第1話 私はずっと死にたかった
私はずっと死にたかった
何となく30歳くらいには死ぬと思ってた
27歳 世間は結婚していく中で、外にすら出れなかった
28歳 理解ある彼くんなんて勿論できない
29歳 私に興味を持ってくれない全ての男性を呪った
私を愛してくれない全ての男性を呪った
私がこんなに苦しんで生きているのに、誰も無関心だ。誰も助けようとしない。誰も目をかけてくれない。私は毎日歯を食いしばって生きている。なのに、誰も私を"見よう"とはしない
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い
こんなはずじゃなかった
ブヨブヨの身体、強張った身体、やるせなさと突発的な怒り、正気のないほつれた顔
鏡の中の私は笑っていない
そもそも私は頭が良くない
勉強は頑張っても出来なかった
運動も頑張っても出来なかった
私に得意なものなんてひとつもなかった
ただ人と比べ、劣等感に苛まれ
社会と断絶し、世の中を恨み
恵まれた人を妬み、朽ちていった
社会から外れた人生はキツかった
自分は何の為に産まれたのか、孤独と後悔に苛まれ、なぜこんな思いばかりしなくてはいけないのか、その問いばかりグルグルした
世の中で生きていける人を呪った
世の中で歯を見せて笑っている人に強烈な怒りを抱いた。私が苦しんで苦しんで苦しみの中にいる間に、のうのうと笑って生きやがって
もう一度言おう、こんなはずじゃなかった
美緒48歳
ついにこの時が来た
鏡に映る、私を観る
ほんの少し、口角を上げてみる
もう、たくさんだ。陰の人生はもう充分経験した。そうだ、これからは全く別の経験がしたい
思いっきり、生きて、死にたい
輝かしい生を、味わってみたい
私は生まれ変わってみせる!
私はひとりでは生きていけない
そう思っていた
おそらく私は劣等種。何もひとりでできない。
でも、私はやっぱり最後で、自分を完全に諦めることができなかった
そもそも、私が苦しんで生きているのは
私のせいじゃない
人間は高度な生命体(笑)のはずだ
だとしたら、私が苦しんで生きていること自体が"おかしい"んじゃないか?
できないことが多い?それがどうした?
できないことが多いから生きていてはいけないのか?それぞれ違う生き物なのに
私が幸せで生きれないなんて世の中間違ってる
要領の良い奴、権力のある奴、成金、支配的な奴、嘘だけが得意な奴、偽善者、学校の勉強ばかりが出来る奴、自分のことしか考えていない奴、競争が好きな奴、そんな奴らだけが得をする仕組みなんて間違ってる
ならどうするか、変えよう、
生きとしいけるもの、全て幸せになれる世の中を創ってみせる。いや、造り替えてみせる
地球上に生きるもの、全て、等しく、幸せを感じて、この世界を生きられるように
そして、私がいつまでも笑って輝けるように
そうだ、お姫様になろう
お姫様になって、美しさと圧倒的な「力」の前に全人類を跪かせてやるんだ
私はこんなもんの為に生まれたんじゃない




