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3 異世界?

まだ長さが分かりません・・・。どのくらいならいいんでしょうか・・・。

「ひいいぃぃぃやあああぁぁぁぁぁ!!」

な、なんだーー!?何故落ちるんだ!?え!?うわーー!!

私は動転しながら落ちる。

やばいっ!マンホールに落ちたか!?穴って言ったらマンホールだよね!?私はそこに行きついた。

底、底にぶつかる!?私は瞬時に頭を働かせ、腕と足を曲げて下を向く。

だ、だって直立で落ちても駄目だし、背中からいったら背骨がやられて下半身不随になるかもだしっ!?

えっと!だから下向いたけど、これでいいよね!?

混乱しながらも、自分が最善だと思った行動をとった。


___________________________________________


「ひょぉぉぉおおおええぇぇぇぇぇ!!?」


おかしい。おかしすぎる。私は到底女子高生がしないような声をあげながら冷静に思う。

もう一回言うよ?

「おおぉぉぉぉいぃえぇぇぇ!!?」

おかしいんだ。あぁ、私の声がじゃないよ?

確かに、とても変だし花の女子高生があげないような声だけど、そこじゃないよ?

この今の私の状態が、だよ。うん。

”まだ落ちている”んだ。おかしすぎる。

マンホールだってこんなに深くはないはずだし。この落下時間は長すぎる。

私が冷静になれる程度には落ち続けているよ。

地球の中心に繋がっているとさえ思えるけど、そんな穴が一日そこらでできるわけないし、あったとしてももっと大騒ぎしているはずだよね。

でも事実、私は落ち続けている。

一緒に落ちたはずの自転車も、いつの間にかどこかへ行ってしまったらしい。

私は周りを見た。目に映るものは真っ暗。暗すぎて『闇』その物と言える。

何も見えない。手を伸ばせばそこに壁があるかもしれないけど、それさえもわからない。

けど、なぜか自分の姿はずっと見えていた。

おかしい。本当におかしい。

そう思っている間も、私はずっと落ち続けていた。



私だけの暗闇に変化が訪れたのは考えるのを止め、ただ無心になってから数分後のことだった。

「え・・・。あれは・・・、何?」

私は目を凝らした。

風がどんどん吹いて目が乾いて困っちゃうけど、何度も瞬きしてそれを注視する。

今見ているのは底があると思われる場所。そこには小さい点があった。

なんだろ、あれ。点。だね。うん。でも、点があっても落ち続けてるね。うん。点、てんてんててーん。

そういえば昔、てんてんって名前の天使の漫画あったね。面白くて好きだったなー。ずっと裸ではずかしくなかったんだろ、・・・う・・・か?

ってあれ?あの点、だんだん大きくなってきてないかい?

さっきまでは極小だったのに、あきらか大きくなってる。

おおきくなってる?どっちかって言うと迫って来てるような。

ま…まさか、あれが底じゃないか!?私の背中を戦慄が駆け抜ける。

こ、こんなスピードで落ちたら確実死ぬ!!

あぁ…お母さん、お父さん。今までありがとう。反抗ばっかで、至らない娘でごめん。

親より先に逝く不孝を許してください。私が死んでも長生きして下さい。

あと弟よ。颯介はお姉ちゃんになついてくれてたよね。どんどんイケメンになって、彼女つくって、幸せになってください。

みんなのこと上から見守っています。何かあったら助けるからね・・・。

そんな遺書紛いなこと思っていたとき。


_____体を何かが抜けた。


全身に鳥肌が立つ。

な、なに・・・・・・・?

そう思った。

そして突然体の芯がオーバーヒートでもしたかのように熱くなる。

「っ!?」

なに!?本当に今なにが・・・!?

体中が壮絶に痛くなりだした。

骨がミシミシと不穏な音をあげ、体は限界など知らないとでもようにどんどん熱くなる。思考も痛みにより正常に働かなくなる。

痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイいたいいたいいたいいたい・・・・・・・!!

手足の感覚さえも痛みにより麻痺していく。

熱くて、痛くて、自分の体なのに自分の体ではないみたいだ。

まるで炎で体が燃えているのかと錯覚するほど、痛みと熱さは一瞬で体を巡った。

うっすら目を開けて、体が燃えてないか確認する。

体は確かに燃えてはいなかった。しかし今も確かに燃えているような痛さが体中にある。

目を下に向けて正面を睨む。

だが、すぐにその目は大きく見開かれた。


目の水分を風が凄い勢いで持っていく。さっきまで見えていた点はすでに点ではなくなっていた。


___穴だ。


痛みで四散する思考を必死にまとめあげ、そう思う。

今落ちているのが穴なんだから、そこは穴じゃなくて出口だよ、とか思う余裕なんてカケラもない。

その穴をさっきまでは点だな、とか言ってたけど今ではかなり大きい。

穴の向こう側が見える程度には、近づいていた。

穴の向こうに見えるものは、空、だった。


___空に向かって落ちている。


そう思った。

けど、どこか変な感じがして痛む頭を少し押さえながら思い返す。

空に、向かって、落ちている。え、何それ、おかしい。

私は今、地面に向かって落ちているはずなんだ。

上に空があっても、下に空はないはず。ニュートンに喧嘩売ってるみたいだ。はは。イタイ。

もう一度穴を見てみる。もうそろそろ着くだろう穴には、青い空と白い雲がある。

どうやら晴天らしい。鈍い思考で思った。

もう目前に迫る、穴とは言えないほどの大きさの穴。

・・・あぁ。

「ぬける・・・・・・。」


ぽんっ!


軽い音とともに、穴をぬける。

そしたら言葉通り、重力が反転した。

「・・へ!?」

背中を振り返ると地面があり、私が出てきたはずの穴はもうすでに閉じようとしている。

「えっ!?ほ、え!?」

私は下を向いていたはずなのに上を向いて、背中から重力に従って落ちた。


「ぐえすっ!!」

乙女とは思えない声が口から出る。

「いったーーー・・・。」

背中打った、背中。背骨、私の背骨は折れてませんか。すごいジンジン痛むんですけど。

痛さのあまりそこで寝返りをうって丸まる。衝撃のせいで肺も若干痛い。

あーもー、穴に落ちてから痛いしか言ってない気がする。だって痛いし・・・。

さぁっ・・と湿った空気が頬を撫でた。

その風に合わせて、葉が擦れる音がする。背中に負担をかけないようにゆっくりと起き上がった。枝を折った音もする。

「いっててててて・・・。まったく、下を向いてたのにどうして背中、か・・ら・・・。」

私は絶句した。だってここは、さっきまで通っていた川の土手なんかじゃない。

私の知っている町ですらない。

首を動かして周りを確認する。

えっと、ここっていわゆる・・・。

「森・・・?」

え。何故。

本当にそう思う。穴を抜けたら、森?

は、意味わからないんですが。だって、落ちたら森ってねぇ。

ありえんでしょ。

おかしいわ!不思議の国のアリスかっつーんだ!こんな不思議体験リアルであった方が怖いわ!

つかそもそも、まじでどこっすか?樹海ですか?それとも北海道の知床ですか?

もうそれくらいしか知らないよ!

でも、樹海でも知床でもアマゾンでも、東京から急にいけないよ!あ!?瞬間移動か!そーか!それだ!

私に隠された能力があって、それが開☆眼したのか!!ふははははは!!

私はまだ後2段階進化が残っている・・・ってどこの中二病だーーい!!


思考は混乱して、ただただ目を見開くしかない。

いつの間にか背中の痛みも、あの謎の原因不明の痛みも消えていたけど、それでも動けなかった。



これ、じつは一話作るのにルズリーフ4枚消費してます。

一日一枚製作ペースで四日かけて作ってます。

世の作家さんは苦労なされているんですね・・・。(遠い目)

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