5/9
四季は彼女をおいてゆく
雪が降り、氷解し、緑が芽吹き、鳥が囀り、青々とした草木が茂り、花々が満面の笑みを見せ、乾いた風が木の葉を誘い、黄昏色にキャンバスを埋め尽くす、賑やかさをなくし、真綿が世界を覆う……
こうして世界は何時も私をおいてゆく
命芽吹く 春も
輝く 夏も
鮮やかな 秋も
白い 冬も
過ぎゆく日々の中で 四季さえも私をおいて先へ行く
変わり続ける世界で私だけが一人取り残される
変われない私 変わりたい私 変わりたくない私 変わろうとする私 変わるはずだった私
何度繰り返したことだろう……
今日も季節は私をおいてゆく
鮮明に
鮮烈に
鮮麗に
艶やかに
変われない私に変わることの美しさをひけらかしながら




