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給食時間のプチハッピー

作者: 倉持 咲

学校。楽しくない、学校。

授業は眠たいし、クラスメートとの上辺だけの

人間関係は面倒くさいので、学校は嫌いだ。

社会に出たら これが当然だってことは知ってる。

けれど、まだ付いていけない時期なものだから許してほしい。


つまらない授業の四時間目を終え、次は給食。

給食もあまり好きではない。

机をくっつけて班の皆で食べても、話す人がいないから。

あとは、昼に食べすぎてしまうと

午後のお腹の調子が悪くなるからだ。

はぁ、とため息をつきながら手洗場へ手を洗いに行った。


特に何があったわけでもなく、早々と自分のクラスへと戻る。

教室に入り、机の上を見ると、誰か運んでくれたのだろう。

もう既に給食は配り終わっていた。

心の中で配ってくれた誰かにお礼を言いながら席につく。

改めて今日の給食を見る。

皿の上には、女子の中でも手が小さい私の手の中に

すっぽり入るくらいの大きさのコロッケ。

水餃子入りのスープ。

そして、


「メロンパンだ……!」


私の大好物、メロンパン。

メロンパンはメロンパンでも

学校の給食で出るメロンパンがいちばん好きだ。

早く「いただきます」の号令がかからないかな。

そう思っていると、隣の席の女子が

物珍しそうに話しかけてきた。

「泉ちゃんって、メロンパン好きなの?」

突然の疑問に戸惑いながらも、思っていたことを全て話す。

「う、うん。学校のメロンパンがいちばん好き」

どうして分かったの、と聞くと、その子は

「分かるよ! だって、目がすごい輝いてたもん」

と、笑った。


その日、私は初めて班のメンバーと談笑しながら給食を食べた。

素直な感想を言うと、とても楽しかった。

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