表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野良のテイムモンスターがあらわれた! 気がついたら不人気モンスターだったので、ゲームの世界でひっそり生きたいと思います  作者: 明和里苳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/16

第4話 マリンライフのモンスター

 憧れのマリンライフ。青い空、青い海、そして新鮮な岩。


「ゴロゴロゴロ〜ン!」


 そう。俺のマリンライフは早々に頓挫していた。彼らの普段の生活の、なんと地味なこと。じわじわと海底を移動し、じわじわと海藻類を喰み、じわじわと一日を過ごす。やってられるか。なおシーフード天国計画だが、ウニの機動力を舐めちゃいかん。海にはたくさんの水棲モンスターがいるが、どいつもこいつも素早いったらない。唯一捕まえられそうな貝モンスターは、砂の下。砂を掘削する能力のないウニの手の及ばぬ地だった。


 シビレウニ、キュブモンバトルだと結構無双する。そもそも水棲のくせに電気タイプとか、それだけでもチートだ。そして体を覆う堅牢なトゲで、守備力も高いのに攻撃力も高い。その上、物理攻撃に対して反撃ダメージまである。まあ相手が岩タイプなら、電気も効かずトゲも効かず、叩き潰されて終わりなのだが。実際俺もそうしたが。


 ロックイワ姿の俺は海の底で岩を齧りつつ、楽しそうに泳ぐエビやタコ、魚タイプのキュブモンたちを恨めしく見上げていた。いや、見上げてる場合じゃない。次の住処を探さねば。




 次に目指したのは森だ。水棲キュブモンの弱点は、電気タイプと植物タイプ。ウニでダメなら植物でアタックだ。ウニに負けず劣らず機動力には難があるけども、無害そうな水辺の植物を装って、油断したところをバクリ。これしかない。


 早速ヒメスズメに化けて、元来た道を戻る。ちょうど森を突っ切って来たのだ。森の中ほどにはトレントーがいたはず。植物タイプを狩るのに最適なのは火、毒、虫あたりだが、ワメーバの俺は元々毒属性を持っている。てなわけで毒霧を吐いて仕留めて、はい終了。


 植物タイプのいいところは、取り込むのに忌避感がないことだ。多少木の幹が硬かろうと、葉が筋張っていようと、サラダだと思えば食べられないこともない。そして取り込まれる方も慣れているのか、「どうせ俺たちは被捕食者」という諦観が伝わってくる。食物連鎖を根底から支える植物タイプの悲しいさがか。


 せっかく森に入ったんだから、ついでに草キュブモンを集めて回ろう。なんせ草タイプは基本属性なので、種類が多い。この一帯だけで、そこそこの数がいそうだ。俺は辺り構わず毒霧を吐き、片っ端から植物キュブモンを取り込んだ。


 取り込んでいるうちに気づいた。植物キュブモン、過去作のヤツも含まれてるじゃないか。最近では獣型の可愛いヤツもいるが、御三家と言われたブサカワなヤツ、初期は可愛いのに最後はバケモンなヤツ、そもそもどうしてこれをキュブモンにしようと思ったのかってヤツ。植物タイプは歴史が長いだけに、明らかに失敗さ……いろんなヤツがいる。っつ。「お前使ってたわ〜」みたいな再会に、エモさ爆発だ。


 いや違う。問題はそこじゃない。


 ワメーバとしての俺が知る限り、マスターはキュブモン『槍』をプレイしていたはずだ。JASIN研究所のグラフィック、システムUI、そして俺に取り込まれたモンスターのラインナップなどがそれを示している。そもそもワメーバ自体が『槍』のモンスターだ。間違いない。


 もし俺だけが過去作のモンスターを取り込めて、逆にこの世界のプレイヤーが『槍』のモンスターしか認識できないとすれば、これは結構すごいことなのでは。俺はワライダケーンをもぐもぐと咀嚼しながら、笑いが止まらなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ