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シロイルカのぬいぐるみ②

「そのぬいぐるみ、どうしたのー?」


 教室に入って、自分の机の上にシロイルカのぬいぐるみを置いていると、やまねちゃんが話しかけてきた。


「あ、これね、ごみ箱に入っていたんだよ。シロイルカのぬいぐるみ」


「シロイルカには、『さん』はつけないんだー」


「うん。さん付けは、四文字までにした」


「へー、こだわりがあるんだねー」


「こだわりっていうほどのものでもないよ」


 私はそう答えながら、改めてシロイルカのぬいぐるみの全体をよく見た。


「それ、誰かが捨てたならいらないってことなのかなー?」


「うん。そうなのかも。でもね。よく見ると気になることがあるよ」


 わたしは指をさした。シロイルカの背中のところ。白い糸がちらちら見えている。


「これ……縫い直した後かなー?」


「多分そう。でもだとしたらおかしいよね。だって、縫い直すってことは結構大切に使ってたぬいぐるみだと思うよ。だけど、なんで捨てちゃったんだろう」


「確かにそうだねー。何かいらない理由ができたのかもしれないねー、うーん」


 やまねちゃんはシロイルカのぬいぐるみに顔を近づけて考え込んだ。


 わたしは思った。どうしてこのシロイルカのぬいぐるみは捨てられちゃったのかな。持ち主は、どうして捨てたいと思ったのかな。


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