路面さんのキモチ~降りしきる雪編~
人が服を着るように
路面も冬には服を着ます。
それは雪の服です
白い毛皮のようにやさしくあたたかみのある服です
服を着ると路面だって誰かに見せたくなります
でもわたしの上を車が通るばかり。
車なんてひどいです
せっかくの服をタイヤで破いてしまうんですもの。
わたしの素肌が見たい
スケベ心で破くなら許せます。
でもわたしは車にとって通過点
目的地への一部分
こんなの納得いきません。
除雪機械は大嫌い。
無機質に素っ裸にしてしまう
そんなに除雪が大切なんですか
わたしの話を少しくらい聞いてほしい
お日さまは話を聞いてくれます
口説いて雪の服を脱がしちゃいます
でも路面たらしです
気変わりしたらほったらかし
脱がす途中でもほったらかし
信用なんかできません。
誰も構ってくれないときもあります
そんなときは文句ばかり
聞かれないと止まらない
やっぱり誰かに自慢したい
気合をいれて着こんじゃう。
今日も誰かがやってくる
わたしの衣装いかがですか?