球技大会 終
さて結果は!?
16話です
ピッピー!
そして留美のチームと南美・結美チームの試合が始まった。僕は両チームの試合を眺めながら、ギュッと拳を握りしめる。
まずは南美・結美チームからサーブをする。バッと飛んだボールは留美側のコートに入る。
そしてある子がトッと打ち上げたと思えば、気づいたら別の子がもう跳んでおり、ズバンッと留美・結美側に打ち込んだ。彼女達のチームは全く動けず、留美側に得点が入り、歓声が上がる。
「いえーいっ」
「ナイス!」
は、早い……。これは一体……?
そして留美側のコートの近くに集まって見ている人たちはおーと声が上がっている。彼らは一年生達だろうか。一方こちら側は驚いてざわつく。
「1年生チームすごい強いなー。どうなってるんだ??」
「分からん。しかしとにかく良いスパイクだった」
「……」
少しして分かったことだが、1年生側のチームには次期バレー部のエースが二人もいるらしい。
なるほど、だから留美のやつはあの時自信ありげに約束したのか。
とはいえこっち側も負けていない。さすが我がクラスの選りすぐりのチーム、スポーツ得意な奴らが集まっているから相手側の鋭いボールにもちゃんと対応している。
南美と結美は前までの試合よりもっと懸命な様子でボールに食らいついていた。
すごい二人とも、真剣な顔だ……。
どちらかがミスをしても文句を言わず互いを助けあっていた。
留美チームも南美・結美チームもどちらも接戦だ。留美チームが点数を多く取ったと思えば、南美・結美チームが取り返し、逆に南美・結美チームが多く取ったと思えば、留美チームが取り返す。
僕はこの拮抗している試合を見て気持ちが熱くなる。
そして試合が止まっている時にちらっとこちら側のチームを見ると、汗をぬぐっている南美と目が合った。
しばらく僕達は見つめあう。そしたら南美が口を『い』と開けた風に見えたので、彼女の口を眺めていたら試合が始まった。そして結美が見事なスパイクを打ち、2年生側に得点が入る。
「おー、すげー」
「きゃー、さすが結美ちゃーん」
僕も感嘆として結美を眺めていると、彼女とちらっと目が合う。そしてじっと見ていたら、彼女は大きく舌を出して嫌みったらしくべーっをした。
「あははー。岸田~、吉田さんに嫌われてるなーっ」
……結美のやつ……。
そして両チームはついに23対23になったが、どちらのチームにも余裕はなく、みな疲れている様だった。留美も奥で見えにくいが、体が呼吸で揺れている。
「もうどっちも余力がねぇ。どちらかが先に2点取れば決勝進出だ!」
「……」
留美……。
そして南美・結美チームがサーブを打つ。留美側の子がトッと打ち上げたと思ったら、ズバンッとスパイクを打つが、こちら側もしっかりと対応し、上に高く打ち上げる。
そしたらコートの前側にいた南美が高く跳び上がっていた。
「上村さん! お願いっ!」
うちのチームのとある女子がそう叫び、南美はそれに応えるべく鋭いスパイクを相手チームにバンと打ち返す。と、その先に立っているのは留美だった。ボールはかなりのスピードで飛ぶ。
僕はとっさに叫んだ。
「留美っ!!」
…………。
「あーぁ、負けちゃったー」
「お疲れさま~」
「2日間のみで最後までするもの。それは疲れるわ~」
「そうだなー」
部活から帰ってきた留美と一緒に語り合う。
「南美さんは?」
「もう自分の部屋に戻ったぞ」
「ふーん、そ」
「沸かしてあるから風呂に入れ」
「うん、分かったー。……あ、それとミー兄」
「今週の日曜日宜しくね♡」
「……! あぁ、分かっているさ」
◇◇球技大会バレーボールの試合結果◇◇
優勝3-2
準優勝1-8
留美「私のレシーブどうだった?」
光範「すごかったけど、めっちゃ高く上げてたな」
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