俺はクロエが耐えれる限界までスピードを出して、森林エリアを駆け回った。
遭遇する前に撃退を命令しているので、基本的にはモンスターとの遭遇も無い。
十体の内三体は階段を探すように指示もしているので、思いのほか早く階段は見つかった。
しかし、無駄に広いフロアで、一日で2階層進むのが限界だ。
そして、33階層に向かう階段の前で団長の尻を三回叩きアイマスクと耳栓を外してもらう。
「団長、今日はここまでだ。一日ずっとしがみついてたけど大丈夫か?」
「ここはどこっすか?」
「33階層に向かう為の階段の目の前だ。テントも食事も湯あみも準備したから、さっさと済ませて寝るぞ」
「2階層も進んだっすか!?」
「苦手なんだろ?なるべく頑張るさ」
「ありがとうっすリンネ君!大好きっすよ!!」
「わかったから、早く済ませろよ」
「適当は酷いっすリンネ君。それであと一つお願いがあるっす」
「なんだ?」
「私の湯あみ中は近くにいて欲しいっす。怖いっす」
「わかった。近くにいるから早くしろよ」
「マジ感謝っす!」
クロエはいつもは30分ぐらいかけてゆっくり湯あみをしているのだが、今日は本当に最低限で5分で終わらせて出てきた。
いつもは髪も乾かして身なりもそれなりに整えているのだが、今日は髪は軽くふいただけですぐに出てきた。
「髪の毛は今から乾かすから、そばにいて欲しいっす。なるべく一人は嫌っす」
「温風」
クロエは温風を起こす魔法を発動して濡れている髪を乾かしていった。
俺は生活に使える魔法なんて覚えていないし、羨ましい限りだ。
髪を乾かすと御飯を急いで食べすぐにテントに向かった。
「そう言えば練習はよかったのか?」
「こんなところで練習なんて無理っす。魔力に精神力も削られて死ぬっす」
「それもそうだな」
「それより今日はこっちを向いて抱きしめて寝て欲しいっす。不安で寝れそうにないっす」
「昼間はアイマスクと耳栓で外部を遮断してたが、その時はどうしてたんだ?」
「頭の中でずっと魔法式を考えてたっす」
「ずっとって凄いな。でも昼間も寝てないのに夜も寝ないのはダメだな」
そう言うと俺はクロエを抱き寄せてクロエの頭が俺の胸辺りに来るように抱きしめ、頭を撫でてやった。
「ありがとうっすリンネ君。落ち着くっす。これで寝れ…すーすー」
「ずっと気を張って疲れてたんだよな、こんなに直ぐ寝て。おやすみ団長」
クロエの為にも明日からもなるべく早く進むように決意を固めた。
しおらしいクロエも可愛いが、クロエは笑ってる方が可愛いからな。
こんな日々が続いて、五日目の夕方には41階層に続く階段を見つけたので、クロエの尻を叩く前に階段を下りて41階層に足を踏みいれた。
そして41階層に付くとクロエの尻を叩いてアイマスクと耳栓を外した。
「41階層に付いたぞ団長」
「たった五日で10階層も進んでくれて感謝っす!お礼に何でも言う事聞くっす!身も心も何でも差し出すっす!とりあえず脱ぐっすか?」
クロエはこの五日間のストレスもあり、若干思考回路が狂っていて本当に服を脱ぎ始めようとしたので止め
「バカな事言ってないで、今日は休むぞ。さすがに俺も疲れたから早く休みたいからな」
「わかったっす。じゃあ今日は寝る前にマッサージをするっす。そうと決まればすぐに湯あみと御飯っすね。今日は全部私がやるっす。リンネ君は座って待ってるっす」
クロエは椅子を取り出しそこに俺を座らせ、すぐに準備に取り掛かった。
クロエの準備が終わると湯あみと食事を終わらせて、すぐにテントに向かった。
「そう言えば41階層に来たけど練習は良いのか?」
「今日はリンネ君が疲れてるので明日から再開するっす。ほらマッサージするから横になるっす」
クロエは俺を押し倒して、俺の上に跨った。
そして俺の上半身の服を脱がせて
「やるっすよ」
「癒しの指」
クロエの指先が光だし、その指で俺の肩から腰にかけてマッサージをしていった。
癒しの指は指先に回復の効果を付与して癒す魔法だ。
直接肌に触れる必要はあるが、マッサージ効果を格段に上げる事が出来るものだ。
「これで背中側は良いっすね。じゃあ次は足をやるっすよ」
クロエは俺から降りると足側に歩いていき、何を思ったのか俺のズボンをずり下げた。
それによりクロエによって俺はパンツ一枚の姿へとされてしまったのだ。
「おい、何するんだ団長?」
「何ってマッサージっすよ。癒しの指は直接触れないと意味がないっす。だから脱がせたっすよ」
クロエは再度俺の腰辺りに跨って、今度は足側に身体を向けて足のマッサージを始めた。
正直癒しの指の効果もプラスして、肉体的な疲れは殆ど回復されていた。
太もも、ふくらはぎが終わるとクロエは俺から降りて足裏のマッサージをもしてくれた。
そしてある程度終わったところで
「さてリンネ君、あと残ってるところは尻のマッサージっす。脱ぐっすか?私が手を突っ込むっすか?」
「そこはやらんでいい」
「ダメっす。最後までやるっすよ。じゃあ恥ずかしいみたいなんで突っ込むっすね」
クロエは俺の背中に跨るとパンツの中に手を突っ込んでマッサージを始めた。
既に全身マッサージをされていてかなり気持ちよくなっていた。
そして今尻のマッサージをされて、結構限界まで気持ちよくなっている。
ってゆうかやめて欲しいんだが。
一応思春期男子なんだが?
そんな思いはクロエには全く伝わらず、結局尻のマッサージも終えてクロエは満足していた。
「ふー、どうっすかリンネ君。意外と上手くないっすか私?」
「ああ、よかったよ団長。でもとりあえず下りてくれないか?」
クロエはいまだに俺に跨ったままだ。
クロエは一仕事終えた雰囲気で聞いてくるが、先ずは下りて欲しい。
重い訳じゃないが、早く服を着たい。
出来れば少しの間、一人にしてほしい。
「気持ちよかったんだが、少しやりすぎじゃないか団長?」
見てみると、クロエは全身から汗をかいて火照っていた。
背中側に乗られていたので、クロエの状況は全くわからなかったが、魔法を使いながら力も入れてのマッサージ。
肉体的にはそんなに力がないクロエにしては結構な重労働だったらしい。
「こんなぐらいじゃ全然足りないっす。この五日間リンネ君がいなかったら寝る事も出来なかったっす。だからこれぐらいは全然へっちゃらっす。でも流石に汗をかき過ぎたので、もう一回湯あみしてくるっす。一緒に寝るのに臭いとか思われたくないっすからね」
クロエは少しふらつきながらも湯あみをする為に外に出て行った。
俺はその時間を使って、何とか落ち着く事も出来たところでクロエが返ってくると、癖になってしまったのかクロエを抱きしめて寝てしまった。
「リンネ君あったかいっす。昨日までは恐怖が強くて余裕が無かったっすけど、これ嬉しいっす。やっぱ好きっすよリンネ君」
こうして、クロエからもリンネに抱きつていき、幸せな夢を見ていた。
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