表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臨界(仮)  作者: vastum


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/69

27話

男はしゃがんでいた。


石畳に手を当てる。


指でなぞる。


「……加工石」


広場だった。


だが完全な広場ではない。


石畳はところどころ沈み、

少し傾いている。


かなり古い構造だ。


男は立ち上がる。


周囲を見回す。


崩れた柱。


欠けた石壁。


「遺跡か」


男は中央を見る。


剣。


大量だった。


地面に突き刺さっている。


しかも


鎖で束ねられている。


風が吹く。


カチャ……


鎖が鳴る。


男はゆっくり近づく。


一本の柄を観察する。


「……鋼」


しかし錆びが少ない。


「妙だな」


その時。


足音がした。


振り向く。


女が立っていた。


旅装の格好。


女は広場を見回す。


「……ここ」


男が言う。


「知らない場所だろう」


女は少し驚く。


「わかるの?」


男は頷く。


「私もだ」


女は中央の剣を見る。


「戦場かな」


男は首を振る。


「違う」


「どうして」


男は石畳を指さす。


「割れ方」


「え?」


「衝撃ではない」


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


男は剣を見る。


「あと配置」


「配置?」


「戦場なら散らばる」


女は少し考える。


「確かに」


男は剣の束を見る。


「これは意図的だ」


「誰かが?」


「刺した」


風が吹く。


草が揺れる。


女が空を見る。


「でも静かだね」


「それも妙だ」


「どうして」


男は空を見る。


青空だった。


「こんな場所が知られていない」


女は笑う。


「秘密の場所?」


「かもしれない」


少し沈黙。


女が聞く。


「名前は?」


「セリウス」


「私は——」


その瞬間。


女が消えた。


セリウスは少しだけ驚いた。


しかしすぐに中央の剣を見る。


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


男は小さく呟く。


「……面白い」


次の瞬間。


男も消えた。


広場には誰もいない。


風だけが残っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ