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姫様見参  作者: さん☆のりこ
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一方・・キャリさんは

暗記が得意な人って凄いと思います(*´Д`)

 貧相な格好をしている下働き?の様な人達は、何だかさっきの侍女の人達と見た目が違った。何だろう・・色素が薄いのか、髪の色とか肌の色が微妙に薄い感じがするのだ、日影に入れば解りにくい程の些細な違いなのだが。


「支配者と支配される民が、違う氏族だと言う事は良くある事だなぃ」

「あの牛たちは~、此処の土地を~征服してぇ~乗り込んで来たぁ~侵略者とぉ~言う事なのぉ?」




下働きの人達はそれはそれは不貞腐れた態度で、嫌々仕事をしている・・従業員としての態度としては如何なものだろうか?

あんな態度では此処に<お客様アンケート>なんかの箱が有ったら、速攻でクレームをたっくさん書かれそうだ。JKの地域のスーパーにも<お客様の声>とか言う掲示板にその手の苦情が貼られていたが、半分は因縁の様な気がしたものだ・・野菜が高いとか質が悪いとか・・天候に文句を言うべきだは無いだろうか?農家さん達は苦労していると思うぞ!JKの実家は両親は共働きの会社員で休日農家なんだが、祖父母は専業農家で野菜を生産しているのだ。

その手のクレームには憤りを感じている、文句言うなら天気に言えやぁゴラアァ!



それにしてもだ、下働き要員さん達の年齢層が高いな・・おばさんの後期~お婆ちゃんに掛かっている感じの年齢の層だ、この世界の見た目年齢はかなり高い様な気がしないでもないが。

・・うむぅ、実に華が無い。



「ねぇ~お城でのぉ勤務って~給料は良いだろうしぃ~箔が付くしぃ~で、結構美味しい~人気職種じゃ~無いのぉ?」


この有様は何なんだ。


「満足な給料が出ればの話だがのぅ、労役としてタダ働きさせている可能性だってある。ああして見ると、若い女の子達を城に上げて、此処の男共に手を出されるのを嫌っているのか・・意図的に隠しているようにも見えるがのぉ」


納得・・このメンバーならそんな感じだね、誰も鼻も引っ掛けないだろう。

王妃も妹姫(牛コンビ)も、傍に仕えていた者達も皆、夏のプール後の日焼けの様な肌の色をしていた。何か全体的に強そうな感じで、色の薄い人達は弱そうな感じがする・・確かに氏族は違うのだろう、彼らはきっと征服王に付きしたがってやって来た、新たな入植者(反平民側)なのだ。


薄いドアを控えめにノックして、まだほんの子供の様に見える様な若い男の子が、木製のバケツに水を汲んで運んで来た。お掃除に使うのだろう、この歳で働いているとは感心感心。少年は小母さん達に近寄ると小声で


「姫様はまだ体調が悪いとかで、未だに塔の部屋に籠り切りだって。何か魔術師や学者みたいな偉い人が沢山出入りしているみたいだ、下男の仕事も奴らがやっていて俺達を近づけようとしない」


「そうかいご苦労だったね・・それにしても、もう随分と長い間姫様の御姿を見かけないよ。心配だね、あの姫様は今は遠く離れてしまった私達の王様の国、グロッケンシュピールから和平の為に政略結婚で嫁いで来て下さった、今は亡き王妃様のたった一人の忘れ形見の姫様だ。もしお辛い目に合っていたら御気の毒な事だよ」


たぶん、その御辛い目とやらに合わせているのは、あの牛の母子+感情が切れやすい王様だと思うがな。


「姫様も不憫な方だよまったく、よりによってあの帝国の皇帝の所へ遣られるなんて。お爺様の国に戦を仕掛けて、この領地を分捕って行った獣の様な恐ろしい皇帝だよ。王は姫様が可愛くないのか、いくら和平の象徴として敵国から迎えた嫁だからと言っても、姫様には自分の血も半分は流れているだろうに」


・・・ふむ、戦で領地をブン取られる話は良くある事だが。

その後、そのお爺様の国とやらはどうなったのか・・属国になったのか併合さたか。領地を割譲したと言うなら、取り敢えず今も独立国としてやっているのか?


JKにはいまいち解らない話だったが、歴女歴が長い婆は多少の知識は得ていた。婆の好きなのは古代史と戦国時代と幕末である・・血の気の多い時代が好きな様だ。


『皇帝から新しい領地を賜り、新領主の王として意気揚々とこの地にやって来たのは良いが、領民には好かれていない様だのぉ。あの王妃は機転が効く感じでも無かったし、山内一豊と妻の千代の様ではなさそうだのぉ。だがしかし、前藩主の長曾我部子氏の飼い共に逆らわれて、虐殺事件を引き起こした一豊と似ている所も有るのかのぉ?どうも、感情の調節機能が怪しそうな王だったからのぉ。

・・・既に何か、やらかしているのかもしれぬ・・』




・・知りたいのは、姫様が追い詰められた理由なのだが・・。


    ******



『こちらが知りたい情報程、相手は隠したくなるもの・・か』

その頃・・一人姫様の中に残って学習中だったキャリさんは、心中でそう溢していた。


みんながそれぞれのミッションで去った後、キャリさんは代表してクソ不味い朝食を無理をしつつ頂き(姫様の身体の維持管理の為だ)その後すぐから座学に勤しんでいる。傍に専門の講師を13人従えて、ノンストップで学習中だ。


「大まかな地理と歴史、各地の産業と流通・金融・税制は解りました。もう結構です、あぁ・・本は置いて行って下さい、復習に使いますから。」


専門書を読みつつ、疑問に感じた事を講師に解説させながら授業は進めている。アドバンテージは完全にキャリさんが握り、講師は用意して来たテキストを広げる事も出来ない。


キャリさんの勉強方法は、疑問を一つ感じるとそれを切っ掛けに、更なる疑問や法的な不備な点への指摘、不合理な因習の改善方法や・そこから派生する問題点やその解決策など・・あちこち行政の壁(縄張り)を越えて多岐にわたるので、呼び出される専門家の人数がどんどん増えて行ったのだ。

まるで国会の答弁で与党に質問する某白い立て襟議員さんのごたるに、舌鋒鋭く容赦しない怒涛の質問に学者達や文官達はもう涙目だ。


何故か帝国の辺境伯の領地から産出されるワインの話から始まって、それの流通経路・使うインフラの整備状況から~この世界の土木工事の発展規模、関税や税制の話まで・・質問は泉の様に湧き出て来て即答を要求される。学者たちは学問院の卒業試験の口頭審問を思い出し(遥か昔・若かりし頃の暗黒史だ)油汗を流しながら答えていた。

しかも帝国や属国間の格差の問題や、関税の不公正など・・政治的で意味深な痛い所を突いて来る。


「不合理ですね、良くないと思います」

「納得いきません、改正案は出来て居るのですか。改革すべきです」


『そんな事は解っているーー!ここは愚鈍の王と鬼の様な皇帝が支配している暗黒世界なんだよ!!』


学者たちは心の声を必死になって飲み込んだ、王や帝国への批判など迂闊に話したら不敬罪になるし、不合理を肯定したら己たちの未熟さと、無能を認めてしまう事になる事ではないか。

世界の理不尽さと、己の非力に叫び出したくなる思いだ。


思わず姫様だって王族で、王国への責任が有るのではないか・・と言いかけて言葉を噤む、そうだ姫様の中身は違う人格で、この世の住人でさえないのだった・・と思い出すからだ。姫様の顔と姿で詰問されると、勘違いしそうになってしまう。いままで陰に隠れて大人しく、静かにいない者の様に過ごして来た姫様とは大違いだ。余りに悔しかったからか、年嵩の経済学者が侮蔑を含んだような声音で言った、彼もいい加減鬱憤が溜まっていたのだろう。


「貴方様がいた世界は、この世界と違って、嘸かし進んでいて豊かだったのでしょうなぁ」


彼に一瞥もくれることなく姫様は言い放った。


「理系の発展は兎も角として、政治や経済がその専門の学者が言った通りに動いた事など有りませんでしたね。世の動きは其処に生きる者の思考が反映されるモノ、学者先生の予想通りには動かせないものですよ。民衆の意向を無視した政策など机上でいくら論じても無意味なんですよ、世を動かしていくのはその他大勢の民衆で有る事を認識するには、この世界の統治者の意識も民衆の民度もまだまだ其処までは成熟していない様ですね」


壮大な駄目だし・・もうやだ・・・・この人キツイ。


上(皇帝や王)から下(官僚・学者やら民衆)まで盛大にディスられてこの日の講義は終わった。

学者達は存在を全否定されて、スゴスゴと帰って行った・・。




 『ご愁傷様、でもこの位で凹むなど軟弱だ』

部長の叱責はもっと抉る様にきつい物だったぞ。

何だか、界を超えて八つ当たりした様な気もするが・・だって酷いんだもの。こんな資料を持ってノコノコ部長の前に行こうモノなら・・考えただけで恐ろしい。部長と皇帝や王はどちらが怖いだろう、暴力に訴えて来る分後者の方が恐ろしいんだろうな。

まぁ、魂の身の上だから殺されても姫様が犠牲になるだけだが、そして彼女の魂は飛散しているので苦しみも痛みも悲しみさえも感じ無いのだろうが。


       『・・なにそれ、無敵じゃないのさ・・』


 学者がいなくなった後も、本をパラパラと捲りながら速読をする。

結構便利な技なんだが、羊皮紙で出来たこの本ではやりにくい。・・・電子書籍で速読って出来るんだろうか?


インプットなら任せなさい記憶力には自信があるのだ、その昔百人一首だの元素記号カードなど意味も解らず覚えたものだが。覚える事に快感を感じるタイプの人だったのだ、まぁ覚えるだけなんだけど。

苦手なのは取り込んだ情報を精査・分析・統合して、自分達の行動の指針を判断する事だ。情報だけ抱え込んでも、その後どうするか考えられなければ意味は無い・・その決断力のなさが会社では問題とされていた。常々部長に喝を入れられていたのだ、データーばかり積み上げていて、さも働いている様だが時間のロスなだけだ、早く方針を決めなくては部下が動かせないぞ・・などと。

自分は指揮官タイプなのでは無くて参謀タイプなのだ、もともと総合職何て向いていない・・ただ真面目に地道に働いているのが向いているのに。


『あぁぁ~嫌な事を思い出しちゃった、どうせ私は部下の扱いが下手で人望も有りませんでしたよ。なんたって殺される程嫌われていたんだから。

わぁ~凄い~、気分がズブズブと相模灘に沈んで行く様だわ。もう深海深く沈み込んでワームになって熱水噴出孔の傍でたゆたいながら生きて行きたい~』





突然、その美しい顔に眉間の皺も深く、う~~う~と唸りながら腕組をして<考え中>なのか、フリーズした姫様に女官・警備の騎士達は困惑した。


そして、やっぱり思うのだ・・この人はあの素晴らしい姫様では無いのだと。


姫様の御輿入れには期待が込められていた、あの美しさと聡明さなら、帝国の後宮でも上手く泳ぎ回り祖国の為に働いてくれるだろうと。少しでも暮らし向きが楽になれば、自分達の存在も民に受け入れられるのではないかと。ただ無暗やたらに威張り散らすようなアホには良いかも知れないが、繊細な精神を持つ多くの心優しい者達にとっては民衆との乖離は決して暮らしやすい国の有り様では無いのだ。


あの妹姫も論外だが、この姫にもとてもじゃ無いが期待できそうも無い。精々皇帝や帝国の重鎮達を怒らせないで、ただ静かにひっそりと暮らして頂くのを望むのみだ。

傍に控えて一部始終を見ていた騎士団長は、心の中で深いため息を漏らした。




キャリさんは、どうやらこの世界でも(早くも)人望が得られなかった様だ。

頑張ってはいるんだけどね・・合掌!


文中で偏見に満ちた発言が有りますが、あくまでもキャリさんの持論です。キャリさんは他人にも自分にも厳しいしいタイプ(*´з`)

JKちゃんは他人に厳しく自分に甘いタイプ(*´▽`*)


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