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ソードサモナー  作者: 猫の手
2/12

特訓訓練練習習得

「今日はここで野宿だな」

ホーロットはそうシェルンとシケットに伝えた


始めての野宿…!

薪集めとかなら手伝えそう…!


「あの私薪拾って来ますね!」

「あ、いや別にいいよ」

そうホーロットさんは私に言い、美味しそうな木の実が成熟している木に近づく

「あ、最初に食料集めですね!」

「ん?まぁそんなところだな、後ちょっと危ないから下がってな」

「へ?」


ズババババババッ!!

木が横、縦に切断され、薪の山が目の前に一瞬にして出来た

同時に落ちる木の実はシケットさんが一つ残らずキャッチ

「大量ですニャ♪」

「シケット、お前は他の食料を探して来てくれ」

「了解ですニャー」

そう言いシケットさんはその場を離れる

「え…えっと…?」

「ん?どうした?」

「いやなんでも無いです…」

皆こんな感じなのかな…?

だとしたら一生辿り着けそうに無いですねこれ…


そうこう考えているうちにホーロットさんが落ちた葉っぱをかき集め一箇所にまとめていた

「それは何に使うんですか?」

「ベットのかわりだ」

サバイバル能力が高いよッ!!?


「よし、大体これで大丈夫だろう、火は後で準備するとしてとりあえず一旦休憩だ」

「は、はい」

「なんか聞きたいことあるか?」

そう言えば一番気になることがあったのを思い出した


「ホーロットさんは剣陣召喚士なんですか?」

ほんの一瞬ホーロットさんが少し悲しいそうな顔をしていた気がする

「違うな、俺はただの剣士だ」

「そうですか…」

「お前は剣陣召喚士なんだろ?」

「はい…でも私自身が弱くて…」

「なら強くなれば良い」

「え?」

「5日間、首都に着くまでの間だけなら多少の剣の使い方は教えてやるよ」

「え、えぇっ!?」

嬉しいような怖いような…なんか複雑だな…


「嫌なら別に良いんだが?」

「いや、やります!教えてください!」

考えて答えたのか?と聞かれたら答えはNO…勢いで言ってしまった…

「じゃあ、明日から始めるからな」

「は、はい…」

そんな話しを続けて居ると、シケットさんが大量の魚、山菜、ウサギを採って帰って来た

「二人とも何の話しをしてたのですかニャ?」

「剣術を教えることにした」

「おー、なら明日から忙しくなりそうですニャ、でもせっかく教わるなら首都にある剣術学校に行くと良いニャ」

「剣術学校…?」

「首都唯一の剣士育成学校だ、昔は俺もそこで世話になったな」


剣術学校……ちょっと興味有るかも…




首都到着まで後4日



ーーーー《翌日》ーーーー



「体力無いなお前」


私は地面に項垂れていた

「は、速過ぎますよ…」

ゼェゼェと息切れしている所でシケットさんが水を渡してくれた

圧倒的女神ッ…!


「ただのダッシュだったんだが…、体力的な訓練は辞めといた方が良いな…」

そう私はホーロットさんが言った『目的地までダッシュで行く』という訓練を始めて数分でこの様である


「しょうがねぇ、プランBだ」

そう言いホーロットは鞘に入った短剣をシェルンに渡した


よく見るとフードの男が投げつけてきた短剣だった


「それをずっと手に持ってろ、利き手でも良いし逆でも良い、疲れたら持ち手を変えても良い、とにかくそれを首都に着くまでずっと手に持ってろ」

「は、はぁ…」

「寝る時以外はずっとそうしとけ、じゃあ行くぞ」

「…???」

これ何の訓練なんだろ…?


その後は剣を持つこと以外は何もせずに、ただ着々と時間と日にちが過ぎ、結局首都に着いてしまった



「到着だ」

「長かったニャー…!」

「これが首都…!?」

様々な店が立ち並び多くの人が行き交っている

そして何よりも目を引くのが…


「あの大きい城は一体なんですか…?」

首都の中央、とても巨大な城塞が目に入る


「この国の軍隊の本拠地ですニャ」

「テレスクレア軍本部だな」

「へぇー…」

軍本部は遠目でも分かるぐらい大きかった


「とりあえず剣術学校に行くぞ」

「え!?良いんですか!?」

「このまま、『はい解散』じゃ淋しいだろ」

「そうですニャ」

「あ、ありがとうございます…!」

「あと、訓練はもう良いから剣を離しても良いぞ」

「そういえば、これ何の訓練だったんですか?」

「いずれ分かるぜ」

「?」

「それとその短剣は持っとけ念の為にな」


私は疑問を少し持ちながらも、街中では目立つ短剣をコートの内の見えない位置にしまう、因みに直ぐ取り出せる位置に短剣はしまった


「ちなみに学校はギルド本部の横ですニャ」

「じゃあ行くか」


ホーロットさんがそう言い私達は剣術学校に向かった



ーーーー《剣術学校校門》ーーーー


「ここが…学校…」


軍本部ほどでは無いがこちらも中々に大きい


「あ!?そういえば私学費とか持ってないですよ!?」

「剣陣召喚士は全額、国が免除してくれるぞ」

「えぇっ!?」

なにそれ凄い!?


ホーロットとシケットが中に入るのに続いて、シェルンも後から続く


その後ホーロットは事務所に歩いて行った

「ここの卒業生のホーロット・メインズだ、校長居るか?」

「ふぁっ!?」

事務員が驚愕の声を上げる

「しょ、少々お待ちください…!」


「なんであんなに驚いてるんでしょうか…?」

明らかに挙動不審だ、そんなにホーロットさんが怖かったのだろうか…?


「そりゃあ…って…そういえば思った事があるんだけどニャ、シェルンちゃんってホーロットの事全然知らないのかニャ?」

「全然」

ただの剣士って本人は言ってたけど…


「ならきっと驚くニャ」

「?」

そんな話しをシケットさんと話しているうちに、一人の体育会系の先生らしい人が近づいて来た


「よぉ、ホーロット元気そうだな」

「なんでお前がここに居るんだよタキリ…」

「この学校の先生だからだぁ!」

「世も末だな…」

どうやら目の前に居る先生はホーロットさんの知り合いらしい

「そんじゃあ、校長の所に行くぞー?」

そう言ってタキリ先生は先に進んで行き私達はその後を着いて行った


「校長は相変わらずか?」

「いや変わったぞ、そういえばお前知らなかったのか?」

「知らねぇよ、お前が先生やってる事すら知らなかったんだぞ…?」

「HAHAHA!それもそうか!」

「で、誰なんだ?」

「会えば分かるぜ、とりあえずここが校長室だ、おーい校長ホーロットが来たぞ」


「ホーロットォォォォ!!」

そう叫びながら扉を蹴散らしながら人が飛び出してくる

それをホーロットは難なく避ける


「酷い!?なんで避けるの!?」

「なんでテメェが校長してんだよ、セルフィ」

セルフィと呼ばれた校長はVサインを出しながら

「なれちゃった♪」

「不安要素が多過ぎる学校になっちまったな…」

「そういえばこの子誰?」

そう言いながらセルフィはシェルンに目を向ける

「ここの入学する予定のシェルンだ」

「おー、よろしくねシェルンちゃん」

「よ、よろしくお願いします!」

「そう緊張しなくても大丈夫よ」

そう微笑みかけるセルフィ校長

「じゃあ、早速だけど軽い試験でも受けて貰おうかしら」

「ふぇ!?」

な、なんだってー!?

「筆記試験じゃないから安心しろ」

「タキリ、それで安心出来るのはお前だけだ」

「簡単な試験だから大丈夫よ着いて来て」


セルフィ校長に言われるがままに私達は着いて行った


辿り着いた先は生徒会室

「テイル君居るー?」

「なんでしょう校長?」

「入学希望者の相手してやって」

「はぁ…またですか…」

そう渋々椅子から立ち上がったのは金髪メガネの青年

ちょっと威圧感が有る感じの生徒会長は私に近づいて来る

「貴様か?名前は何て言う?」

「シ、シェルンです…」

「…ふんっ……ならさっさと武道場に来い」

テイルはそう言いその場を立ち去る


第一印象、凄く感じの悪い子


「まったくー…感じ悪いわねぇ」

セルフィ校長はそう言い着いて来てと再び私達に言う



ーーーー《武道場》ーーーー


武道場に入るとそこには木剣を持ったテイルが居た


「さっさと木剣を取れ」

そう言われ私は壁に立て掛けて有る木剣を取った

「え、えーと…?」

「今からシェルンちゃんはテイル君に攻撃をし続けてください、テイル君は防ぐだけです」

「ええっ!?それって大丈夫なんですか!?」

「彼強いわよー?」

セルフィ校長はそう言い残し少し離れた所に移動する、他のメンバーも同じように移動した


「来い」

ただ一言、テイルはそれだけ言い木剣を構える

「じゃ、じゃあ行きます…!」

木剣を構えて攻撃を…

「それがお前の構えか…?笑えるな…」

「し、知らないんだからしょうがないじゃないですか!?」

「ふんっ…話しにならんな…」

そう言い構えを解くテイル


その隙にシェルンは攻撃をしかける

しかし…


ガッ!


シェルンの木剣をテイルは弾きアッサリ遮られるそして


カウンターの要領でテイルは木剣を振り下ろす

「えっ!?わっ!!?」

唐突の事に驚きながらも木剣を無造作に前にだしテイルのカウンターを防ぐ


「おいテイル!お前は防ぐだけだろ!」

タキリ先生がそう叫ぶ

「こんな奴が入学する権利なんて無いです」

「テメェ…!」

「待ちなさい」

セルフィ校長はタキリ先生を止める

「セルフィ…!?良いのか!?」

「少し様子を見るわ、後校長と呼びなさい」


テイルさんは距離を取ってから私に問う

「お前…剣陣召喚士だろ…?」

「は、はい…」


「全てを灰にしろ、剣陣 《イフリート》」

テイルは木剣を投げ捨て剣陣を召喚、具現化したレイピアの様な形状の剣陣を手に取る

熱気が周囲を包み周りの温度が上昇

次第に手にしたレイピアに炎が纏う


「貴様も剣陣を出せ」

「え、えっと…!?」

「さっさと出せ!」


「ち、契りを交わせ!剣陣《契り剣》!」

私は剣陣を召喚し具現化した剣を手に取る

「俺の攻撃を防ぎきったらお前を認めてやる」

「えっ!?ちょっと待ってください!」

「断る」

テイルはそう言葉を吐き捨て

レイピアの先端に人の頭ぐらいの大きさの炎の球を作り出し、それをシェルンに投擲

「うわっ!?」

間一髪の所で避ける、避けると言っても足が躓きこけて運良く避けれただけだった

「戦え!それでも召喚士か!?」

「…………………」


なんて理不尽な人だ…


初心者に普通剣陣でいきなり攻撃するとかどうかしてる…


ちょっとだけ……


「ちょっとだけ頭にきました」


私は左手に持っていた木剣を捨て、右手に持っていた剣陣《契り剣》を左手に持ち直す


「ほう…?」

その姿を確認したテイルは剣陣を構える、いわゆるフェンシングの構えだった


「……行きます…!」

私は駆け出し左手に持っている剣陣を横に振り抜く






フリをした

「っ…!?」


シェルンは振る寸前、左手から右手にバレないように剣陣を持ち替え、何も無い左手を振り抜きテイルにガードをさせる動作をさせ

右手に持った剣陣でテイルのガードの空いた所を斬りにかかった


テイルは焦った

こいつはこんな事が出来るのかと

剣の構えはメチャクチャなくせに、剣の扱いは普通の剣士と同じという矛盾…だが…!

「そんなフェイントが効くと思ったのか!?」

テイルはそう言いシェルンの右手に持った剣陣をレイピアで防ぐ




直後

テイルの首ギリギリに剣先が突き付けられた




「なん…だと…っ!!?」

突き付けられたのは防いだ右手の剣陣ではなく、左手に握られた短剣だった



「私の勝ちでしゅ…!」

噛んだ


静まり返る武道場


「ぷっ…!お前そこで噛むのかよ…くくっ…!」

笑いを堪えるタキリ先生

「はいはい笑わない、試験は終わりよ」

セルフィ校長がそうシェルンとテイルに言う


それを聞き私はテイル君に突き付けた剣をしまう

「ご、ごめんね…?」

「…………いやそれは僕の台詞だ」

「え?」

意外な一言に私は少し驚いた

「色々馬鹿にしてすまなかった」

「いや…!私の方こそ不意打ちばかりしてすいません!」

「負けは負けだ、言い訳なんてしない」

「そ、そうですか…」

「ところでお前に剣を教えたのはあの人か?」

テイルはホーロットを指差す

「そうですよ、ホーロットさんが教えてくれました」

「ホーロット…!?」

テイルは驚きホーロットを凝視する

「あの…ホーロットさんって一体何者なんですか…?」

「知らないのか?」

「はい」

「やはり君は馬鹿だな」

「何で!?」

「名前を知らない人は多分ここではお前ぐらいだ」

「そ、そんなに…!?」

「表舞台には絶対出て来ないと思っていたんだが…何故だ…?」

テイルは自問自答を繰り返した

「あのー…」

「おーい、二人とも戻るわよー」

セルフィ校長が私達を呼ぶ

肝心のホーロットさんが何者かが聞けてない…!

「あの…!」

「すいません校長、もう少し待ってもらいませんか?」

私が言う前にテイル君が校長を呼び止める


「あなたと手合わせ願いたい」

そう言って指差した先に居たのはホーロットだった


「ん?俺?」

「本当に貴方がホーロット・メインズか確かめたい」

「なんで確かめたいかは知らないが……まぁ、確かめたければその剣で確かめてみな」

そう言ってホーロットは腰に着けていた剣を後ろに投げ捨てた


「は?」

テイルは困惑した表情を浮かべる

「生徒会長に怪我させたら大変だからな、ハンデだ」

そう言い立て掛けてある木剣を手に取る

「僕は剣陣を使いますよ?」

「構わねぇよ、別に良いだろ校長?」

「良いわよー」

軽っ

と、とりあえず私も離れないと…


シェルンはセルフィ校長の居る方に移動した

「だそうだ、お前から来な」

「それでは遠慮無く行かせてもらいます」

テイルの剣陣 《イフリート》は更に纏わせている炎の力を増幅させ、剣先を向けているホーロットに狙いを定める

「炎よ理に反し貫き焼き尽くせ…!『豪炎槍』…っ!!」

直後、槍の形をした巨大な炎の塊がホーロットに襲おうと迫る


「よっと」

跳躍しホーロットは炎の槍を避ける

その跳躍をテイルは見逃さない

落ちる瞬間を狙い追撃を仕掛ける

「所詮木剣、炎の剣には勝てない」

「その変な自信がさっきの戦いの敗因じゃねぇのか?」

ガァッ!

剣と木の衝撃音


振り下ろされる剣陣イフリートをホーロットは木剣で受け止めた

「っ!?」

「そらよっと!」

ホーロットは直ぐ剣陣イフリートを弾き距離を取る

「炎よ理に反し地を駆けろ!『炎の道標』!」

テイルが剣陣を地面に突き刺し

炎がホーロットを追うように地面から次々と吹き出す


「良いのか?ここ武道場だろ?」

そう言いながらホーロットは立ち昇る火柱を掻い潜りテイルに接近

「武道場は後で直します」

テイルはホーロットの動きを予測していたのか接近するホーロットに合わせて剣陣イフリートを対象目指して突く


強者と認めたが故の行動



「良い動きだ」

ホーロットは木剣を腰の位置で構え接近する、もちろん速度は落とさない


イフリートと衝突する瞬間、ホーロットは腰に構えていた木剣を振り抜く


ガッッ!!


衝突音、テイルの剣陣イフリートは宙に弧を描き地面に落ちた


「今の型は…」

「俺の知り合いの使う技だ、まぁ剣で使う技じゃないけどな、何はともあれ俺の勝ちな」


ホーロットは凄まじい焦げが付いた木剣を床に置き

校長が居る方向の出口に向かう


「あの校長先生…」

私は直ぐ隣りに居る校長先生に話しを切り出した

「ん?何かしら?」

「ホーロットさんって何者なんですか?」

「ホーロットは最強と呼ばれる筈だった人よ」

「呼ばれる筈だった…?」

「私は今でもホーロットが最強だと思うけどね♪」

「ギルド序列第2位が何言ってやがる」

気づいたら、目の前にホーロットが立って居た


「剣陣無しだったら貴方の方が強いわよ?」

「今時剣陣無しで戦う召喚士なんて居ねぇよ、行くぞシケット」

「了解ですニャー」

そう言いホーロットさんとシケットさんは武道場の出口に向かう


「あの!ホーロットさん!シケットさん!」

その二人を私は呼び止めた、二人にはまだ言えてない事がある



「ん?」

「ニャ?」

「短い間でしたけどありがとうございました!」


「あぁ、また何処かで会おう」

「バイバイニャー♪」


そう言って今度こそ二人は武道場を出た








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#3《不良と女嫌いと時弄り》

作者「遅くなってしまいましたが第2話投稿しましたー」

シケット「今だにこのサイトの使い方がよく分からないのは秘密ニャ」

作者「というわけで今回もミスが有ったら生暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。次回は《不良と女嫌いと時弄り》」

シケット「次回も見てくれると嬉しいニャン♪」

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