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21 聖女エミリアの生い立ち

エミリア・セレスタは王都の下町に生まれた。

病弱な母に代わり、幼い頃から家計を助け、兄弟の面倒を見てきた。

いつも誰かのために動いていた。


母の医者代を捻出するのが難しくなり母の故郷に住居を移すことになった。

母の故郷は王都から遠く離れていて、移動がとても大変だった。

王都とは違い自然豊かで空気が澄んでいた。

自然が豊かといえば聞こえはいいが、王都と違い自給自足の生活をしなくてはいけなかった。

当時、兄は13歳で働き手として即戦力となっていた。

私は8歳で主に家事を手伝っていた。

母の故郷は田舎で、村人は生活するためにみんなで協力をしていた。

なので一人で暮らしているお年寄りの家にいき、家事を手伝うこともあった。

みんなが肩を寄せ合って生活する感じは王都では絶対にあり得ない。

王都では貴族様が絶対だし、貧富の差が激しい。

王都は街並みが綺麗に整備されているようで、一歩道を外れれば危ない目に遭う。困っている人に声をかけているように見せかけて金品を奪い、何かあれば騙される方が悪い。と口を揃えて言うようなところだった。

お母さんは、田舎暮らしが嫌で王都に出て、得意の料理でレストランで就職し、お父さんと出会い結婚した。

お父さんは腕の立つ料理人だったらしくお母さんは、尊敬していたといっていた。

その後、結婚し子宝に恵まれ、お父さんとお母さんは小さい食堂をオープンさせた。お父さんとお母さんの料理は評判がよく人気店になった。不自由ない暮らしができていたのは食堂のおかげだった。

幸せが長く続くと思っていたのに、お父さんは友人の保証人になっていた。

お父さんは保証人になったつもりはないと何度も借金取りに訴えていたけれど、お父さんのサインがあり無効にはならなかった。後日、お父さんが友人に連れて行かれた酒場で、書類にサインををしたらしいのだが、それは別の全く違う内容だったという。お父さんは騙された。

食堂は、借金取りに奪われ、さらに多額の借金が残った。お父さんとお母さんは私たちに苦労させまいと必死に働いた。お父さんは働きすぎで体を壊してしまい、借金返済が遠のくと、自ら人生を終わらせてしまった。お父さんの人生が終わったことで借金はなくいなったけれど、お母さんは心身が弱り、病気になってしまった。


騙される方が悪い……でも騙す方はもっと悪い。


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