いつもの選択
詩・短編を書いてみました
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました(^_^)
1000文字以内で書いてあります
物語の断片や本の1ページのようなモノだと思いながら
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)
太陽が昇る。
森を覆っていた暗い世界に明るい世界の陽が射し込み始めて
光に照らされた森はまるで世界が変化してる間に
その光と闇が覇権争いをして
土埃が舞ってしまったように少し先も見えないくらい白く霞んでいた。
周辺を良く見ようと自分の足で大地に立つと
戦禍の犠牲になったであろう落ち葉や折れ木が擦れて音が鳴る。
それは聞き慣れた音ではあるが
今日の始まりを教えてくれるようで
その一瞬に耳を澄ませてしまう。
私は息を大きく吸いこみ
戦禍の香りを感じながら旅支度を整える。
すると小鳥が鳴き始めた。
その綺麗な鳴き声はこの旅の不安を和らげてくれて
準備する手も軽やかだ。
歩き始めた私。
すぐに二股に分かれた道と看板を見つけた。
看板は実にシンプル。
「右か左か」それだけ…。
どちらを選んでも次に繋がる場所があり
僅かな違いはあるだろうが
どちらを選んでも間違った結果にはならない。
それは分かっている。
分かっているのだが…。
私はこのような選択肢が現れる度に
どちらを選択すればいいのか迷って
その場で長い時間
足を止めてしまう。
本当はすぐに選択して
どちらかに進んでその先にある景色を見たい…。
でも見たいと思っているのに何故か選べない。
どうしても選ぶ足が震えてしまう…。
何故
こんな風になってしまうのだろう。
この旅を始めたときに
多様の選択肢を様々な場所で選ばないといけなくなるのは分かっていたはず。
森の香りが漂う場所で選ぶこともあれば
死臭のする場所で選ぶこともあるだろう。
もしくは両方が存在する場所で選ぶこともある。
それは分かっているのに
なぜかすぐに選べない。
勇気があれば良かったのだろうか?
知恵があれば良かったのだろうか?
そんな事を考えても
いつも結論は「分からない」。
結局は開き直るしかないのだ。
でも
それが今の私の限界なのだろう。
だから「どうにかなるさ」と根拠もない自信を握りしめて
私は選択肢を選び前へ進むのだ。
まだ見ぬ景色を見るために…。