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八十一 休みの遠ざかる音
遅れた上にものすごく短いですすみません。
「他に、今回の任務報告の中で特筆事項はあるかしら?」
パッと戻された話の流れ。テニーチェさんも併せて思考を任務内容に沿わせる。
「いいえ。ありません」
「わかったわ。ならあとは、私が報告書を読んで疑問点が出た際にもう一度呼び出すという形を取るわね」
「承知いたしました」
そんなこんなで、謁見も終わりを見せつつ。
これでようやく休みが取れると思ったテニーチェさんなのであったとさ。
「じゃあテニーチェちゃん、次の任務についてお話しさせてもらうわ」
……休みが遠ざかる音がしたのであったとさ。
ちくせう。
「でもその前に、一つお話ししたいことがあるの」
「なんでしょう」
「テニーチェちゃんの今後についてよ」
国王陛下の言葉に、なるほどとテニーチェは唾を飲み込む。
暗黒の日は、思ったよりも近くにやってきている。




