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第十六話 鷲掴み

年上女性をおんぶはハードルが高いですよね。

でも見た目が幼女ならOKなのかな?

実年齢と見た目、大切なのはどっちだろう…

「じゃあ、昼も食べたし25階層目指して進むっすよ」


「ほら、おんぶするから来てくれ」


俺はクロエの枚にしゃがみ込んでおんぶをする状態で待っている。

そこにクロエが寄ってきて、俺の背中に乗ってくる。

そう言えば簡単に抱えたりおぶったりしてるけど、不快に思ってないのか?

早く進む為とはいえ、おんぶに関してはどうしても尻を触ることになってしまうし。


「団長、そう言えば聞いてなかったが、おんぶされるのは不快か?」


「ん?どうしてっすか?」


「そのなんだ、支えるためにどうしても尻を触ることになるんだが?」


「そんな事っすか?気にする事ないっす。それよりも早く25階層より下が見たいっす。ほら進むっす」


「そうか。じゃあしっかり掴まっててくれ」


「了解っす(尻…リンネ君に尻を鷲掴みにされてるっす!言われるまで気付かなかったっす!何で言うっすか!恥ずかしいじゃないっすか!もぉリンネ君のバカっすぅ…)」


クロエは言われて気付いてしまい顔を真っ赤にしていた。

気を抜いていたこともあり我慢も出来なかったが、幸いおんぶをされているので顔は見られない。

見られても困るのでなるべくリンネの視界に入らないように、リンネの後頭部に頭を埋める。


「団長、さっきよりもたれかかってる気がするが、疲れたか?もう少し休憩するか?」


「大丈夫っす。もっとリンネ君がスピードを出せるようにしっかりしがみついてるだけっす。だからさっきより早く行っていいっすよ」


「そうか、じゃあもう少しだけスピードを上げるから、しっかり掴まっててくれ」


「了解っすよ」


クロエは何とかごまかし、理由も付けてさらに強くリンネに抱き着いた。

クロエはリンネの温もりを感じ匂いを堪能し、幸せに包まれながらダンジョンの25階層を目指すために道の指示も欠かさない。

そんなクロエの頑張りもあり、夕方には25階層まで到達出来た。


「さすがっすリンネ君。前回私が25階層に到達するのに二カ月かかったっす。なのに今回は二日で着いたっす。これはリンネ君と一緒に来て正解だったっす」


「さすがに道が分からなければ二日は無理だし、半分は団長のおかげだろ」


「そうっすね。初めての共同作業っす」


「それより、まだ夕方だが26階層を今日中に目指すか?」


「今日はここで野営するっす。無理して進むよりは明日に備えるっす。明日からは1日で1階層進めるかどうかって日々が続くっす。それに道もわからないしトラップもあったりするっす」


「幻影は最下層が何階層かわかっているのか?」


「誰も最下層まで到達してないので不明っす。でもSSSランクダンジョンで平均40階層っす。なので40~50階層辺りが最下層だと思うっす」


「じゃあ、まだ半分ぐらいって事か。それは骨が折れそうだな」


「でも、階層が変われば出現モンスターも鉱石やアイテム、色々と変わるので楽しいっす!」


「団長は本当に研究熱心だな」


「未知との出会いは楽しいっす!」


「その未知との出会いが明日からなんだな。それなら今日は早めに寝るか」


「そうっすね!早く湯あみして食べて寝るっす」


俺も野営の準備にずいぶんと慣れてきたので、準備も早く終わるようになった。

食事も明日から新しい所への挑戦って事もあり少しだけ多く、いつもの食事にフルーツを追加しておいた。

俺とクロエは日課の練習後に、食事に片付け、湯あみまで終わらせるといつもより早い時間にテントに入った。


「明日からは楽しみっす!今まで見た事も無い何かに出会えるかもしれないっす」


「団長は本当に楽しそうだな」


クロエは、まるで幼子が初めて見るお菓子や宝石、絵本やおもちゃを見る時の様に目を輝かせていた。

幻影自体がまだ未攻略ダンジョンで、最高でも30階層までしか到達者はいないらしい。

なので30階層までは多少の情報はあるが31階層以下は完全に未知だ。

26~30階層もクロエ自身では見てはいないので、情報はあれど楽しみでしょうがないのだ。

まるで遠足前みたいにウキウキしているが、しがみついていただけとはいえ結構な体力は消耗している。

練習後に回復はしているが、回復は肉体的・魔力的にだ。

精神的な回復は寝るしかないので、とにかく寝る。

ウキウキしながらもやっぱり疲れているので、クロエはいつもより早く眠りについた。


「う~ん、リンネ君なら養ってあげるっすよ~。ほら私を貰うっすよ~むにゃむにゃ」


「たく、どんな寝言だよ。団長に養ってもらわなくても、自分でしっかり稼ぐさ」


リンネは一度クロエの方を向き、優しく頭を撫でていた。

クロエは夢か撫でられた影響下はわからないが、凄く幸せそうな顔をして


「むにゃむにゃ~大好きっす~」


「これだけ見てると、本当に美人だな。団長に好きなんて言われたら、ほとんどの男なんてイチコロだろうな」


俺はクロエの幸せそうな顔を見た後に、再度反対を向いて明日に備えて眠ることにした。


クロエは夢の中でリンネに抱き寄せられ頭を撫でられていて、幸せに包まれて寝ていた。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

もし楽しんで頂けたなら幸いです。

ブックマークや評価をしてもらえるとモチベーションがあがりますので、もし良ければおねがいします。

なるべく毎日更新はしていきますので、良ければ今後も読んで頂けると嬉しいです。

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