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赤ん坊時代

今回はあまり納得のいくものではありませんでしたが…一応載せておきます!

「オギャー、オギャー!」

病院というべきか保健所というべきかとにかくそこで一人の白髪の子供が生まれた。

「男の子ですね。」

メイドの女性が笑って母親にそう言う。

「これでこの子が跡継ぎになってくれればいいのだけれど…」

赤髪の母親が子供の心配をする。

「大丈夫ですよ!奥様ならその子を育てられます!」

メイドは自分があたかも世話を見ないようなことを言っている…それがこの世界での基準だ。


この世界は貴族だろうと王族だろうと関係なしに子供が5歳になるまで母親が世話を見るのだ。


「ところでお名前は何にします?」

「この子の名前はファンデル。ファンデルよ。」

「わかりました…では何か必要なものが有れば私に手紙を…」

メイドはその場を立ち去り、出て行った。

「ええ、ありがとう。」


そして数分後…

「(…ここは?)」

元男子高校生の赤ん坊ことファンデルが目を覚ました。

「あら起きたの?」

すると目の前に現れたのは赤髪の母親だった。

「あーうう!(髪の毛邪魔!)」

ファンデルは母親の髪の毛を払うように手を動かす。

「あらあら…お母さんの髪の毛、気に入ったの?」

母親は新しいおもちゃを見つけたかのようにファンデルの目の前で髪の毛を揺らした。

「あうう…う!(邪魔だって!)」

ファンデルはそれをなんとか払おうとするが…逆効果であった。

「ふふふ…」

もっと過激になり、余計邪魔くさくなってしまった。


それから数日後…

「じゃあ今日は昔話をしましょうね…」

「(どんなのだ?)」

「今日は…『火の王子様』昔あるところにユラシア・ユーラリアという若者がいました。」


彼はユーラリア王国の王子様でした。ある日、そのお父さん…つまり王様は風が大好きで毎日風をあたり楽しんでいました。しかし王子様は王様に身体に悪いから早く布団に入るように促しました…


しかし王様は怒り、王子様を追放しました…しかし王子様はめげずに、旅をして、王様の元から離れました。旅をしている最中に王子様は不思議な炎を見つけました。その炎は願いを叶える炎でした。王子様はこう唱えました。『どうか風が衰退するようにして欲しいと…』


その願いを叶えた瞬間、風が止み、全ての国で、大きくともそよ風しか起こらないようになりました。


そのことを知った王様は王子様を探し出し、捕らえて殺してしまいました…それに怒った火の神ファイアネスはその国を滅ぼしてしまいました。逆にその隣の国ロータスは火の神ファイアネスを祀るとすぐさま栄えて行きました。おしまい。


「ふう…どうだった?」

「うー…(おいおい…)」

ファンデルはやはりというか微妙な顔をした。

「つまんなかった?でもねこのお話しには続きがあるの。ファイアネス様は子供がより優秀になるようにサラブレッド制度を設けたのよ。」


サラブレッド制度とはこの世界における制度だ。その名前の通り遺伝子…つまり魔法、学力、格闘の分野のいずれかにおいて優秀な男性の種を女性が買って男性の種を仕込む…簡単に言えば種牡馬が繁殖牝馬に種を仕込んで競走馬をつくるのと同じだ。

だからほとんどの人間は腹違いの兄弟はいくらでもいるし、逆に種違いの兄弟も大勢いる。

またそれらの分野で優秀な成績を残せなかった男性は殺されてしまうか去勢されて奴隷として働く。


それを聞いたファンデルは…当然ドン引きした。元いた世界ではそんなことは人権侵害だの遺伝子差別だのと問題になる。


「貴方のお父さんが偉大だから貴方も偉大になれるわよ…」


終いにはこれである。一見優しそうな母親が実際にはこんなセリフを吐くのだから母親に対する評価はぐっと下がった。


「じゃあ今日はもうおしまい。おやすみ。」

そう言って母親はファンデルを寝かしつけた。



ファンデルが2歳になったある日…(ちなみにその間ファンデルは喋ることが出来たり、ある程度自力で移動が出来るようになった。)

「髪の毛が赤くなっている?」

そう…生まれた当初あった白い髪の毛が年を取るにつれて、徐々に赤くなり始めていた。

「ファンデル。髪の毛が赤くなっているのが気になるの?」

いつの間にか後ろから母親がファンデルに近づき、そう話した。

「何でそうなるの?」

ファンデルは純粋な子供のように首を傾げる。

「その前に魔法について話そうか。じゃあファンデル…どんな系統の魔法があるか答えなさい。」

母親は笑ってファンデルに尋ねた。

「えっと…火、水、風、雷、土のはず…」

ファンデルは本を読んであらゆる知識を学んだ。その中には魔道書などがあったので知識として入っている。

「そうそう…その内三角関係になっているのが火、水、風。対極になっているのが雷と土…だけど冒険者と呼ばれたり、勇者なんかと呼ばれる人は火の魔法を使っているわね。」

「なんで?」

「赤髪が世界で一番多い髪の色だからよ。髪の毛はその人の火、水、風の魔力の割合を表している…」

「なるほど…つまり赤髪の人が多いから火の魔法も発展する…ってこと?」

「それだけじゃないわ。火の王子様にも書いてあった通り、火の神ファイアネスを讃える宗教が国教だから火の魔法は栄えたのよ。」

「そういえば水や風の魔法はどうなの?」

「水は人が生活するのに必要だから…ね?火の魔法ほどじゃないけど栄えていったわ…風は火の神ファイアネスの敵だからファイアネス教の異端者として扱われたことがあったから発達出来ないでそのまま衰退して今では無能者扱いよ…」


「…そういえば雷と土の強さって何で決まるの?」

「雷と土の強さはね…バランスと適正よ。」

「バランス?」

「さっきも言ったけど髪の毛は三つの魔力の割合で決まるって言ったのは覚えているわね。」

「うん…」

「雷と土はその魔力の平均が大きいほど強くなる…だけど大体の人は火に偏っているから雷や土の魔法を使うよりも火の魔法を使ったほうがよっぽど強いのよ…」

「なるほど…」


「つまり、ファンデルの髪の毛が赤いのも火の魔力が強くなったからなのよ…」

「わかった!(じゃあウイドルは…ファイアネス教の敵ってことなのか?…わからん。)」

ファンデルは表面上は納得した顔をしても疑問が残った。

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