~第2章 第2幕 戦争~ 33~35
注意:殺人が起きます。
登場人物が多すぎてグチャグチャしてます。
中学生の書いた作品です。
無駄に長いです。
似ている作品があったらごめんなさい。
(本読まないのでかぶっているものがあるかもしれません。)
一言:青と緑の長期にわたる戦争の途中、法廷の主が姿を現します。法廷の主は、敵か見方か。そして、季節はめぐりあの事件から3年目の春が巡った。
33 『百合』 翔大 会議所
青と緑の戦争が始まり一ヶ月もの月日が経た。
最高階級兵士つまり、銃剣士・看護師・魔術師・作戦部の死は報告されていない。不幸中の幸いといえばだろうか。
一ヶ月も戦争が続くなどとは思わなかった。少し休憩が入ってもここまで大きな戦争となると二週間が限界であると推測されたが。どうしてここまで戦争が続くのか。おそらく、正確な作戦だろう。
どっちが優勢なのかわからない。そんなことは、知らなくてもかまわない。
「翔大。戦闘準備って大丈夫なの?」
「あぁ。こっちは大丈夫だ。それよりも作戦のほうが重視される。しっかりやれよ。」
「まかせて。」
「看護の方はどうだ?」
「少し物資不足ね。それ以外は育成も含めて順調。」
「そうか。物資はこっちもがんばってみるよ。」
「ありがとう。」
今日は黄ノ国と対話をしようと会議所に集まっていた。しかし、約束の時間になっても黄ノ国はなかなかこない。何かあったのだろうか。
「おそいな。」
隆人も不満げだ。
― バタバタバタ ―
「来たみたいだね。」
美羽は笑顔だ。
「すまない。遅れた。」
陸の息が上がっている。相当走っていたようだ。
「珍しいね。何かあったの?」
「ちょっとな。兵士に追われてて。」
「兵士?・・・あの紫の?」
「そうそう。たぶん逃げ切れたと思うけれど。そのうち来るかもしれないな。まぁ。そのときは何とかなるだろう。こんなに人数がいるし。」
「まぁ、そうだけどさ。」
黄ノ国の人々は自由すぎる。逃げるという選択肢を選ぶ勇気はすごいと思うが少しくらい迷惑を考えてほしい。
― コンコン ―
突然、扉をたたく音が響く。誰だろう。部屋にはみんな揃っている。青ノ国が緑ノ国か?そうなると少し警戒しなければならない。でも、クレアという可能性も0ではない。
「誰だ?」
慎重に行こうと思った俺に対してジュンが先に言った。
「リリィ・スターと申します。すこし尋ねたいことがあって。」
どうやら女性が1人いるようだ。しかし、誰かが変身している可能性も低くはない。
俺はジュンの目を見て頷いた。ジュンは同時に扉を開いた。
目の前に立っていた少女は真紅のドレスに身を包んでいた。紫色の瞳。どこの国かはよくわからない。もうひとつ疑問に思う点があった。彼女の格好には不似合いな左手に引きずっている血のついた巨大な剣。
「ありがとうございます。」
微笑む彼女には“美”という言葉が似合った。クレアが変身していると思ったがその“美”がクレアでないことを判明させた。
クレアはもう少し子供っぽい顔立ち。目の色は似ているが目つきは違う。大人っぽい彼女はクレアとは違う。
少しだけ期待を裏切られた気分になる。そんな俺の顔をのぞきこんだ彼女はこういった
「改めまして私、リリィ・スターと申します。よろしくお願いします。」
深々とお辞儀をするリリィに誰もが驚き反射的にお辞儀をしてしまう。
「ところで、尋ねたいこととは?」
智のみが警戒している。
「失礼なこととは思いますが、四色戦争について詳しく教えていただきたくて。」
みんなの顔色が変わる。ただ一人リリィは不気味な笑みを浮かべている。何かあるのだろうか。彼女に教えなければいけないということはない。しかし、なぜか教えなければいけない気がする。なぜだろうか。不思議に心が迷っている。迷う必要などないのに。
― ガシャン!ガシャン! ―
俺は大きな音に気づき我に返った。この足音。聞いたことがある。あわててホルスターから銃を取り出した。
「やっぱり追ってきたか。」
智の警戒はこっちにあったようだ。
伝説の紫ノ騎士。これはなかなか強豪だ。クレアが宝を二つも使用して倒した。俺たちなどに倒せるだろうか。
「でかいのが一体のみ、のはずだ。」
「あの団体はいないんだな。」
「おそらく。」
― ガシャン!!ガシャン!! ―
近づくたびに大きくなる足音。もうすぐそこまで来ている。
誰もが銃や剣、杖を構えているにもかかわらずただ一人リリィは平然と立っていた。
「おい!リリィ逃げろ!」
俺が叫んだが遅かった。声と同時に騎士が部屋に突入してきた。
息を呑む。
― シュンッ!!! ―
騎士が2つに割れている。
剣を動かした形跡があるのはただ一人。リリィ・スターのみだった。
「お前、何者だ?」
「私は道化師。旅を続ける者よ。聞いたことないかしら?ミヨソティスの悪魔。」
「!」
俺は少しだけ耳にしたことがあった。
「万年樹が燃える時に逃げろと告げた・・・。」
智がつぶやく。
「えぇ。緑に予知したのも赤に告げたのも私よ。」
「道化師・・・。」
誰かがその言葉を呟く。湿った窓にリリィの笑みが不気味にゆがんで見える。
「道化師の私は天使にもなれるし悪魔にもなれるのよ。」
長い沈黙の後に言ったリリィの言葉には真の意味がありそうだ。
「率直に言え。」
リリィは言葉を言い終える前に口を挟む。
「あなたたちが今一番困っていることは何?その発端を作ったのは私達の仲間なのよ。この話を聞いたあなた達は、私を悪魔と見る?でも、私はあなたたちを救ったのよ。その数も1度ではない。こう言い換えれば私は天使?」
リリィの発言は問いかけてくるものばかり。しかし、俺は答えを出すことができない。選択することができないのだ。
「迷ってしまったかしら?焦らないで、正解線は探せば確実にある。でも、その答えを知っても光は見えないのよ。光の先には何一つ答えはないの。」
「なら、どうすれば答えが?」
「時よ。時に身を委ねれば全てを運んでくれる。どんな悲しみも憎しみもね。」
リリィの現れたことによりすべてが振り出しに戻された気がする。なぜか怒りがこみ上げてくる。終止符を打つチャンスをかき消された。
俺の求める終止符はこの世には存在しないのだろうか?いや、そんなはずはない。絶対に。自問自答を続ける俺の脳内に誰かがささやいた。
『早く逃げて。終わらせるのよ、この世を。この偽りの世界を。』
俺の求めているものは“世界の終わり”とでも言うのだろうか。
さらにごちゃごちゃしてくる。俺は何もかもがわからなくなった。
今の俺にできることは1つしかない。クレアたちの帰りを待つこと。ただ、それだけ。
34 『四色戦争』 翔大 赤ノ国
どれほどの時が流れただろうか。ふと窓を見ると万年樹は緑の葉をつけている。
「夏、か。」
二国の戦争は終わる気配を見せない。それだけではない。赤ノ国にも侵略してきている。気づいていないと思っているのだろうか。
俺たちは密かに戦争に向けた準備をする。俺はもう準備万全だ。いつ戦いに参戦してもかまわない。早く攻めてこないだろうか。最近はそんな感情まで芽生えてきた。
俺は悪魔に洗脳されてしまったのだろうか。あの件のあとリリィは姿を現さない。道化師の行動パターンを把握するのは不可能だ。
「翔大。いくわよ。」
美羽は普段よりも真剣な表情だ。
「もう、時が来たか。」
俺は立ち上がり銃を手に美羽の後を追う。
見方は赤ノ国だけ。もう、仲の良かったあの頃には戻れない。
俺は・・・。どうすればいいのだろうか?
35 『帰り』 翔大 戦地
「行け!!!!」
― バンッ!バンッ! ―
響く銃声。響くうめき声。響く悲しみの声。響く悲鳴。
ここは戦場と化した会議所。床は血で見えない。多くの命が消えていく。いつ戦争は終わるのだろうか。でも、終わらなくてもいい。
もう冬。いや、春が近い。四色戦争が始まって半年程時が経た。
初春なのに寒い。この状況での戦争は体力が奪われやすい。看護師がフルで活動しているのに追いつかない。幸運にも赤には魔術師が一人残っていた。そのため戦力は周りと比べて強い。
会議所で1番長い廊下。ここは舞踏会場前廊下。俺の前にも後ろにも敵も見方もいない。俺にとっての初戦。たった一人だけ生き残った。
床の血と亡骸を踏み潰し俺は舞踏会場に足を踏み入れた。
舞踏会場を見ると少し落ち着いた。何も変わっていない。あの時と。何一つ。巨大な穴からは何も感じない。音も、光も、温かみもない。でも、もうすぐ。
俺の足跡が舞踏会場を汚す。
「ここにいたのか、翔大。」
振り返った先には樹が立っていた。
「樹か・・・。逃げてくれないか?」
なぜか激しい怒りがこみ上げてくる。
「探したぞ。俺は、お前を。」
激しい怒りは殺人衝動に変化しようとする。俺は必死で自分を抑える。
「樹、俺はお前を殺めてしまう。」
「心配は無い。俺もお前を殺しに来た。」
「!」
以前の面影を残さない樹の瞳は闇に覆われていた。影に染色されていた。光の無い瞳は憎しみと復讐に満ち溢れている。このままでは自分の身が危ない。俺はそう察した。でも、樹を殺すなんてことは出来るはずも無い。
俺は銃をしまい。剣と取り出した。剣ならば体を傷つけてもライフは。
― シュンッ ―
樹の剣が風を切る音がする。俺が構えたと同時に樹が攻撃を仕掛けてきたのだ。俺はギリギリでかわす事が出来た。
「卑怯な。」
「戦に卑怯も正義もあるのか?」
― カキンッ! ―
剣がぶつかりあう音が響く。
ぶつかっては身を翻す。この繰り返し。剣の刃は徐々に欠けてくる。これでは時間と体力の無駄だ。まず、こんな争い自体が間違いなんだ。大きな過ちなんだ。怒りを抑えて冷静を必死に保つ。
しかし、それは難しかった。
― ガシャン ―
同時に銃を構えた。お互い相手の屍に銃先を突きつけている。
勝ちも負けも得ることが出来ないかもしれない。でもそれでいい無言の接戦には終止符を打たなければ。自分の怒りと殺人衝動を抑えなければ。終止符を打つにはこれしかない。
『お互い朽ち果てる。』
でも、それは。
俺は微笑み引き金に人差し指をかけた。樹の良心が心を惑わせているのだろうか。樹は一向に打つ気配を見せない。
ここで樹も俺も助かっても樹は今後どうするのだろうか。それに、俺はもう決めた。
覚悟を決めて死と付き合うことを決意した。誰かの声がずっと響いている。
― バンッ! ―
響き渡る銃声。
「翔大・・・。」
樹の声が遠くに聞こえる。かすかに目を開けると真紅の液体が飛び散っている。俺の視界はもうすぐ消える。そして目が覚めて時には俺の知る世界はない。
俺の銃は自分自身の心臓を正確に打ち抜いたことだろう。痛みも感じない。
わずかに見える樹だが確実にわかることがある。樹の瞳は普段の目だ。俺を抱いて泣いているのが分かる。樹の涙はもう、誰にも届かない。
― コツコツコツ ―
誰かが歩いてくる音が遠くに聞こえた。
― ギィィ ―
この部屋に入ってきたようだ。誰だ?敵か、見方か。でも、そんなものは何でもいい。だって俺はもうすぐ。消える。樹は誰が入ってきたか気づいたようだ。
突然巨大な光が目の前に現れた。光は無数なのピンクの花びらになった。これは・・・バラ?
「草の石。」
樹の言葉に俺は驚いた。
5人が帰ってきたのか?気づかなかった。今は春。帰ってきても、おかしくは無い。帰ってくるならば赤は戦争にここまで力を注がなかった。半年前このことを知っていれば。いや、少し前でも分かっていたら俺はこんな過ちを・・・。
視界はもうすぐ消えそうだ。
目の前に見えるピンクの花びらは俺を包みこんだ。幻覚?いや、ちがう。これは、緑ノ宝。これは、この花びらは。ピンクのバラの花言葉はいくつかあった。その中で“回復”があった気がする。俺は・・・。助かる。約束を果たすことが出来る。
耳元で誰かが何かを囁いた。
『ありがとう。』
俺はその声を聴くと目を閉じた。
目を開けた先には俺の知っているいつもの風景と人々がいる。
「翔大!!!」
笑っているのは久し振りに見る顔だ。
「美咲・・・。元気そうだな。」
「だって私達は数時間しか経っていないから。」
「そうだったな。」
二人で笑った。しかし、こんな時間も長く続くわけもない。
「そういえば何があったの?」
「さぁな。急に戦争が起こったんだよ。最初は青と緑の戦争だったが今では四色戦争になった。」
「そうなんだ。大変ね。」
俺は起き上がりベッドに座った。
「すごいな。宝は。」
「そうね。もう、戦ってもいいようね。」
「おいおい。そりゃないだろ。」
「ふふっ冗談よ。でも、樹と戦うことになるとはあなた自身も樹自身も予想をしていなかったでしょうね。もちろん。あなたが自殺を選ぶことも。」
美咲は少し不満でもあるかのような表情だ。
「最もの大罪ということは分かっている。でもな、現実はそんなに甘く無いんだよ。」
美咲は無理に笑って見せた。
「クレアって帰って来たかしら?」
「いや。まだ、だ。・・・俺たちもステラ王女から話を聞いている。」
「そういえば、あの法廷のようなところは何?」
「急に建てられていたんだ。誰が何の目的かは不明。」
― コンコン ―
誰かが扉をノックする音がした。
― ギィ ―
扉が開いて入ってきたのはリリィだった。
「失礼。大丈夫かしら?」
「リリィ。」
「リリィ?聞いたこと無いわね。」
美咲は首を傾けている。
「あぁ。この人は。」
「私はリリィ・スターといいます。通称ミヨソティスの悪魔。あの法廷のような建物の主よ」
「あの法廷はなに?」
「あれは法廷などではないわ。私の屋敷。完全な防御が施してあるの。そしたらあんな形になってしまってね。」
微笑するリリィに対して美咲は警戒しているようだ。
「ちょっと報告に着たんだけど・・・。その調子じゃダメね。失礼するわ。」
勝手に出て行ったリリィを確認すると美咲は口を開いた。
「リリィ・スター。姫ユリのことかしら?強いから美しい・・・。」
「その言葉どこかで・・・。」
「そうね。随分昔に聞いた気がするわ。幼少時代の記憶ね。ミヨソティスは何だったかしら?」
ご覧頂ありがとうございました。
続きは3月19日9時を予定しています。
そろそろ、話に矛盾点または人名ミスが出てくると思います。
今後もよろしくお願いします。
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