八十五 やってきましたは商業地区(の、一角)!!
と、いうわけで。
やってきましたはナミスシーラ王国王都が誇る商業区域!
ここに売ってないものは地域の名産品の更に名産品たるとりあえず輸送とかコストとか馬鹿みたいにかかるものくらいだよ! とか言っちゃ得るくらいにとりあえず色んなものが売ってる、王都の一区域である。
流石の王都様にも売っていないものくらいあるのだ。
そんなことをいっても、ガチの熱意もっちゃってる幾らかの人によって輸送されて売られちゃってるものもあったりするが。
それこそ、違う世界のものでも売ってるものがちょっとはある王都様の商業区域は割と凄かったりするのである。
「えっへへへへっ、だんちょーとおでかけ! えへへへへへ!」
「ふふぅっ! 団長様とウィンドウショッピングでっしてよ!」
いつもの団長服にマントだけを外した姿で大通りに出てきた第七団長ことテニーチェさん。
右にくっつき虫ロコ・パートイーサ、左に令嬢少女アウウェン・トルス=ブロントロスらがそれぞれの様子で佇んでいる。
まぁロコの方についてはガッツリくっついちゃっているが。相も変わらず団長様にくっつきたがるロコさんであったとさ。
ちなみにアウウェンは令嬢さながらピント背筋を伸ばして立っている。
立っていながらガッツポーズをしている。
お二人とも楽しそうでなによりだ。
間に挟まれたテニーチェさんはすでにちょっぴりお疲れ気味であったりもしているけれども。
そんなこと言っても、今更引き下がることなんてできないのである。
だって二人を連れてきたのはテニーチェなのだから。
彼女から選んでもらっていた服のことは、テニーチェが一番覚えている。
当然だ。
素材含めて買ったのも着たのもテニーチェ本人なのだから。
どこのこういうところがああでいい、という説明だって色々と聞いていた。一度だけならまだしも、中には何度も耳にしたものもあったりしていて、だからこそ彼女にとってテニーチェという体に似合うと考えているものはわかる。
ではなぜ、ロコとアウウェンがやってきているのか。
理由は単純。
それはそれとして、一人で選ぶのはやっぱり不安があったのである!
だってテニーチェさん、生まれてこのかた自分で服を選んだことなんてない。
買ったことはあっても、それは彼女から詳しくこれを買ってこいという命令の下でのお話。
自分で考えて服を手に取ったことは、一度としてない。
そう、ないのだ。
そういうわけで、テニーチェは団員二人を召集したのであったとさ。
一応団員たちも今日明日はお休みの日。
令嬢様でまとまった装いをしているアウウェンと、実はスーパーおしゃれさんな見た目をしているロコにお願いをしたのだ。
テニーチェが選ぶ服に対して、意見が欲しい、と。
「ところで、パートイーサさん」
「えっへへ! なぁに、だんちょー? えへっ」
「案内してくださると言っていた店は、こちらでよろしいのでしょうか?」
「えへへ、会ってるよぉ! えへへへっ」
ナミスシーラ王国王都商業地区、その一角。
なんかすんごく禍々しきなお店の前に、三人は立っていたのであったとさ。
……ここって本当に服屋さん?
最近書かなさすぎてさすがにマズイので、週一以上ペースでひとまず頑張っていきます。




