表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の王子をさがせ!  作者: みどりりゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/40

9.ピカスケ(5)

 かむの第三小学校では毎月、学年全体にくばられる新聞があり、その月に生まれた児童たち全員のかんたんな紹介記事がのせられる。


 何日に生まれたかまではともかく、いつの月に生まれたかは、これを見ればわかる。


「10月生まれの男子は、1、2、3……6人いるね」

ナツコはひとりひとり、王子の候補者をピックアップするとノートに書きだしていった。


 5年1組のサイトウカヅキくん、

      トツカタダシくん、

    2組のカワバタイッペイくん、

      ハルオカショウくん、

      アマギコウタロウくん、

    3組のササキキミノリくん……

 挿絵(By みてみん)


(そうだ、ユウちゃんのところが10月生まれだったんだ)


 今年の春、ナツコと同じ団地に引っこしてきた同級生、佐々木家のキミノリ・ユウ兄妹が、ともに10月生まれとして「かむ三小だより」にのっていた。

 ナツコもそれを見て、あわてて誕生日プレゼントをしなきゃと母親におこづかいの相談をしていたところだった。

(あのキミノリくんが王子さまだなんてことだと大変だなあ……でも待てよ)


「ねえ、金の竜さん。その王子さまって一人っ子なの?ふたごのきょうだいとか、そういうのはないの?」


「それがし、そのような話はうけたまわっておりませぬ。王子さまはただ一人だと思っておりますが、はっきりと断定することは……」


 じゃあ、いちおうキミノリくんにも確認はかけなきゃいけないのか。


(あの子が王子だとしたらイヤだな。だってユウちゃんがお姫さまになるわけでしょ。つきあいにくくなっちゃうよ)


 それ以外のこどもたちにもいったいどうやって王子であることの確認をしよう?なにせナツコが話したこともない子がほとんどだ。


「う――ん……ふあぁ」

 ナツコは考えなきゃいけないとは思ったが、あくびが出た。なにせ今日はいろいろなことがあって、少女はつかれきっていたのだ。


「……もういいや。そういうムズカシイことはあした考えよう」

 それよりナツコには、さっきから気になっていたことがあった。


「……ねえ、あたし、あなたのこと、これからもずっと、いちいち『金の竜』ってよばなきゃいけないのかな?」


「はぁ、なにか問題でもござるか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ