『小夜中』
小夜中
お家へ続く途の中
ボクはまっしぐらに走った
目まぐるしく廻る景色たち
明日へ向かっていると確かに感じる
思い出を遡行して
立ち止まるのはもう辞めよう
未だ定まらぬ明日を
なかなか明けきらぬ夜から
迎えに行こう
ボクは生きている
未だ明日を生きられる
今日も昨日も生きて来た
生きることでしか自画像は描けない
生き続けることこそがキミと生きた証
外は雪
まだ如月の宵風が身を震わせる
白い季節は
心を育むために廻る
力強く吹き誇る風の音が
哀しみの記憶を連れ去り
だが確かに麗かな春のほの香を届けた
季節は必ず廻る
再生の季節を大切に生きよう