五十三 団員絶句
今回、短めです。
「…………ぇ、えっと……?」
困惑の声 byテニーチェ
されどシートニア・プリューマ姉様はそんなテニーチェの反応こそが不思議かと言わんばかりに首を傾げた。
「正真正銘・此方・私達・集落・長」
正座をしているシートニアとシートニイ・プリューマ弟君の間に鎮座する『ソレ』に視線を送るシートニア。
「賛同。私達・集落・長」
昨夜不満垂れ垂れだったシートニイまで頷いちゃってる。
「左様。我、集落之長也。異成ル世界由リ之来訪者共、我等果成之集落ハ貴女方ヲ歓迎致ス」
プリューマ姉弟(確定)の間から歓迎の言葉を頂いてしまった。
だがしかし、イグール・アトリボナもアウウェン・トルス=ブロントロスも、あのえへへへ美野郎ロコ・パートイーサさえも沈黙を守ったまま。
「果成之集落の長様、どうぞ宜しくお願い致します。私はテニーチェ=ヘプタと申します。虹の世界よりこちらの世界の探索任務を受け、参りました」
「双子守護依リ承知済也。我等最果之守護ヲ担ウ民。故、長足ル我、我等之世界ヲ一等良ク知ル。テニーチェ殿等之世界之情報ト引換、其ニ見合ウ対価ヲ情報渡ス也。善キ?」
「私の話せる限りでしたら」
なのにテニーチェは素早すぎる切り替えで長との対話に応じている。しかも聞く感じ翻訳機を介せずに意思疎通が出来ちゃってる。
紫の小さく可愛らしいお花さんと、談笑しているテニーチェさん。
ちなみに花弁は七枚。
そして話し方はなんか荘厳。
丈は高く見積もって五センチあるかないか。
「ところで、長様。名前を伺っても宜しいでしょうか?」
テニーチェは第七団長になって初の社交向け笑顔(ただし仮面のせいでアージュスロ以外は気付いていないし見えもしない)で問いかける。
善キ也、とお花の長は雌しべっぽいところを小さく動かした。
「我名、ぱーぷる・ちゃん」
テニーチェの後ろで激しく咳き込む音がした。
「真名ハ現長故伝授不可也。許シ給ウ」
「畏まりました、ちゃん様」
しっかり頷くテニーチェに、なんだか満足げな空気を醸し出している果成之集落の長こと、ぱーぷる・ちゃん(仮名)。
――あのっ、と声が響いた。
テニーチェが振り向くと、座っていたはずのヒュドア・ウィルフィーアが目を見開いて立っている。
「あな、たは」
それはいつか、テニーチェが初めてアージュスロを出した時に見た必死さに似ていて。
「もとは、シートニアさんたちと同じ、人間だったんですか……?」
唐突な問に、ぱーぷる・ちゃんはゆさりと花弁を揺すらせた。
忙しさで書く時間を取るのが厳しいため、三日から四日ほど投稿をお休みします。
ごめんなさい。




