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Double Loops

第3部 最終回スペシャル  CLANNAD



 「いきなり最後から読んでも無駄よ。さっぱり意味が分からないようになっているわ!」

神鷹中尉のそのセリフに対し、扶桑は言った。

「神鷹中尉、いきなり何を言っているんだ?」


 神鷹中尉は言った。

「いえ、ひとりごとよ。気にしないで。さて、みんな集まったみたいね!」


 赤鬼は言った。

「赤鬼参上! お前はナベツネじゃないか。どうしてここに!?」


 扶桑は言った。

「ええ、何言ってるの。この人はおとといは兎、昨日は鹿、今日はシャルンホルスト・カットのマスターだよ!」


 俺は言った。

「赤鬼がマスターには会ったことがないって、第3部第7話で言ってたのは、そういう意味だ」


 グナイゼナウ・ライダーは言った。

「つまり、ナベツネの正体はマスターだったということか!」


 生駒さんは言った。

「赤鬼さんは、それに気付かずに雇われていたのね。可哀想」


 若宮ちゃんは言った。

「なんでナベツネなんですか? 苗字は神鷹ですよね?」


 マスターは言った。

「僕の旧姓が渡辺なのさ。略したらちょうど悪の権化と同じになったからね、使わせてもらった」


 神鷹中尉は言った。

「そう言えば、第2部第5話でパパは婿養子だったって言ってたね」


 扶桑は言った。

「第2部第6話でナベツネからマスターに電話がかかってきていたよね。あれは演技だったの?」


 マスターは言った。

「あれはね、財界から圧力の電話だったのさ。便宜上、ナベツネからの電話ってことにさせてもらった。まあ、膨大な額を提示されたってのは本当だけどね」


 赤鬼は言った。

「なんで、なんでそんなことをしたんだ?」

 

 マスターは言った。

「第1部第2話や第3部第8話で言ったような、手抜き工事のデマを流したのは、実は僕なんだ。平和にするためにね。それと便座カバー」


 生駒さんは言った。

「どうしてそれが平和になるの?」


 マスターは言った。

「もともとこの場所にはウチの喫茶店があったんだよ。それが、タワーができるってんで、立ち退きを要求された。新しいビルのいい場所に喫茶店を入れるからって話でね。すごい圧力だったから、断ることもできなくて」


 マスターは言った。

「奴らのやりそうなことだ!」

 

 マスターは言った。

「彼等の金儲けのためにこの建物ができた。僕にはそれが許せなかったんだ!」


 神鷹中尉は言った。

「パパは、ずっとそんな戦いをしていたのね」


 マスターは言った。

「財界に支配された世界になんて住みたくないだろう。僕の義父、つまり神鷹中尉の父は戦争で麻薬開発をさせられていたって話は第3部第5話でしたことがあったっけ。あのころは戦争に狂った国だったけど、今はみんなおかしかったって気付いてる。


 今も同じように資本主義に狂った世界になっているのに、今はみんな気付いてない。みんな洗脳されてるんだ。だからせめて、僕が抗わなきゃいけないと思った」


 マスターは言った。

「その点は同意だ。でもどうせ選挙では自◯党が当選してしまう。抗いようがない」


 扶桑は言った。

「そう言えば、第1部第4話でライダーはそれを若者に訴えかけていたね。そう言えば第3部第6話だったかな、ラジオでもそんな話を聞いたよ」


 マスターは言った。

「ああ、僕の番組、聞いてくれたんだ?」


 扶桑は言った。

「ええ、あれ、マスターの番組なの!?」


 マスターは言った。

「ここは喫茶店だからね。せめて自分の周りだけでも、昔のようにやって行ければなって思ったんだよ。それに不遇な扱いを受けていた中小企業を応援したかったってのもあった」


 若宮ちゃんは言った。

「でも、そういうことがあったから、私は蒼龍さんと出会うことができた!」


 神鷹中尉は言った。

「私も、ライダーと出会うことができた!」


 生駒さんは言った。

「私も、赤鬼さんと出会うことができた!」


 扶桑は言った。

「僕は……僕は、マスターと出会うことができた!」


 マスターは言った。

「家には、義父が残した自民麻薬のノウハウがあった。だから使わせてもらった。義父は身内を実験台にしたからね」


 神鷹中尉は言った。

「このタワーも復活した。それに気づいた財界が、またこのタワーに進出しようとしてきているってわけね!」


 マスターは言った。

「僕はそれを止めたかったんだよ。また不祥事があれば、財界もまた手を引くかなって」


 俺は言った。

「それで麻薬を使ってまで鬼に襲わせたりしていたのか! 千歳、見つけたよ、やっと見つけたんだ、俺にしか守れないもの、俺にしか守れないかけがえのないもの、それは、ここにあった」


 マスターは言った。

「でもそんな回りくどいことをするのはもう辞めたのさ。根本的に解決することにした」


 扶桑は言った。

「何をしたのさ!?」


 マスターは言った。

「信じられないかもしれないが、財界中に自民麻薬を蔓延させた!」


 若宮ちゃんは言った。

「そうか、いつの間にかやり終えていたのか。じゃあ、財界中を洗脳」


 マスターは言った。

「そんなことをしなくても、みんな白血病でおさらばさ! 町も人も、みんな白血病。だんご大白血病」


 俺は言った。

「時間はかかるだろうがな。本人や周りの人の努力しだいで、 未来は変えることも出来る。長い戦いになりそうだ」


 扶桑は言った。

「みんなで心中するのか。僕だけが不幸にならずにすんで、よかった!  毎日がお祭りみたいでとても楽しかったです。 ありがとうございました。扶桑、楽しかった……です」


 マスターは言った。

「楽しいことは、これから始まりますよ。俺たちの冒険はこれからだ!」


 グナイゼナウ・ライダーは言った。

「次回作にご期待ください」


   - 完 -

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