六十七 超次元翻訳技術
サボりました。
ごめんなさい。
あと、文字数少なめです。
『……ぇ……っと、みなさん、わたしの下に来てください。四角く出っぱってるところが、入口です』
お引きになっていた海空さん、怯えを見せながらも入口の場所を教えてくれた。
再び強制的な移動方法を用いてテニーチェら一行は海空さんの言葉に従ってぎゅんっと高度を下げる。ちょい急降下気味に落ちていって、海面ほんの少し上にある底面を覗けるくらいのところまで来た。
「あ、団長。あそこじゃないですか?」
ヒュドア・ウィルフィーアの指差した方向には、確かになんか出っ張ってるトコがあった。
『それです』
「……海空様は私たちのことが見えておられるのですか?」
『はい、見えてますよ。周囲を索敵する機能がついていますので』
言われてみて、確かにその機能がないとやってけないのだということに気が付く。
もし無かったら、先のような異常気象を検知することも、人間を喰らっていたらしい知的生命体が近づいてくることにも、そもそも普段海と空を行き来することすらもできなくなってしまう。
これほどの巨体を動かすには相当な演算が必要となるし、データとして動かすもの、ここでいう海空迷宮の今の様子が必要となることは想像に容易い。
ふと、そういえば、とテニーチェは思った。
「機能といえば、海空様は私たち虹の世界の言葉をお話になるのですね」
『えと、そう、ですね。みなさんのお話しなさっている言語を解析し、わたしの知っているいろんな言葉と照らし合わせて、ライブラリに追加したので、話せます』
まさかの海空さんの翻訳機能、翻訳なんてものを通り越して自由自在に使いこなせるレベルだったらしい。
「え。まだボクたちがこっちの世界に来てから、そんな時間経ってませんよね?
……たぶん、二時間くらい?」
『ライブラリには132の言語が登録されているんです。なので、似た法則性の言語と照合しつつ解析を進めれば、そこまで時間はかかりませんよ』
「132、でっすの……。わたくしなっんかより、ずっとすっごいんですのねぇっ」
ほへぇ、とため息を洩らした第七の姫。
「わったくし、三つの言っ語を覚えるこっとぉにすらぁ、大変だっっとおっもいまっしたのにぃっ」
「え、アウウェンって、テンプロート王国語以外にも、言葉、話せたの?」
そして本日二度目の驚きポイント(byヒュドア)。
実は侯爵家の娘さんでもあるアウウェン・トルス=ブロントロスは珍しく気弱に微笑んだ。
「だってわたくし、これでもトルス=ブロントロス侯爵家の娘ですもの。礼儀作法、貴族常識、それから数多なる教養まで、全て習得済みでしてよ?」
「……す、すごいね…………」
思わず気圧されたヒュドアさん。
心の内では、アウウェンがまともな流暢さで話しているのを初めて聞いたと、思っていたり、いなかったり。
そんなこんな会話を交わしつつ、一行は海空迷宮の入口らしい場所まで海面スレスレを飛んで移動してきたのであった。
(時間が足りないという壊滅的な理由で今後文字数少なることが多くなるかもしれないこと、ご了承ください)




