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1 日常

「ねえねえ、瑞稀。かっこいい図案考えてみた!見てよこれ!」

そう言って春香は私の肩を揺さぶった。

揺さぶられたことにより起きた振動やら遠心力やらが私の脳みそにダイレクトに伝わってくる。

こら!興奮しすぎだッ!頭がガクガクするじゃないかっ!これでバカになったらどーしてくれる!


「落ち着きなされ!シェイクされてる。頭の中シェイクされてる。脳みそドロドロになっちゃうから。」

私はとりあえず親友の腕を肩からはずした。何、めっちゃ手が振動してるんですけど!?恐い!手が動きすぎて恐い!!春香の手は電動で動いてるの!?そんで春香目が開きすぎてなお怖い!!


「ど、どうしたっ!?」

春香は私の声を聞いて口を開いた。でもその前にっ!春香の手に目を移す。

「止まって!まじ止まってッ!!押さえてるのにこの速さとか、何それ、怖い!!」

「あぁ、ゴメン。忘れてた。」

忘れてた!?あの速さで忘れてたと!?


「それよりほら、カッコイイ図案ができたんだ!!見て見て!!」

ジャッジャーン!!と、効果音を口にしながら紙を四枚見せてきた。



「今回のテーマは、”暗闇に光る眼”にしてみましたーーー!」

春香が胸を張ってそう言うので、ぱらぱら全体を流しみたら目だけに色があって体は黒で描かれている。

すごい自信作と言うことで、私はマジマジ見せてもらおう。

気分は嫁の粗を探す姑だ。ふぇふぇふぇふぇ・・・。


一枚目のデザイン画はドラゴンだった。

目だけが赤く、カッコイイ感じにデザインされている。炎が所々に足されていて、メンズのアクセサリーにありそうだ。うん。かっこいい。

二枚目は狼だ。

目は紫だった。背景が三日月で、先ほどのドラゴンと比べると全体的にシックなか感じにまとめられている。この図のポーチが欲しい。まじで。

三枚目は虎。

目の色は黄色。周りに雲か霧が立ち込めていて、雷がほとばしっている。虎は咆哮でもしているように、大きな口を開けている。黒地にしましまなんだね。

最後はユニコーン?ペガサス?角と翼が両方ある馬。

目の色は青。前足を上げて、今にも走りだしそうな格好をしている。足がとっても速そうだ。他の3つに比べるとだいぶ柔らかい雰囲気だと思った。



これらを見ると、1つ1つが素晴らしいと言える出来だった。

さすがデザイン専攻志望。どれもが高いセンスを窺える。

粗なんかどこにも無い。

「すごい!いいじゃん!!4つどれもすごいと思うよ!!」

とりあえず、思ったことをそのまま親友に教えてあげた。

「ドヤァ…。」

うっわ。すっごいどや顔だぁ。

でもたしかに、これでどや顔なら普通にゆるせるよ!グッジョブ!!


「そんでさぁー瑞稀。お願いがあるんだ!」

春香は両手を胸の前で組みながら私を見てくる。内心、そのことに対し苦笑を浮かべた。

だがしかし、表情筋は動かさぬ!!

「なに?できることならいいけど…。」

「本当!?実は、この4つの自信作を瑞稀に描きたい!!ボディーペインティングしたい!!」

「えー?ここ学校じゃん。」

そうなのだ。今は放課後だから人はほぼいないに等しいが、少なからずまだ残っている。その中をタトゥーもどきをしながら、歩く勇気はない。

「よって、却下。」

「えーーーっ!?いいじゃん!私の夢のために力をかしてよ!腕!腕にするから!!」

うっ…。夢を出してくるか、こやつ…。

将来の夢がかかってくると、考えが少し甘くなってしまう。

「うーーーん。」

「お願い!水性ですぐ消えるやつだから!」

ぱちん!と頭の上で手を合わせて、拝むポーズになる。

うーん。まあこれからすぐ暗くなるし、大…丈夫かな。

「しぶしぶ、OKしてやろう。」

「ははーっ!ありがたき幸せ!ってことで腕出して!」

「りょーかい。」

と言うことで、私は自分の腕を差し出す。春香は楽しそうにペンを用意しだした。

まぁ、こういうのも面白くていいかもね。


授業中にあらすじ考えるってなかなか疲れますね。

え?ちゃんと受けろって?

そんなバナナ!

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