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爆縮と体温の機知(5)

運動会の日

朝六時に鳴るチャイムは

今日が運動会であることを

知らせてくる

小さな町の中には

小学校が一つしかない

あそこが賑やかになって

楽しい声が聞こえて来るのだろう

朝食を取りながら

洗濯機を回す


司会進行のマイクの音

校長先生の話

来賓からの挨拶で

笑ってもらえなかった

なんて推測できる

遅れた笑い声

洗濯物を干すのに

申し分ない天気

青空一直線の太陽の光

競技が始まる音楽と

頑張って下さいと

読まされている感の出ている

ナレーション


パン、パン、パン

リズム良く流れる音は

草を取っている手も

リズムに合わせて元気にする

一定間隔だから徒競走かな

なんだか笑い声が増えた

借り物競争でも

始まったのだろう

部屋の窓を開けて

掃除機をかける

家の中でも

ちゃんと聞こえる


静かになった

時計を見ると12時

お昼ご飯の時間だ

小さい頃の記憶

体育館の中で

母と妹と食べたおにぎり

梅干しの種を

取り忘れた母が

ごめん、と謝っている

その横で妹は

綺麗に避けて食べていた

僕が食べるのを

待っていたのか

聞いたって

もう、分からない


ドラム缶が鳴り始めた

太鼓も鳴り始めた

応援団の演舞かな

もう昼の二時だ

声がよく出ている

後はリレーで終わりかな

パンという音の後

子供達の本気の声援が

飛んでくる

あれくらい

誰かを応援したことが

あったかな

そう思いながら

一層、大きくなった

歓声を聞いた

その後の静寂で

終わったことが分かった

そして、夕食は何を作ろうかと

少し寂しく考えた






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