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油断は火事の元

ほのぼの(?)回です


19話です

 外からはミーンミーンとうるさい蝉の鳴き声が聞こえ、窓からは空と入道雲の青と白の綺麗にコントラストする色が美しく見える。夏休みまであと数日に迎え、1学期の学校生活をもう少しで終わろうとしている頃に僕は、


「ふー……」


 保健室の白いベッドで横になっていた。

 まぁ、別に大したことケガではない。この時期によくある症状だ。太陽の熱にやられ、熱中症気味になってしまったのだ。

 体力のないこの僕が、このくそ暑い日に外で午後の体育したのが運の尽きだったかもしれない。


「はぁ……」


 僕は自分の不甲斐なさにため息をはく。


「どう、大丈夫?」

「先生」


 保健室の瀬戸先生は僕の様子を見にここへ来てくれた。彼女はいつものように白衣をシャツの上に着ており、仕事人の感じがしてかっこいい。


「ここはエアコンがよく効いているから、熱が引いていると思うけど、どんな感じ?」

「はい、おかげさまで大分良くなったと思います」

「体温計持ってきたから、お熱測って」

「あ、はい」


 そして最新式なのか腋に挟んだらすぐ体温が測れて、熱は36.8まで下がっていた。


「うん、平熱ね。良かったわ」

「はい、ありがとうございます」

「けどまだ油断は出来ないから水分は取ってね」

「あ、はい。分かりました」


 そして彼女はカーテンを開けて出て行こうとしたら、そうだっと言って、僕のベッドの近くにある丸椅子に座った。

 そしたら黒のタイトミニスカートを穿いているもんだから、彼女の健康的で大人な太ももがより強調され、それが目線の高さに合ったから僕はつい釘付けに見てしまう。しかも生足だから尚更だ。


「それで彼女とは上手くいってるの?」

「……え、えーと……え? なんの話ですか?」

「ほら、前に言ってたその子に彼氏がいるか問題よ」

「……あー、あれー」


 そうだ、そういえばそんな話もあったな。けどあれは結局ただの同級生ってだけの話だった。


「結局彼氏じゃありませんでしたよ」

「そうなんだ。良かったわね」

「え? あー、まー」

「なに? その素っ気な言い方。もしかしてツンデレ?」

「いやいや、そうじゃありませんよ」


 と言いながら僕は彼女の脚に目線を移す。彼女の良い太ももで見惚れる。

 なんというかエロい! とにかくエロい!

 白くつやだってて、肌がきめ細かく、男が好きそうなむちっとした太ももだ。そしてその上に太ももとスカートの間のいわゆるデルタ地帯がちょー気になる。しかし彼女は両手をそこに添えててそこの中が見えない。

 悔しい!

 とはいえ全くチャンスがないわけではない。ときどきデルタ地帯から手を離す。

 おおー! あー、押さえた。おおー!?


「じゃあ、他の……」

「あ、はい…」


 しかしこのままじゃ中が見えないと思った僕は徐々に少しずつスカートの中が正面に見える場所に体勢を変える。

 もう少し、もう少し……。

 そして中から白い色のようなものが見えた。

 お、し……。

 しかし彼女は残酷にもこのタイミングでクイッと脚を組んだ。


「……それで彼女のことちゃんと見てあげてるの?」


 あーー!!! もうちょっと…………え?


「見てあげてる?」

「もう忘れたの? その子のことが分からないって言ったから、そうアドバイスしたじゃない! あれから3ヶ月経ったのよ? 彼女のこと少しは分かった?」

「……」


 前からは分かったつもりではいる。昔のこと、好きなこと、最近はまっていること。しかし今は南美だけじゃなく、留美も……。


「……まぁ、まだなみたいだし。ちゃんと彼女()()のこと見てあげなさい」

「あ、はい。そうですね……」


 そしてチャイムが鳴り、6限目の授業が終わる。


「あら、もうこんな時間。掃除の子達が来ちゃう。そろそろ服に着替えて」

「あ、はい」


 そして僕はせっせと制服に着替えていると、廊下がどたどたどたと鳴り響く。ガラッとドアの音が聞こえると思ったら、三人の失礼しますの声とともにカーテンがガラッと開く。


「光範様(ミー兄)(ミー君)、大丈夫ですか(大丈夫っ)!?」


 僕は上を着て、下のズボンを脱いでいたところだった。三人は凝視して止まっていた。


「あらあら♪」


 嬉しそうな声がカーテンの向こうから聞こえてくる。


◇◇◇


「あの光範様の容態は?」

「水分補給さえちゃんとしたらもう大丈夫よ」


 三人はほっとため息をついていた。


「あ、そうそう。さっきした話はちゃんと守ってね」

「!」


──ちゃんと……のこと見てあげなさい


「はい……」

「?」

「それより貴女達掃除の時間でしょ。早く教室に戻りなさい」

「あ、はーい」


 そして僕達は保健室から出て行く。


「あの先生、色々とありがとうございました」

「い~えー」

「では、失礼しま……」

「あっ、それと岸田君。くれぐれも他の人にああいうHなことはしないようにね」

「!?」


 もしかしてパンツ見ようとしてたのバレたの……。


「どういうことですか光範様……?」

「え?」

「私達じゃ飽き足らず年上にまで手を出したのミー兄?」

「え? え?」

「何をやったわけ、ミー君?」

「えと……皆さん……?」


 皆さんすごい形相してますよ……? どうしたのかな~? そんなに眉間にしわ寄せたら跡が残りますよ……? そういう時は深呼吸。はい、1、2……。


「光範様!!」

「ミー君!!」

「ミー兄!!」


 せんせーー!!


「うふっ、女子には気をつけてね。光範君♡」

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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