十四話、夢心地
ぎり一月一回更新を維持できてうれしい
胸に強い衝撃を受けて以降、酷い息苦しさと意識が遠のく程の眠気と倦怠感にレオは襲われていた。
何か忘れてはいけない、重要な事をしていた筈だというおぼろげな記憶はある。
だが、頭にもやが掛かった様に記憶がぼやけてよく思い出せない。
耳元に聞こえるのは心地の良い、安らぎすら感じる優しい囁き声。
意識が遠のき、目が霞む。
だが寝てはいけないという相反する意識が強くなっていく。
そうだ、何かを食べよう。
糖分補給は眠気を覚ますのには最適だ。
霞む目に力を入れて前方を見れば、目の前には青い輝きを放つ人型の何かが二つ存在している。
一つはすぐ目の前、自分から離れようと暴れているようだがうまく行っていないようだ。
もう一体は唐突に後ろに飛んで距離を取ろうとしている。
それらを見てレオはひどく、旨そうな物だと感じる事しか出来なかった。
何か良く分からないが、それらを見るとひどい空腹感が更に強まるのだ。
『愛し子よ、喰らえ。喰らうのだ』
心地よい導きの声もそれを望んでいる、何か迷う必要などあるだろうか。
囁き声が体の芯までしみ込むようにレオの内へと伝わり、成すべきことが明確になっていく。
そうだ、空腹を満たさねばならない。
ずっと、ずっと満たされなかった渇きをアレらは満たしてくれるのだ。
この腐った地上に投げ出されてから碌な物を食べる事が出来なかった。
パンであるかすら怪しい固形物、兵器の原料に使う結晶を生み出す人面草の入った水の様なスープ、最早何かすらわからない焼いただけの肉。
ただ空いた腹を満たすだけの―――否、満たす事すら困難な質と量の食事を耐えてきたのだ。
そんなレオにとって今目の前にある二つの青い輝きを喰らいたいという欲求は非常に抗いがたい物であった。
ともかく、まずは食事だ。
考えるのはそれからで良いだろう。
こんな息苦しくなるだけのマスクなど早く外してしまおう、食事の邪魔だ。
レオは朦朧とした意識の中で、己を人たらしめんと戒めとして装着したガスマスクを自ら引きちぎり、大きく息を吸い込む。
雪が降っているいる程だから冷えてはいる。
だが、澄み切っているとは到底言えない。
腐った外の世界の空気はやはり不味い。
地下の清浄な空気を懐かしみ、憤りの唸り声が上がるのを抑えられない。
ガスマスクから解き放たれた濁った赤い瞳に映る景色は一面暗い紫色の大地。
腐った土地に相応しい悍ましい色がレオの視覚を苛む。
空ですら、醜く濁り燃えている。
口直しが必要だ。
或いは治療薬と呼んでも良い。
とにかく気晴らしをしないと、とてもじゃないがまともではいられない。
おおよそ全てが嫌になる世界で目の前にある蒼い人型の光だけが苦痛を癒してくれる薬にすら思えた。
そこまで、レオは既に狂っていた。
レオは目の前の光を喰らおうと、空を見ていた頭を一切の躊躇なく下へと振り下ろした。
大口を開け、牙を剥き出しにし、獲物―――己の心臓を貫きつぶしたイナゴレイダーに食らいつこうとする。
自然、硬くパリパリとした触感とその下にあるであろう極上の肉の味を得られる期待に胸が膨らむ。
しかし、閉じた口が得たのは己の上下の歯がぶつかり合う音と感触だけであった。
あるべき筈の美味が無い。
怒りにも似た感情で下を向いていたレオは視線を前方へと戻す。
目の前にいた光る人型は片腕を失った状態で先に下がったもう一人と同じ位置まで移動していた。
もう一度下を見れば、胸に突き刺さったままの光り輝く一本の腕。
腕を捨てて逃げられた。
目の前の二つの存在はこちらの様子を窺いながら間合いを維持している。
恐らくはこのまま二人とも機を見て逃げるつもりだろう。
そんな事は許されない。
いいや、絶対に許さない。
レオは怒りと共にほぼ無意識に右腕に握る剣を空を切る様に横なぎに振るった。
―――――――――
おかしい、道理に合わない。
己を苛む新たな火傷に固着した笑みを僅かに歪ませながら、ヴィルは困惑していた。
確かに友との協働した一撃は奴の心臓を潰した、特異体質でもない限りは即死の筈だ。
心臓は悪魔憑きの急所の一つだからだ。
大型とはいえ、人の形を保つ以上は予備の心臓や代替器官があるようには見えない。
回復能力に特化した個体とも思えない。
未だに現実を受け入れられないヴィルの視線の先には左腕に加えて、両足すらも焼き切られたイナゴレイダーの姿。
敵の姿は見えない、どうやらイナゴレイダーと共に城塞都市内の建物の一つに突っ込んだようであった。
しかし敵の存在は嫌でも感じ取れる、取れてしまう。
潰した筈の敵の心臓の鼓動音が周囲を揺らすのではないかと錯覚するほどに強く大きく響き渡っている。
こちらを探して彷徨っているのか、音は徐々に近づき大きくなってくるのが聞き取れた。
「ぬぅ!ありえるのか、あんな怪物が…」
思わず弱音を吐いたヴィルの頬に張り手が飛んだ。
強く、しかしどこか優しさを覚える一撃を放ったのは隣で右腕以外の全てを失い地に伏した友、イナゴレイダーであった。
その姿に先程の光景が嫌でもフラッシュバックする。
火傷で済んだのはこの友が庇ってくれたおかげだ。
「すまん、弱気になった。きつけの一発になったぞ、イナゴ」
イナゴレイダーは噛みつかれる刹那、引き抜けぬ自らの左腕一本を丸ごと肩から切断して難を逃れたのだ。
昆虫や甲殻類ならば可能である『自切』を同じく外骨格生物となったイナゴは可能としていた。
そうでなければ、ヴィルが空腹で襲い掛かって来た時に腕だけでは済んではいなかっただろう。
逸脱の限界点に近いイナゴレイダーは最早人型の昆虫に近い。
一番の窮地を脱し、仕切り直し。
そう思っていた所で奴はなんの予備動作も無しで放ったのだ。
触れるものすべてを切り払う炎の斬撃を。
届くはずの無いあからさまに隙だらけな大振りの薙ぎ払い。
だが、黒い剣から唐突に湧きだした緑の炎は振り抜かれると同時に線状の斬撃となって二人へと襲い掛かった。
咄嗟に筋肉を誇示する絶対防御の姿勢に入ろうとしたヴィルは隣から砲弾のように飛んできたイナゴレイダー渾身の体当たりによって弾き飛ばされる事となった。
すぐ側を飛ぶ緑の炎の斬撃は錆雪もろとも地面を抉り溶かし、射線上の要塞化された住居、果ては城壁すらも一瞬で溶断しながらはるか彼方まで飛翔した後にまとまりを失って四散する。
その有り様を見てヴィルは己の意志でエーテルを操作する悪魔憑きであるが故に理解した。
受けていれば一瞬で焼き溶かされていたと。
先のアノマリー弾や炎の柱などまるで子供の児戯に見える程の圧縮された高濃度エーテルの奔流。
見えている炎はその余剰分が漏れているだけに過ぎないと。
圧倒的な力の差だ、自分達などあれほどの力の前には塵に等しい。
「奴は、強いな」
ヴィルの言葉にイナゴレイダーは震える拳を強く握った。
否定の意志の表れ、それを見てヴィルは久方ぶりに自然な笑みを見せて話を続ける。
「だが、今の奴は最初より弱くなったようでもある。私達ならば勝てる、今は無理でもいつかは…」
己自身に言い聞かせるように立ち上がり、突入した入り口に立つと振り返る事無く地に伏せるイナゴレイダーに向けてヴィルは力強く叫んだ。
「イナゴ、お前は脱皮して回復するのだ!その間は私が時間を稼ごう!共に生きて帰れればそれが勝利だ!」
残った右腕を伸ばして制止しようとするイナゴレイダーを背にヴィルは要塞化された住居の二階より飛び降りる。
奴は先よりも明らかに強くなった。
だが、先程まであった意思が無くなっている。
悪魔憑きを突き動かす物、それは己自身ですら抑えきれない強い衝動とそれを実現するために進み続ける確固たる意思。
意思を失い、力を振り回すだけの存在など最早悪魔憑きではない。
あれはただの狂暴なミュータント、どこにでもいる怪物だ。
ならば戦い方は幾らでもある。
半分は強がり、しかし残りの半分は己の経験と誇りに裏打ちされた自信であった。
「ぬぅん!モストッ!マスキュラー!」
着地と同時にポージングを行い、そのまま高速でポージングを変更しつつ移動するターンライト形態へと移るとヴィルは叫ぶ。
「怪物よ!私はここにいるぞ!ついてくるが良い!」
叫びに呼応するように起きた咆哮がすぐさま迫って来たことで、ヴィルは最初の賭けに勝利した事を喜んだ。
敢えて叫び、目立つ事であの怪物を誘導する。
友のいる場所から少しでも遠くへと敵を誘引できれば良い。
恐らく、今回の自分はここが最期の闘いとなるだろう。
これからの筋肉は次の弟子たちに託す他に無いのが心残りではあるが、仕方ない。
こうなれば奴に筋肉の極意を魅せてやるのみだ。
不思議と逃れられぬ死を前にしてヴィルの心は凪いでいた。
「さぁ来るが良い!私の名はヴィル!|肉体構築者だ!」
己の胸から引き抜いた友の腕を貪りながら近づいてくる幽鬼に対してヴィルは満面の笑みとポージングでもって出迎えた。
――――――
二人の戦闘はレオの先手から始まった。
先の戦いでも用いたアノマリー操作により炎を噴射して加速する疑似スラスターによる突撃、しかし以前にも増して迸る緑の炎は一瞬にしてヴィルの眼前にまでレオを運んでいた。
濁った赤い瞳と飢えを癒せる歓喜で歪んだ笑みを浮かべるレオは口に食いきれていないイナゴレイダーの腕を咥え、両手持ちした剣の切っ先をヴィルに向けて弾丸の如く迫る。
「ぬぅん!」
固着した笑みから一転、目を見開いたヴィルは己を貫かんとする剣の腹を右の拳で殴打して無理矢理軌道を変化させ、ついで向かってくる高速の質量砲弾と化したレオ本体を体を捻って左の肘で迎撃する。
二つの異形の肉体が衝突と同時に甲高い硬質な激突音を響かせ、余波で攪拌されたエーテルの奔流が周囲の残骸と錆雪を吹き飛ばす。
初撃の戦闘、それに勝利したのは意外にもヴィルであった。
屹立する筋肉の彫像と弾かれて減速できずに住居に突入する正気を失ったケダモノ。
ヴィルは炎だけでなく剣すらも己の筋肉でもってしても防ぎきれないという事をボースとの戦いから理解していた。
故に、行ったのはまたも己のスタイルから逸脱した実践的な近接戦闘。
否、逸脱ではない。
筋肉とはただそびえ立つだけではない、躍動する事によっても光り輝くのだ。
それをヴィルは同じく筋肉の化け物であったボースの姿から学び取った。
あの止まること荒れ狂う憤怒の塊であった男はヴィルの筋肉価値観に大いなる飛躍をもたらした。
静止と躍動の融合、それこそが筋肉。
意志無く突っ込んでくるだけでその力を浪費する相手ならばまだ対等に戦える。
迫る剣という防御不可の致命打への対処と反撃、そして絶対防御による損害の最小化をほぼ同時かつ瞬時に行うという今の己の限界を遥かに超える荒業。
それを一度たりとはいえ、ヴィルはこの瞬間に成し遂げた。
だが、当然ながらその程度の小さい勝利で闘いが終わる筈も無く。
文字通り、闘いの狼煙をあげたに過ぎなかった。
立ち込める瓦礫の煙を蹴散らしながら、放たれた横なぎの光る斬撃が緑の炎を伴ってヴィルへと走る。
ヴィルに見えた予備動作は煙の中で緑の光が燃え上がった一瞬のみ。
それを見逃さずにすかさずターンライトを用いて回避を試みるが、それに続いて次々と撃ち込まれてくる炎の斬撃を完全にはかわしきれず、ヴィルの全身は徐々に焼け焦げていく。
この距離を無視した空間斬撃こそ、かつて人類を絶滅戦争へと追い込んだ来訪者の騎士がエーテルランスと並んで得意とした光波斬、いわゆるフォースブレードであった。
起点である剣に収束し、斬撃と共に投射された高濃度エーテルは空間それ自体を切り裂く空間断層となって飛翔し、エーテル防御の不十分であった大戦初期に無数の主力戦車を屠り戦車兵たちを恐怖させた絶望の存在であった。
砕けたとはいえ、その成れ果てたる残党が使っていた剣を持つレオは無意識にそれを次々と放つ。
或いは、レオを操る最も強く昏い古き意思がそれを成しているのかもしれないが、ここに二つの神が作り上げた傑作による合作が成されているのだ。
異世界の騎士の力を用いる、人を信じるが故に捨てた筈の神に魅入られ、人の道を外れた哀れな道化。
明確な自我を持つ人の人格が裏へ下がった事で逆に人外の力を全力で使いこなすレオはヴィルが対応しえない攻撃を効果的に連射していく。
不可避の光の槍であるが故に点の攻撃でしかないエーテルランスに対して、目視で回避可能であるが線である光波は近・中距離においては極端に回避が困難だ。
しかし、先進的な対エーテル防御が施されているものなど皆無なこの地において、遮蔽物になりえる物が存在しない以上、全てをかわす他にヴィルの生き残る方法は無かった。
「ぬぅ!これでは奴が枯渇する前に私が燃え尽きるッ!ならばッ!」
周囲の住居がバターの様に溶け行く中、ヴィルは覚悟を決めて近接戦闘を仕掛けるべく斬撃の雨の中を筋肉式縮地を用いて掻い潜る。
消耗戦では明らかに不利、そしてこのまま奴を自由にさせては流れ斬が脱皮中のイナゴに直撃しかねない。
他に選択肢は無かった。
「ぬぅん!震きゃッ!?」
フォースブレードの雨を乗り越えた先で新たに得た力である武道打撃を試みるヴィルを待ち受けるのは高速で迫る剣本体による斬撃。
構えも無く片手持ちの大振りでありながら、無尽蔵の如く垂れ流されるエーテルを用いた疑似スラスターで加速した黒い剣がヴィルの反応速度を遥かに超えて繰り出される。
振り押された一撃を体を逸らして辛うじてかわせば、その直後には返す刀で放たれる切り上げる一撃が、それをかわしても今度は内臓を狙った刺突の一撃が。
離れていても流れ来るのは即死の乱打、近寄っても放たれるは致命の乱舞。
つたない足取りの中で剣を片手で振るうは、食いかけのイナゴレイダーの腕を完食するために片腕が塞がっているが故。
理不尽に理不尽を重ね掛けにして、大いに行われている手加減でもってもヴィルは追い詰められている。
致命的な一撃になりうる乱舞を紙一重でかわし続けるも、ヴィルの体には次々と決して浅くない傷が増していく。
想定以上の性能の違いに、活路を見い出せないヴィルの表情は自然と曇り、固着した笑みへと戻っていく。
それを見てレオは笑っていた。
今完食したのは僅かばかりの糧食であったが、非常に美味であった。
滋養を得た事で苦悩が癒え、体は羽根の様に軽く感じる。
心地よい導きの声は高らかに響き、成すべき使命が明確に形となって体に力が漲っていく。
まるで剣が演奏の指揮棒のように軽い。
世界が明るく紫色に光り輝いている。
今、自分は大いなるものと一つに合一しているのだ。
レオはふやけ切った思考の下、幸福の中にいた。
この声に従えば良い、この声についていけば良い。
それはきっと正しい事であり、それ以上の幸福などありはしないのだ。
示された道を進み続ける、終わりが来るまで迷うことなく一歩ずつ進めば自分はあるべき場所へ還れるのだ。
かつて敬愛する上官を逃がすために囮となって自爆した際に垣間見えた、死者の進むべき光り輝く還るべき道がレオの前には再び見えていた。
「嫌々起きてみたらひでぇ見せ物だなぁ、こりゃあ」
そんな夢心地のレオの耳に、嘲笑の声が響く。
この場に相応しくない、嫌に下卑た悪意あるその声にレオの溶けかけた自我が僅かに蘇る。
おかしい、自分の声ではない。
新しい贄をもうすぐ喰らえるのだから笑みは浮かんでいる筈だ、だが自分は決して笑い声など上げていない。
心地よい導きの声はこの様な下賤で汚らしい声など発さない。
これは誰の笑い声だ。
「随分と間抜けな飼い犬になったなぁ、んん?」
嫌に懐かしく、そしてもう思い出したくないその声がレオのすぐ間近にて響き、レオの剣を振る腕が止まった。
「ここだぁッ!」
その隙を見逃す事無く、ヴィルは渾身の震脚を用いた「ターンライト改」を超至近距離からレオの鳩尾へと叩き込んだ。
人間であれば肉片だけの存在になりえるヴィル渾身の一撃はレオの体をくの字に折りながら街の反対側の城壁まで吹き飛ばした。
その道中にある住居に次々と背中から叩きつけられ、それでも速度を殺しきれずに外壁を破壊して放り出され、最後には城壁に激突すると限界を迎えた壁が崩壊してレオへと降り注ぐ。
崩落に巻き込まれて舞い上がる埃と錆雪に飲まれたレオの視界が闇に閉ざされる。
曖昧であった思考が急激に明確になり、夢心地が冷めていく。
還るべき輝ける道は再び閉ざされ、朽ち果てた。
心地よく聞こえた導きの声の正体は出会った時に屈服するしかないと絶望した闇に浮かぶ唇だけの存在。
己の中にあった全能感が消し飛び、内に湧き上がっていた全ての幸福な感情が急速に冷えていく。
最も忌避すべき者に身を委ねていた事でレオの内に嫌悪感が湧き上がり、何にも増して己自身への憎悪が濃くなっていく。
『愛し子よ、何も恐れる事は無い。喰らい積み上げッ…!?』
その唇が唐突に苦し気にえづき、大口を開けて何かを吐き出して霧散する。
「神様の奴隷ってのは楽しかったか、んん?」
目前の闇の中に左目を失い、溶けて原型を失いかけながらもあの獣めいた笑みを崩さないエンキの生首があった。
光波、もといフォースブレードは序章にて異世界騎士さんが最後に放とうとして主人公に妨害された技となっています。
ブラッドボーンのルドウイークさん第二形態がブッパしてくる月光をイメージすると分かりやすい思います。
異世界間移動に用いるゲートなどを維持する際になどにも利用されるエーテルを用いた空間歪曲を攻撃に転用した物であり、高密度のエーテルで強引に空間断層を作り斬撃として投射するために通常のエーテル含有空間内でも拡散が早く、速度は目視可能で射程はそこまで長くはありません。
しかし、断層を放つだけあって通常物質の装甲を無視した攻撃が可能であり対策していなければ主力戦車の複合装甲とて紙細工の様に切り刻む事から、唯一騎士に対抗可能であった主力戦車であっても接近されればほぼ確実に死を約束された事から陸戦においては長射程のエーテルランス以上に恐れられました。
防御が確立される戦争中期以降であっても接近戦に持ち込まれた戦車の生存率は芳しくなく、戦車化した歩兵である機動歩兵を前衛という名の肉盾にしつつ長距離からの迎撃を試みる戦術が多用されました。
かつての異世界勢は魔法文明であり、剣が魔法の杖の役割も兼ねており兵員全てが人類の高速小口径弾をはじく魔導甲冑を着込んだ魔法騎士という脳筋編成となっており、その残骸を用いて再生刺された武装を持つ主人公も才能不足と忌避感から用いれなかっただけで本来は使用可能な武装でした。
頭でっかち故に自我が無い方が純粋なエーテル操作などの面では圧倒的に強くなっております。
今回はここまで




