魔法の言葉、スタ◯なう。
「はい、じゃあ一度フォローした人をまたフォローを外すことをなんという?」
「えっと、ブロック?」
「違うよ!!この場合はリムーブだよ!リムだよ!!お別れはブロックで、だよ!!」
「は、はあ……」
こんな調子で延々と続くTwitter講座。
これ、誰得なんだ。
俺は何を得るんだ。
「じゃ次は俺から!ツイートに直接返信せずに普通にツイートすることをなんていう?」
「え?どういうこと?」
「@をつけたツイートじゃなくて、新規でつぶやくことだよ!」
利愛が補足す?。
「んーと…間接的Tweet話術法?」
「なにそれかっこいい」
「空リプだよ!空中リプ!
コメントを白紙の状態で送るのも空リプって言うらしいけど、その辺はよくわかんない」
わかんないのかよ。
「じゃ、Twitterの知識もまあまあ得たところで!
シュールストレミングbotに話しかけてみよう!!」
利愛が言う。
「は、はなしかける?」
「そうだよ!こんにちは、でもなんでもいいから」
とりあえずやってみるか…
シュールストレミングさん、こんにちはでいいのかな。
〜5分後〜
『@sutoreming_botさんが返信をしました』ピロリーン
『シュルゥゥゥゥゥ!!!!』
「こいつ頭わいてるんじゃないか」
シュールストレミングbotのページにいってみると、シュルゥゥゥゥゥとしか言ってない。
こんばんはにもシュルゥゥゥゥゥ。
くさい?にもシュルゥゥゥゥゥ。
フォローありがとうにもシュルゥゥゥゥゥ。
「やっぱりちゃんとしたフォロワーじゃないとダメシュルよ」
「竜なんか語尾についてるよ気持ち悪い」
しまった、botがうつってしまった。
とりあえず俺は、まともな友達をつくるためTwitterでいろんな人のツイートを見ていた。
すると、ある人のツイートに目が止まった。
『今、揺れた。地震かも』
地震!!?マジで!!?
気になって、キーワードに地震をいれて検索してみた。
すると秒単位で地震ツイートが更新されている。
まさかと思い、俺はテレビをつけて見た。
『えー、ただいま震度1の軽い揺れがありました』
まじかよ。
なんでこんな時までTwitterしてるんだこいつら。
自分のホームに戻ると利愛と白空がつぶやいていた。
『『地震だ!!!』』
いや、揺れてねえよ何流れに乗ってるの。
「そんなことより一つ聞きたいことがあるんだけどいい?」
「ん?どうしたの竜」
「なんかさ、Twitterって▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂とか(◞‸◟)とか \\\\٩( 'ω' )و ////とかなんか独特の顔文字があるよね。これはなんなの?」
「顔文字は顔文字だよ」
利愛はそっぽ向いて言った。
なるほど、知らないんだね。
「竜もユーザー辞書登録しなよ!こういう絵文字がすぐに出てきて便利だよ!」
「ユーザー辞書登録?」
なんじゃそりゃ。
「竜はiPhoneだよね?
だったら、設定→一般→キーボード→ユーザー辞書 から登録できるよ!
便利だからぜひ活用すべき!」
へぇ、これは確かに使えそうだ。
覚えておこう(やるとはいってない)
「それじゃ、今度は外に出かけて若者のTwitter事情を調べてみよう!」
白空が提案する。俺は、渋々了承した。
街に来てみると大半の人がケータイをいじっている。
隣に人がいるのに…話をすればいいものを…。
「竜、今あの人たちなんで話をしないんだろ?とか思ったでしょ」
「なんでばれたの」
利愛が言った。
「あれはね、Twitterで話してるんだよ。
隣にいるけど、Twitterでお話しているんだ。」
現代っ子の闇を見た。
「さあ!ここが女子高生から女子大生のTwitterの聖地、スター◯ックスだよ!!」
「◯の位置に悪意を感じるんだけど」
「気のせい」
「ウィッス」
スタ◯といえばコーヒーの店として有名だ。
メニューにカタカナが多いらしく、初スタ◯を1人で済ますなんてしたら、恥をかく可能性があると聞いた。
「それで、ここがなんでTwitterの聖地なの?」
「魔法の言葉があるんだよ、このスタ◯には」
「魔法の言葉?」
「そうや!当ててみ!五文字や!たった五文字の魔法の言葉の言葉や!!」
似非関西弁やめろ。
「えーっと、おもちつき?」
「「……」」
「ちょっと!二人ともそんな目でみないでよ!!!ちょっとボケただけじゃん!!!」
五文字の言葉と言われて一番初めに出てきたおもちつき。
なんて恐ろしい子。
二人は何も言わず、ケータイを取り出した。
俺は(゜ロ゜)ハッとしてTwitterを開いてみた。
@Riai-ringo: 【拡散希望】竜がすごく寒い。何も面白くないし反応に困る。
▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああああ
あ、俺顔文字使えてるじゃん。
ユーザー辞書登録しといてよかった!!
「正解はスタ◯なぅ♥︎だよ!
写真と一緒にツイートするんだよ」
あぁ、なるほど。
そういやTwitterってそもそも今なにしてるかツイートするもんだよな。
「時には、スタ◯に行ってなくてもスタ◯なぅってつぶやくこともあるんだよ」
「闇すぎるだろ」
感心(?)していると、俺のケータイがバイブレーションした。
Twitterの通知が来たようだ。
どれどれ…またあの忌々しいシュールストレミングbotからコメントか…?
『Ryuさんはじめまして!
少し気になったのでフォローさせていただきました♪
よかったら仲良くしてください』
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
キタキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
「竜どうしたの顔が気持ち悪いよ」
「白空!!俺にもフォロワーができたよ!!」
「え!?そうなの!?なんていう人?」
その人のホームをいってみる。
名前はゆうり。女の子らしい。
アイコンも可愛らしいウサギのイラストだ。
「やべえ!!!楽しい!!!Twitterってこんなに楽しいんだな!!!!」
「テンション上がりすぎわろた」
利愛が冷たい目で見てくる。
この際そんなことはどうでもいい。
俺はこのゆうりちゃんと、素晴らしいTwitterライフを送るんだ!!!