許婚と義妹と幼馴染の邂逅
南美(許婚)が留美(義妹)と結美(幼馴染)と絡みます
2話です
「は?」
クラスは静まり返る中、どこからかそう言った声が聞こえた。南美は僕に抱きついた後、僕の目線に合わせるべく中腰になる。
「本当にもう7年振りになりますね光範様っ。お懐かしい限りです」
彼女は満面の笑みだ。確かにどこかしら小さい頃の面影はあるが、それにしてもかなり綺麗になったというか……、体つきは出ているところは艶めかしく出ているような……。
てかおっぱい柔らかかったな~。
「え? なーちゃん……なのか?」
「はい♡」
「なんだ~。岸田と知り合いなのか。なら、上村は岸田の隣の席に座れ」
「あ、はい。分かりました」
「え? ちょっと先生!?」
そして手で顎を触りながら松崎は雑に説明した後、さっさとクラスから出ていった。そしたらクラスがざわめき立ち、南美には過半数の男子が、結美には過半数の女子が集まる。
「どこから来たの~!?」
「岸田との関係は!?」
「大丈夫、結美ちゃん?」
「彼女のこと知ってる?」
様々に声が聞こえる。そして僕には嫉妬の目と軽蔑の目が来る。
「これは大変だな岸田く~ん」
ニヤニヤしながら僕に近づくのは友人である優二一人だけだった。
「で、彼女とはどういう関係なんだ?」
「えと、それは~」
「え!? 許婚!?」
クラスの一人の男子がそう叫ぶ。どうやら南美に集まっている男子の内の一人みたいだ。
「はい♪」
そしたら次は僕の所にどやどやとクラスの連中が嫉妬と好奇の目になって集まってくる。
「許婚ってマジなのか!?」
「今時許婚とかあるの!?」
「二人はどこまでイッたんだ!?」
「僕は聖徳太子じゃねーから、そんなに言われても分かんねーーよ!」
という訳で僕は律儀に一人一人の質問に答えていった。納得はしてくれたが、次に男子からの羨望の眼差しと女子からの好奇と軽蔑の眼差しで胃がキリキリしてくる。
そして休み時間毎に南美が自分の席を僕に寄せて来てはニコニコしてこっちを見てくる。
「どうかしたか? なーちゃん」
「いえ、何でもないですよ♡ ただ見てるだけで幸せなんです」
「そ、そうか……」
そしたらクラスの遠くの方で殺気を感じる時があるからぞくぞくと背中に震えが来る。なんとなく結美の方を見ると案の定睨みをきかせている。
「どうかしました?」
「いや、何でもない……」
そして昼休みになると更に面倒な事態になる。なんと噂を聞きつけた留美が僕のクラスに来たのだ。
「ミー兄、許婚って聞いたんだけど、もしかしてこの女のこと!?」
「おい、留美っ。この女って……」
「あら、光範様。この方は?」
「……妹の留美だよ」
「えとー、こんなに歳の近い妹さんなんていらしてましたっけ?」
「再婚した相手の義理の妹だ」
「あぁ、なるほど……」
「家で時々噂には聞いてたけど、実在していたなんて……」
「あら、私のことご存知だったの?」
「……まあ、話としてはね」
「光範様のお母様が亡くなられてから、なかなかお会い出来る機会がなかったので」
「……」
まぁ、あれからウチは再婚とか家庭の事情で色々ごたついてたから、上村家に行く機会がめっきり減ったからな。
「だから我慢できずにこっちに転校してきましたのっ」
「えー……」
凄まじいほどの行動力! 少しは見習いたい所かもしれない。
「だからってなんでうちのクラスなのよ!?」
急に横から結美が話に入り込んで来た。どうやらご飯の最中のグループから抜け出してきたようだ。
「結美」
「こちらの方は?」
「僕の小学校の頃からよく遊んでいたご近所さんの結美だ」
「吉田結美よ。宜しく」
「どうもいつも光範様がお世話になってます」
「…別にあんたの為に世話してる訳じゃないわ!」
「じゃあ光範様のために?」
「~~! 幼馴染だからよ!」
「あらあら光範様。知らぬ間によくおモテになってるんですね~」
優しい口振りの中にどこか物凄い高圧的なものを感じる。
怖いよー、ちびりそうだ。
「けど私は小学3年とはいえ、一緒に光範様とお風呂に入り、裸を見られた身。これは女子として光範様以外結婚は考えられません」
「お、おい。なーちゃん、そんな昔の話を言って一体どうした?」
「わ、私だって小6までミー君と一緒にお風呂に入ったもん!」
「……!?」
「お、おい結美……?」
「留美こそっ、ミー兄と今でも入ってるもん!」
「!!?」
クラス中がざわっとする。当然だろう、そんなこと普通はあり得ないからだ。
「今でも一緒に入ってるって!!?」
「お、おい、留美っ! そんな嘘をつくなっ!!」
「嘘じゃないもん! この前だってお風呂でお話したもん」
「それは…………うちのお風呂が壊れて銭湯に行った時の話じゃないか!」
「むー……」
留美……誤解を招くような言い方を止めてくれー。そんな言い方じゃあ……。
「岸田君、ちょっとこっちに来ないか?」
「いえ、結構です」
「遠慮するなって。ちょっとお話するだけだよ」
いや、目が本気だけどね!?
そしてそいつがぐいっと僕の肩を強引に引っ張ると、シュッとそいつがクルッと一回転したのだ。見ると南美が彼を捻じ伏せていた。
そういえばこいつ合気道習っていたな。
「いてて……!?」
「私の前で光範様への暴力は絶対に許さないわよ」
こんな大男を捻じ伏せるなんてなーちゃん凄い女子になったな。これは他の女子に僕が仮に変な気になったりでもしたらと考えると……あっ、少しちびった。
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