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2話~異世界生活スタート~

大きくそびえ立つ木のふもとで、

ヒナタは目を覚ました。

(ここどこだろう・・・・・・ほんとに転生したのか??)

そう思いながら体を起こし、

周りを見渡す。


そこは森の中だった。

周りには今まで見たことがないほどの巨大な樹木が、

悠々としげっている。

「こんな大きな木見たことないぞ・・・・・・」

はるか上空まで伸びる気を見上げながらそう呟く。


ガサガサッ。

ぼーっと雄大な景色に見とれていたヒナタは、

近くの茂みから聞こえた音に、

ビクッと我に返った。

「えっ?何かいるの??」

慌てて身構えたが、そこからは

可愛いウサギが出てきただけだった。

正確にはウサギのような生き物だが。


ヒナタがいた世界のウサギに比べ、

明らかに大きい。

大型犬程のサイズだろうか。

それに耳の間から1本の長いツノが生えている。

(ウサギ・・・・・・なのか?

いや、でも明らかにでかいよな・・・・・・

襲いかかってきたりするのか?)

そんな心配をよそに、うさぎのような生き物は

ヒナタの目の前を横切ってまた茂みの中に入っていった。


(やっぱり異世界なのか・・・・・・)

改めてそう認識しつつ、別のことも考えていた。


(あのじじい、スキルくれたはいいけど、

使い方とか詳しいこと何も教えてくれなかったよな・・・・・・)

本来転生者には異世界での生き方を詳しく教えなければならないのだが、

ボンキュッボンを狙っていた神様は、

凡人を引いてしまったショックから、

その辺の説明は記憶の遥か彼方に行ってしまっていた。


(いきなりハードモードな気がするんだが・・・・・・)

そう思いつつも、ヒナタはワクワクしていた。

この普通じゃない状況が、

ヒナタの心を踊らせていたのだ。


「とりあえず、現状把握から始めるか。

スキルとかどうやって確認するんだ?

よくあるステータスオープンとか言えばいいのか?

おっ!」


ステータスオープンと言った途端、

目の前に半透明のプレートが現れた。


名前:ヒナタ 種族:人

職業:なし Lv:1

力:100 魔力:100

素早さ:100 回避:100

運:100


スキル

・言語理解

・地図作成

・アイテム収納

・鑑定

・獲得経験値5倍

・魔力消費量2分の1

・スキル制限解除

・好印象


「RPGみたいな感じだな。

レベルもあるのか・・・・・・」

元いた世界で遊んだことのあるゲームを

思い出しながら呟いた。

「すぐ使えそうなスキルは鑑定ぐらいかな?

森の中の植物とか片っ端から調べてみるか。」

ステータスの中に気になることは多くあるが、

説明してくれるような人はいない。

まずはここで生きて行くために、

食料や寝床の確保をしようとヒナタは動き出した。



しばらく目に付くもの全てを鑑定し、

食べれそうなものがあると、

スキルアイテム収納で納めていく。

鑑定とともにヒナタが感動していたのは、

このアイテム収納というスキルだった。

収納と呟くだけで、目の前の物が手の中に吸い込まれ、

収納したあとは新鮮な状態で保存され、

欲しいものを任意で出し入れできる。

(いったいどんな原理なんだろ。

まぁでもあの爺さんいいスキルくれたよ。)

感謝するのは癪に触るが、食料確保ができることはありがたい。


そうやって鑑定と食料確保をしながら歩いていると、

小さな池のほとりへとたどり着いた。

「水だ!!飲めるのか?」

すぐさま鑑定してみる。

これまで鑑定していてわかったことは、

食べれるものは青、毒があるのは赤で表示されるということだ。

鑑定したこの池の水は青だったので、

ヒナタは直接顔をつけゴクゴクと水を飲んだ。

その最中に頭の中で声が響く。

「スキルレベルガアガリマシタ。」

ヒナタはむせた。

「ビックリしたぁ。なに今の機械音声みたいなの。

スキルレベルが上がりました、とか言ってたよな?」

突然のことに驚きつつ、ヒナタはステータスを開いてみる。

すると確かに、鑑定がLv2と表示されている。

「なるほど、スキルは使っていくとレベルが上がるのか。」

早速先程とったキノコに使ってみる。


アマミダケ(青):甘みが強いキノコ。

レア度:1


説明文とレア度が追加されていた。

「レベル2だったらこんなもんか。」

正直そんなにかわっていなかったが、

スキルが成長することを確認出来たことは大きい。



(食料だいぶ確保出来たし、

あとはとりあえず寝る場所かな・・・・・・

洞窟とかあったらいいんだけど。)


人気のない森の中をかなり歩いたが、

一向に外へ出れる気配もなく、

街や村を探すことを諦め

野宿出来そうな手頃な場所を探していた。


最悪その辺に転がって寝るしかないかと思っていたが、

出来ればそれは避けたかった。

今のところ目が覚めた時にみた、

大きなウサギしかみかけていないのだが、

どんな生き物がいるかわからない。

寝てる間に襲われてすぐ死んじゃいました、

となるのは嫌だった。


しばらく歩き回っていると、手頃な洞窟を発見した。

「あそこ良さそうじゃん!

思ってたよりもイージーモード?」

そうやって鼻歌混じりに洞窟へかけ出す。

しかしそう上手くはいかなった。


洞窟には先客がいたのである。



「グルルルルっ」

その鳴き声が聞こえた瞬間、

ヒナタの足は止まった。

「今、洞窟の中から聞こえなかったか・・・?」

高まっていた気分が一気に冷めていく。

恐る恐る洞窟の中を覗いてみる。

中は真っ暗だったが、奥に2つの黄色い光が動いていた。

「あれ、なんだ?」

確認しようと目を凝らしていると、

その2つの黄色い光が急激に近づいてきた。

慌てて後ずさるが、石につまづき、

ヒナタは仰向けに倒れてしまった。

その上を大きな狼のような生き物が勢いよく飛び越えた。


(今倒れてなかったら危なかったよな?)

そう思いながら体を起こし、

狼のような生き物を鑑定した。


黄色目の狼(イエローウルフ)

Lv5

獰猛な狼。敵と認識したものを襲う。

群れることはなく、

1匹で過ごす。


(おいおい、今襲われたってことは

もう敵として認識されてるんじゃねぇか。)

ヒナタは焦っていた。

戦闘経験が全くなく、武器もない。

しかし相手は簡単に見逃してくれるような

雰囲気もない。

(さて、どうしようか・・・・・・

転生初日に死亡とかありえないぞ・・・・・・)

そう考えていると、

イエローウルフはまた飛びかかってきた。

「ちょっ、考える暇もくれないのね!」

慌ててよけながら必死に考えを巡らせる。

(何か方法はないか、

とりあえず攻撃する手段・・・)

するとまた頭の中にさっきの機械音声が響く。

(使用可能ナスキルポイントガアリマス。)

驚きつつも叫びながら答える。

「何でもいいから攻撃手段くれ!!」

(デハ攻撃魔法ヲ習得シマスガ

ヨロシイデショウカ?)

「いいから早く!!」

(攻撃魔法プチファイアーヲ習得シマシタ。)

確認しないまま俺は叫んだ。

「プチファイアー!」

手から拳大の大きさの火の玉が飛び出る。

その火の玉はイエローウルフに真っ直ぐに向かっていく。


先程まで逃げ回っていた獲物から火の玉が飛び出し、

イエローウルフは避けることができなかった。

イエローウルフはあっという間に火に包まれた。

弱々しい鳴き声が響くが、

それも長く続かなかった。


「・・・・・・やったのか?」

黒焦げになったイエローウルフを恐る恐る確認する。

もうピクリとも動かなくなっていた。

「よかったぁ、なんとかなった。」

ヘナヘナと腰を降ろす。

(レベルガアガリマシタ。)

頭の中で声が響いた。

「コイツ倒したからかな?

ちょっと見てみよう。

ステータスオープン!」



名前:ヒナタ 種族:人

職業:なし Lv:5

力:115 魔力:120

素早さ:115 回避:115

運:120


スキル

・言語理解

・地図作成

・アイテム収納

・鑑定Lv2

・獲得経験値5倍

・魔力消費量2分の1

・スキル制限解除

・好印象

・攻撃魔法-プチファイアー



レベルとステータスが上がっていた。

先程無我夢中で使ったプチファイアーも、

しっかりと記録されている。

上がったステータスを見つつ、

考えを巡らせる。

(レベル上がったらステータスも上がるのか。

倒した方法で、どれが多く上がるかかわるのかな?

魔法はどんだけ種類あんだろ・・・)

まだまだわからないことが多くあるが、

確認もそこそこに、先程の洞窟へ戻った。


先程までイエローウルフがいた洞窟は、

いい拠点となりそうだった。


(暫くはここ拠点にして、いろいろ調べてみよう。

もしかしたら人に会えるかもしれないし。

スキルやら魔法やらも調べよう。

何か作ったりとか出来ればいいけど・・・・・・)

そう考えながらもヒナタはウトウトしていた。

(とりあえず、寝るかぁ)


怒涛の1日を乗り越え、

何もない洞窟の中で静かに眠りにつくのだった。


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