四十七話、代償
生きています、痛風を患ったりしたけど私は元気です。
レオによる救出活動が始まって間もなく、世界に夜の闇が訪れた。
既に限界を迎えていた太陽は力尽きる様に地平線へと没し、闇は瞬く間に訪れた。
夜行種の動き出すまでの最後の僅かな時間、レオは『声』の権能を用いて周囲の生存者に居場所を知らせる様に呼びかけ、それに応じた者達だけを収容、女神の首塚内のセーフルームに生存者を運びこむ事に成功した。
最後の一人をセーフルームに押し込んだ時点で外では夜行種の鳴き声と物音が響き渡り始めていた為、それがぎりぎりの事であったと生き残った者達は嫌でも認識する事となった。
結果から言えば、クトーの部下である6名の機械教徒たちの内の4名の回収には成功した。
残る2名は返答が無かった事から既にミュータントの餌になったと判断するほか無かった。
もう少し時間が有れば捜索を試みる事も出来た筈であるが、エンキとの戦闘に時間を喰い過ぎた結果として彼らを見捨てる他に選択肢は残っていなかった。
幸いな事に、今後の局面で重要な役割を果たすであろう人材であるボース、クトー、ドッグの三名の確保には成功し、捕虜としてキドを得る事も出来た。
ボースの率いてきた軍人組の全滅と機械教徒の三分の一の損失、この中には装備を整えるのに貢献した二人の技術者の片方も含まれていた。
最終的に兵員の半数近い喪失という想定以上の損害を受ける結果となったが、エンキの実力がこちらを圧倒していた事から考えれば、それだけの人数が生存しているという時点で奇跡と言わざるを得ないだろう。
本来ならば全滅していてもおかしくは無かったのだ。
しかし、それ故に生き残った者達にも多くの代償を支払わされることとなった。
元は備蓄物資を隠す場所であった広い空間は今や重傷者で満たされ、死の恐怖と苦痛に苛まれた者たちの呻き声と血の匂いに満たされている。
セーフルームは補強された頑丈な扉によって守られているが、血の匂いを嗅ぎつけた中型の夜行種が押し入ろうとすれば破られかねない現状、より濃厚であろう外の死臭に敵が引きつけられてくれる事を祈るしか無さそうだ。
今ここに無傷で立っているのはレオだけであり、残る物は皆軽度か重度かの差を除けば分け隔てなく傷ついている。
特にクトーの傷が酷い、未だに鉄骨は腹に刺さったままであり処置をする人員は残っていない。
このままでは確実に死に至る傷だ。
ボースも見た目は大したことが無い様に見えて足からの出血が止まらない様である。
相当無茶をやらかしたらしい、複数の弾丸を受けて尚動き続けた事で傷口を大きく広げてしまったようだ。
処置しなければ此方も出血多量で死ぬだろう。
キドも足に切創、肩は砕かれて兵員としての役割は最早果たせそうにない。
生命としては存続出来ても傭兵としては死んだも同然だ、それはこの世界ではただ死ぬよりも辛い状況であろう。
いずれにしろ現状はこちらの捕虜である以上、反乱の素振りすら起こせないこの状態は好ましい。
他の機械教徒らはそれよりはマシな状態だ。
岩塩弾は致死性が低いだけで当たれば肉を潰し、骨を砕く。
だが、それが逆に功を奏したのだろう。
生き残った者達に死ぬほどの怪我の者はいない、『治療』は必要なさそうだ。
例外としては悪魔憑きであるドッグであろう。
手足を引きちぎられはしたが生命維持に必要な胴体は無事であり、出血は既に止まっているので手足を無理矢理包帯代わりに巻いた衣服の切れ端で固定して癒着するのを待っている状況だ。
悪魔憑き、自我と知性を維持したまま変異した重度汚染者の生命力についてはこれからも脅威となり続けるであろう。
ドッグの様な小物ですらこれ程に頑強であるのだから。
大まかな現状を再度頭に叩き込んだレオはそんな野戦病院めいた室内で身を横たえるクトーの枕元に片膝をついて問いを行う。
「クトー、この状況では事前に決めた『アレ』を使うしかない。取り決め通り、同意を取りたい」
クトーの目前に差し出されたのはレオの変質した太く青い肌の指と小さいナイフ。
それを見てクトーは脂汗の滲む青くなった顔で精一杯強気の笑みを作った。
「ああ、やってくれ。ボースも良いな?心配すんな、生きるか死ぬかの二択だ。成功率は50%もある」
「ちッ…。選択肢は無さそうだな」
クトーは首だけ動かしてボースに目配せをし、ボースも渋い顔をしながらいやいやながらに同意の言葉を述べる。
「レオ、すまないがパパッとやってくれ」
「分かった。失敗したら始末は俺がつける」
「ああ、その時は俺が物体Xみたいになる前に頼む」
同意の言葉を受けてレオは静かに頷き、クトーの口に布を噛ませる同時に体を横にしつつ腹に刺さる鉄骨を無理矢理引き抜いた。
「ぬぅッ!」
「耐えろ、きついのはここからだ」
無茶を言うな、布をかみしめた脂汗の滲んだ顔でクトーが無言の抗議をする最中、レオはクトーの体を仰向けに戻して自身の指をナイフで浅く切った。
そこからあふれ出すのは濃い青の雫、エンキを喰らった事で回復した高濃度のエーテルを含むその血液の一滴をレオはクトーの大穴と言っても良い腹の傷に垂らした。
直後、クトーの体がのけ反って宙に浮かんばかりに跳ね上がる。
鉄骨を引き抜いた時も痛みに耐える呻きを上げていたが、今では絶叫しかねない状況だ。
だが、クトーは耐えている。
口に咥えた布を限界まで噛みしめ、暴れる両手は爪を立てながらレオの腕を鷲掴みにして跳ねあがりそうな体を無理矢理地面に押し戻そうとしている。
「呼吸を整えろ、大丈夫だ。お前は大丈夫だ」
クトーの爪が腕の肉を抉っていく痛みを無視してレオもまたクトーを押さえ付けながら語り掛ける。
これは出来ればやりたくなかったある種の賭けだ。
多量に与えれば人を化け物に変異させる青い血、それを少量だけ与えれば或いは急激な変異を抑制しつつ肉体を活性化させて損傷した人体を修復する事が可能となるかもしれないという発想をレオは変異した直後から持ち合わせていた。
自身が変異した夜、意識は無くなれども夜行種の群れの中で戦い抜いて生き残れたのも異形の回復力あってこそである。
ならばその能力の源は青い血に、高濃度に濃縮されたエーテルを含有する液体にあるのではないか。
そう思い至るのはごく自然な事であり、血を悪用したミュータントアタックを考案する一方で治療薬への転用も考えていたのだ。
地上人は皆エーテルに冒された軽度汚染者、ならば既に彼らはエーテルに生かされていると言っても過言ではない。
薬と毒の違いは、極論すればその濃度の差でしかないのだ。
本来は十分な時間を取って人体実験を行い適切な量、或いはそれ自体の成否自体を確認せねばならないが、使える手駒を失うリスクを避ける為に試せずに今、実地で試験を行う事となってしまった。
果たして結果は吉と出たのか、幾ばくかの時間荒れ狂っていたクトーの体から力が抜け、大きく息を吐くと共に鎮静化する。
どうやら成功したようだ。
痙攣は止まり、新たに生成された肉が盛り上がって腹の傷を塞ぎ、今や皮膚を形成しつつある。
この様子ならば内臓の再建も行われているだろう。
激痛で顔を歪ませていたクトーも今やその苦痛から解放された様に穏やかに目を瞑っている。
途中で限界を迎えて意識を手放したらしい、まだ安心はできないがすぐにおかしくなるという事は無さそうである。
「大丈夫みたいだ、次はお前だ。ボース、布を噛め」
あくまで対等な立場となった以上、最早レオはボースに対して努めて冷徹な言動を維持する。
「キドの野郎はどうすんだ?」
「捕虜の問題は後回しにする、治療から今後の処遇についてもだ。勝手に殺した場合は今後の共闘は一切行わない」
「……ちッ!」
続いて出血が収まらないボースへと近づいたレオは捕虜であるキドの処遇を決める様に求められた。
ボースを回収した際、キドは銃を地面に置いて大人しく此方に従った。
その時点でエンキの死と、抵抗が無意味である事を同時に悟ったが故であったのだろう。
どうであれ夜の到来と共に死ぬならば、処刑された方がまだ楽に死ねるという考えがあったのかもしれない。
レオにキドへの怒りや憎しみは無い。
アスマに裏切られて売り飛ばされて以降、事務的ではあるが礼節ある態度を終始取っていたのはキドだけであった。
更に、今となってはその戦闘能力の高さをむしろ評価している程である。
可能ならば、手駒に加えたいというのが実情だった。
この男一人で戦闘力という面では喪失した分の埋め合わせにはなるだろう。
ボースが健在ならば、キドは問答無用で殺されていただろう。
だが、実情はボースが先に力尽きた事で双方の生存で今回の事案は終結している。
ボースは傲慢だが優秀な前線指揮官だ、説得は可能であろう。
「おい、グズグズしてねぇでさっさとやれ」
ボースの苛立った声でレオは思考を中断した。
考えすぎるのも悪い癖であるかもしれない、ボースの様な者と共闘する以上は即断即決、即行動が今後は重要になるだろう。
「ああ、すまない。傷口に入れるから動くなよ」
「これはてめぇへの借りだ、だが今すぐ返すぞ」
「どういう意味だ?」
「てめぇの考えは分かってる。キドはてめぇにくれてやる。それで貸し借りは無しだ」
ボースの足に血を一滴、滴らせようとしていたレオの体がボースの言葉で一瞬、硬直した。
「単純なてめぇの考える事なんて俺にでも読めるんだよ。だからあの猿野郎に負けかけたんじゃねぇのか?」
「そうかもしれないな…。だが、ありがとう。感謝する」
「……良いからさっさとやれ、いいな?貸し借り無しだぞ?」
憎々し気に、どこか呆れた様に眉間に皺を寄せてため息を吐いたボースに顔を向けて小さく頷くとレオは青い雫を一滴、ボースの足の傷口へと滴らせた。
クトーと同様に、ボースもまたそれに激しい反応を示した。
だが、レオに縋る様な事は一切なかった。
ボースは目を充血させ、布を強く噛みしめながらも、両手で手近な資材を掴み、それを握りつぶしながら変異の痛みに耐えているようである。
跳ねあがりそうな体を無理矢理上半身の筋肉で押さえ付け、レオに頼る事無く座った姿勢のままやり過ごしたボースは憔悴しきった様子でありながら、それでも頑なであった。
「用は済んだろうが、さっさといけ」
「ああ」
発作が収まった後、ボースに促されてレオはセーフルームの扉の近くに座り込んだ。
ここからは朝までの寝ずの番だ。
二人の変異が起きないかを監視し、外の夜行種が内部の状況に気付いて侵入してくるのに備える。
警戒はするが、基本的には待機と同じ状況。
そこでレオが持ち出したのはセーフルーム内に残されていた戦前のペンと白紙のノートであった。
「状況レポートは残しておいた方が良いだろう、いずれ帰った時に役に立つはずだ」
朝が来るまでの間、レオは眠気醒ましも兼ねて最後の任務から現状に至るまでの大まかな状況の流れと今まで遭遇したミュータントたちやエンキとの戦闘の詳細な報告をノートに書き続けた。
レオにとって、これは任務の延長に過ぎない。
文章だけでは精度は落ちるが、いずれ出会う同胞に情報を残さねばならない。
己の生は既に終わっているとしても、まだ生きている仲間の為に義務を果たす事は出来る。
それがレオにとっての数少ない慰めであった。
―――――
『至った』『届いた』『捧げられた』『満たされた』
どこか見覚えのある暗い空間の中、レオは何かの声を聞いて意識を取り戻した。
『至った』『届いた』『捧げられた』『満たされた』
同じ言葉が、再度周囲から幾重にも重なって響き渡る。
そこでレオは自身の異常を理解した。
朝まで寝ずの番を行ったレオは、回復したボースらと交代する形で床に横になって仮眠を取った筈であった。
スーラから肉体の制御を奪い返し、その権能を吸い取った事でこの様な事態はもう無い筈であったのに、今再びかつての様な悪夢を経験している。
「代償を支払う事になるぞ?ん?」
レオの内に嫌な予感が高まっていく中で、もう二度と聞くはずの無い声が背後から浴びせられる。
振り返った先にいたのは、レオが自らの手で殺したはずのエンキであった。
闇の中に浮かぶエンキはいつもの獣めいた笑みを浮かべ、両手を上げながら続ける。
「そう驚く事はないだろ?ん?お前は俺を喰ったんだ、色々お前の中に残っててもおかしくないだろ?」
そういうや否や、エンキの左腕が溶ける様に崩れ落ちる。
「残留思念とでもいうつもりか?」
「おっ、流石はオツムたっぷりだな?そうさ、お前に不満の一つも言ってやろうと思ってな」
言う間にもくつくつと笑うエンキの右脚が溶けて消え去り、闇の中に瓦礫の王の成れの果てはそれを特に気にする素振りも無く話を続けている。
「お前、捧げちまったんだろ?自分が『何』に『何』を捧げたのかすら知らずに」
そう語りながら、レオを指差していたエンキの右腕がドロリと溶けて闇に消えていく。
「まあ、そうでもしないと勝てなかったよな?ん?お前の実力だけじゃ俺には勝てなかった。そうだろ?」
満足げな表で語るエンキの言葉は事実だ。
全てを出し尽くしぶつかって尚、瓦礫の王の力には届かなかった。
単純な白兵戦の実力、そして悪魔憑きとしての経験の差、それらは一朝一夕の付け焼刃で覆せるほど甘くはない。
レオがロケット戦闘機だとするならば、エンキはジェット戦闘機であったと言っても良い。
消耗が激しい分、瞬間瞬間の力、そして文字通りの火力だけならばレオはエンキを凌駕していた。
だが、だからこそエンキはレオに接近戦を強要し、力を放出させ続けたのだ。
レオの力を力場制御でいなし、思考と行動の時間を奪う為に己の身が焼かれる事に一切の躊躇も無く至近距離での白兵戦を行い続けた。
エンキに異形としての特に目立った長所と言える力はない、特別大きい体をしているわけでも火や雷を放つわけでもない。
化け物に殴り飛ばされても死ぬ事の無い耐久力を生かしながら爆発する鉄塊を振るい、目の前の敵を叩き潰すという至極単純なその立ち振る舞いは、強いて言うならばその立ち回りは人類の機動兵器に近い物であった。
その風貌や言動に反した基本に忠実な身体強化と力場制御による防御、それだけに力を集中する事による無駄の無い体内エーテルの運用による堅実な運用と、鉄砕きという強力な遺物による破砕攻撃だけを頼りに戦い抜くその姿は、このエーテルの薄い地上世界における悪魔憑きという種の一つの到達点であり完成形と言っても良い存在であった。
恐らくは無数のミュータントや悪魔憑きを滅ぼす中で本能で導き出した最適解、レオの様な瞬間火力に重きを置いた個体すらも幾度となく屠ってきたからこその完成された低燃費かつ長期戦に長けていながら攻撃に重きを置いた戦闘スタイル。
勝利の為に己を犠牲にする事を厭わず、誇りを揺らがせるような劣勢という事態になろうと狼狽える事無く闘志を漲らせ、正面から優位な相手に一歩も引く事無くぶつかり合い、挙句に虎の子の回復手段すらも用意する老練な強者、それがエンキという男であった。
レオは無駄に力を使っていたのではない、使わねばまともに武器を打ち合い続ける事すら出来なかったのだ。
圧倒的な地力の差、力で押し切ろうにも凌がれてしまう技量の差、それを埋める事が出来なかったが故にレオは最後に『何か』に己を捧げてしまったのだ。
無論、それはレオの本位では無かった。
それは本来、意気込みと言った方が正しかった物であった。
己の信念を曲げてでも異形の力を全て解放し、刺し違えてでも殺すという覚悟と決意は、しかし何か名状しがたい物へと届き、結果エンキを殺す事と引き換えにレオから重要な何かを奪っていった。
その結果が今の状況である。
「本当に驚いたぞ?ん?樹木から出てきたらまるっきり変わってたんだからな」
エンキの体はそれからも絶え間なく崩壊し、遂に生首だけが闇の中に浮いているような姿へと変じていく。
「……何が変わっていたんだ?」
「クク…心臓の音だよ、俺は耳が良いんだ。今からでも聞いてみると良いぞ?それは本当にお前の心臓か?ん?」
エンキの不吉な言葉にレオは思わず己の心臓の前に手を置こうとする。
しかし、その感触は無く手は空を切る。
それもその筈だ、レオは意識だけで闇の中を漂っている、この空間にレオの実体は存在しないのだ。
「ああ、人生で初めてだったぞ?聞いただけで怖気が走った心臓の音っていうのは…」
生首すら霧散し、闇に消えていく中でエンキは表情を崩さずレオを見下したような笑みを湛えながら、消える間際に最後の言葉を放った。
「そうら、お前の新しい飼い主だ。来ているぞ、すぐそこに、すぐ側に。お前は永遠に誰かの奴隷なのさ」
エンキは満足した様な目をレオに向けながら、闇の中へと溶けていった。
直後、エンキの登場で沈黙していたあの声たちがレオの周囲で再び何かが浮かび上がってくる。
それは唇だった。
男と女、若者と老人、あらゆる層の人間達と思われる唇がレオの遠方で、近くで、耳元で、口を開くと同時にレオに感謝を述べ続けている。
『遂に至った、ありがとう』
『祈りは届いた、ありがとう』
『捧げてくれて、ありがとう』
『素晴らしい贄を、ありがとう』
それは終わる事の無い感謝の合唱であった。
その感謝の合唱は次第に変容し、レオに次々と違った意の言葉を浴びせかけて来る。
『だが、至る道は未だ遠い』
『まだ、届くには積み上げ足りない』
『まだ、捧げ続けねばならない』
『まだ、貪り足りない』
『だから』、と声たちは一斉に同じ速さで、同じ口の動きで、同じ音量でレオの魂に刻み込む様に言葉を続けて来る。
『届きうるだけの見返りを』
『我らの祈り子に見合う祝福を』
『尽きぬ鼓動と果てなき飢えを』
『決して満たされぬ渇きを』
そして口たちは最後にレオにこう告げた。
『ありがとう、私たちに血肉をありがとう』
「起きよ肉体!そちらに行くことは我が許さぬぞ!」
意識が遠のく中、闇に現れた恒星の叱責によってレオは目を見開いた。
目に映る光景は朽ちたコンクリートの天井と己に寄生する邪神の影、戻ってこれたようである。
「邪神、今回ばかりは助かった」
「お前の肉体は我の物でもある、奴には取らせん」
「あれは一体…?」
スーラは思案する様に僅かな間、体を揺らめかせてから短く答えた。
「古き者、としか言いようがないが…少なくともまともな存在ではあるまいな」
スーラがそう語る横でレオは起き上がりながら顔に垂れて来る冷や汗をぬぐう事しか出来なかった。
投稿が遅くなり申し訳ありませんでした。
ここ数週間が仕事が忙しかったのに加えて前書きに書いた通り痛風を患って病院に這っていったりと一身上の都合が色々あった結果、投稿が通常よりも大幅に遅延する事となってしまいました。
今後はいつものペースに戻したい所存です。
冒涜的エリクサー然り、スーパーパワー然り、今回は自力で得てない力には理不尽な代償が付き物という感じの回になっております。
代償の詳細についてはこれから分かっていく感じになると思います。
この世界は基本的に人間に優しくありません、悪魔憑きという存在自体も一般人から奇異の目で見られて排斥されるという代償を永続して支払う事で優位性を得ているという形になっています。
取りあえず今回はここまで




