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シロイルカのぬいぐるみ①



「あーあ。だめだったよ」


 わたしは階段の隅っこに向かってため息をついた。


「大丈夫だよー。前よりいいんだし、元気出してー」


 やまねちゃんが、なぐさめてくれた。


 何があったかというと、テストが返ってきた。わたしは漢字は頑張ってるけど、算数はよく分からなくて、勉強頑張ったつもりだったけど、ぬいぐるみも作りたくなって、ぬいぐるみ作ってたりしたらテストがやってきて……。


 結果36点だった。


 前は29点だったからそれよりはいいけど、その時お母さんにすごく怒られた。だからまた怒られるのかあなあ……と思うと、大きなぬいぐるみを買ってその陰で過ごしたい気持ちになる。


「えりかちゃん、ちゃんともっと次は頑張るって言えばだよ〜今回だってまあまあ頑張ってたわけだし〜」


「うん……」


 わたしはりすちゃんの励ましにうなずいて、改めて、二人の励ましで少し元気になっているのを感じた。


 ある意味、怒られる覚悟はできたかも。


 わたしは、りすちゃんとやまねちゃんと、靴をはきかえて、下校した。


 


 次の日。わたしは頭に重たいぬいぐるみが載ってるかのような姿勢で学校へと歩いていた。


 やっぱり、36点でも、結構怒られた。


 そりゃあそうかもしれないけど。頑張ったことは少しわかってくれたみたいで、それは良かった。


 でも、自分でもっと頑張んなきゃなあって気持ちになるのもそれはそれで辛い。


 あいさつ委員会にあいさつをちゃんとして登校門を通ったわたしは、校庭を横切り、校舎内に入った。


 教室へと向かう途中。ごみ箱がある。


 それがけっこう満杯だった。


 あふれそうだな、と思って見てみれば、端から柔らかい素材のものがちょっとはみ出てた。


 わたしは近づいた。ぬいぐるみかもしれない。


 引っ張りだすと、それは、シロイルカのぬいぐるみだった。


 

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