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今日もただ双子が可愛いってお話

作者: 下菊みこと
掲載日:2021/04/17

御機嫌よう。私、フロランス・オーヴェルニュと申します。公爵令嬢ですわ。フェリシテ様とフェリシアン様という双子の元王子様を我がオーヴェルニュ公爵家で預かっておりますの。フェリ様は公爵位と王家直轄領だった領地を貰っていますのよ。今は私のお父様がフェリ様の代わりに領地経営しておりますの。双子が不吉とされるこの国では寛大な処置なんですの。


フェリ様もシアン様もとても聡明で愛らしいお方ですわ。私はフェリ様とシアン様にメロメロです。


もちろんそんな私にも婚約者がいますわ。リカルド・ヴァロア。侯爵令息。とてもかっこよくて素敵で一途な、自慢の婚約者ですの。


私はリカルドと一緒に貴族学院に入学しておりますの。寮生活なので、フェリ様とシアン様に会えるのは週末のみ。フェリ様とシアン様ともっとたくさん一緒にいたいのですが、貴族の義務ですから我慢しなくてはいけません。


そして今日、またリカルドを連れて実家に帰ってきましたの。


「ふーちゃん!リカルド!ひさしぶりだねー!」


「フロランス!リカルド!久しぶりだねー!」


私達の乗った馬車が着くなりご機嫌で出迎えてくださるフェリ様とシアン様。そこまで歓迎されると嬉しいですわ。


「お久しぶりです、フェリ様、シアン様。お元気でしたか?」


「元気だよー!」


「げんきだよー!」


「それは良かったです。ね、リカルド」


「お久しぶりです、フェリ様、シアン様。お元気そうでなによりです」


「ん!リカルド、今日はなにして過ごす?」


「ふーちゃんとリカルドとならなんでも楽しいよ!」


なんて可愛いことを言ってくれるのでしょう!思わず抱きしめたくなります!…が、リカルドがヤキモチを妬くので我慢です。


「おやおや。とりあえず、かくれんぼから始めましょうか」


「わーい!」


「かくれんぼー!」


フェリ様とシアン様は嬉しそうにはしゃぎます。神よ、お恵みをありがとうございます。私は今日も幸せです。


ー…


「たくさん遊んだねー!」


「あそんだねー!」


フェリ様とシアン様はご機嫌です。私も、ちょっと疲れましたがとても楽しかったです。リカルドは疲れた様子ですが、ニコニコとしているので大丈夫でしょう。


「童心に帰れましたよ、楽しかったです」


「私も楽しかったですわ」


「そろそろおやつかなー?」


「そろそろおやつだねー?」


「では、私の手作りのパンケーキなどいかがでしょうか?」


「手作りー!?」


「食べたーい!」


「お、フロランスの手作りか。僕にもくれるんだろう?」


「もちろん」


フェリ様とシアン様と仲良くしてくれているものね。


「では作ってきますのでしばらくお待ちくださいね」


「はーい!」


「わかったー」


「楽しみにしているぞ」


「はいはい」


ー…


「出来上がりましたよー。どうぞ」


「ありがとー!」


「ありがと!」


「ありがたいなぁ。いただきます」


「いただきまーす」


「いただきます!」


口にパンケーキを運ぶフェリ様とシアン様、リカルド。さて、評価は?


「美味しー!」


「せかいいちおいしーよ!ふーちゃん!」


「これはなかなか美味い。流石は僕のフロランスだけはあるな」


「ふふ、よかったです」


喜んでもらえて純粋に嬉しい。


「いただきます…ん、我ながらよくできました」


美味しい。よかった、フェリ様とシアン様とリカルドに食べさせるから、ちょっと緊張していたがこの出来なら許されるだろう。


「あれー?リカルドは紅茶じゃないねー」


「あれー?ふーちゃんは紅茶じゃないねー」


フェリ様とシアン様は私達がコーヒーを飲んでいるのに気が付いた様子。飲みたがったらどうしよう。


「これはコーヒーという飲み物で、とーっても苦いんですよ」


「コーヒー?」


「コーヒー…のんでみたい!」


「ははははは、フェリ様とシアン様にはまだ早いですよ」


コーヒーに目を輝かせるフェリ様とシアン様にまだ早いと助言するリカルド。でも、フェリ様とシアン様はそんなことは御構い無しなようです。


「やだー!僕もリカルドと同じものを飲みたい!」


「シアンもふーちゃんと同じものが飲みたい!」


「おやまあ…どうする?フロランス」


「どうするって言われても…そうだ!コーヒー牛乳にして飲んでみますか?たっぷりのお砂糖とミルクで、とーっても美味しいんですよ」


「じゃあコーヒー牛乳飲もっか?」


「だいじょうぶだよ、シアン、コーヒー飲めるよ」


シアン様はにっこり微笑み、テーブルの上の私のカップを取って飲んでしまった。


「!シアン様!」


「苦い〜…!」


シアン様は口に含んだコーヒーをそのまま吐き出す。あらまあ、どうしましょう。


「とりあえず侍女達に片付けさせよう。お前たち、頼む」


「はい、リカルド様」


「シアン様、お召し物を変えましょう」


「うん…ごめんなさい…」


「大丈夫ですよ、怒っていません」


「ふーちゃんありがとう」


「どういたしまして」


「リカルドもありがとう」


「どういたしまして」


「シアン、もう大丈夫?」


「だいじょうぶ。フェリ、ありがとう」


「うん!」


今日も今日とて我が家は双子の天使のおかげで平和です。

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