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臨界(仮)  作者: vastum


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12/25

12話

昼だった。


広場には静かな光が差している。


石畳は温かく、

草の上で小さな虫が動いていた。


中央には剣が刺さっている。


何十本もの剣が、錆びた鎖で束ねられている。


カチャ……


風が吹き、鎖が鳴る。


その近くに、一人の男が立っていた。


背の高い男だった。


黒いコート。

手には奇妙な金属の箱。


男は周囲を見回す。


「……信号が消えた」


箱の表面に光が走る。


男は中央の剣を見る。


眉をひそめた。


「なんだこれは」


一本の剣に触れる。


「鉄?」


その時。


足音がした。


振り向く。


ローブを着た少女が立っていた。


杖を持っている。


少女は広場を見回す。


「……どこ?」


男が言う。


「それを調べている」


少女は少し警戒した。


「ここ知ってるの?」


男は首を振る。


「知らない」


少女は中央の剣を見る。


「すごい……」


男は箱を操作する。


光が点滅する。


「重力は正常」


少女

「なにそれ」


「気にするな」


少女は鎖に触れる。


カチャ……


「古い」


「かなりな」


少女

「戦場?」


「違う気がする」


少女

「どうして」


男は空を見た。


青い空。


雲が流れている。


「静かすぎる」


少女は少し笑う。


「いいことじゃない?」


男は箱を見た。


数字が表示されている。


「……妙だ」


少女

「なにが」


男は中央の剣を見る。


「この剣」


「うん」


「何かを隠している」


少女は首をかしげる。


「どういう意味?」


男は答えなかった。


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


少女が空を見る。


「気持ちいい昼」


男も空を見る。


「……ああ」


少し沈黙。


少女が聞く。


「名前は?」


「アーク」


少女

「私は——」


その瞬間。


少女が消えた。


男は少し驚く。


「……やはり」


箱を見る。


数値が変わっていた。


男は中央の剣を見る。


「隠しているのか」


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


次の瞬間。


男の姿も消えた。


広場には誰もいない。


ただ風だけが吹いていた。

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