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Blood of Dragon  作者: 居反り
第2章
31/32

第31話

 クルスは村の東の森と樹海の境目付近でいずれ街に帰るために旧道を探索していた。


 モータリス村の東はニティニーネ川がミルストニス川に合流するあたりで南北から山が迫り、その周囲に広がる樹海と森によって封鎖されている。川沿いの旧街道は樹海に呑まれ、さらに川沿いに生息する水棲竜種のために馬を連れて抜けることはまず無理。村からの輸送には筏を組み川を下る。筏も下流の村で引き上げ木材として売る。

 ちなみに帰りは徒歩で東の樹海と竜の繁殖地を避け、南部の森を抜けるルートとなるため担げるだけの塩や鉄も持ち帰るのが精一杯。


 樹海、周囲の森よりひときわ密度が高く樹高もおよそ倍近くある。木々の根が絡み穴が空き蔦が垂れるためまっすぐ進むことが出来ない、また見通しも非常に低い。樹海は小さな物では直径500mほど、大きな物では国ひとつ呑み込むほどのサイズが知られているが、切れ目、というか比較的薄い部分があればどうにか通り抜けることも不可能ではない。


 樹海の成立要因は龍脈の噴出とも魔界に繋がる穴があるだの言われているがはっきりとはしない。何処かに魔力の噴出地点があるとは推測されているが直接確認できた者はいないとされる。

 しいて言えば魔力の影響で湧き出す魔獣がその証拠だとされる。体内に魔石を持つため見かけ以上に強く、中には種の固有魔法とでも言うべき技を身につけたものも多い。


 生態系は林冠部に着生植物を含め豊富な植物資源をエサとする虫、それらをエサとする爬虫類や獣、鳥。地上との中間部ではそれらをエサとするもう一回り大きなサイズの生物群がおり最下層の地上付近には落ちてきた物を食べる獣やそれらを捕食する獣に竜が棲む。

 その大半が身に魔石を宿す魔獣や竜。それも普通の森では考えられないような密度で生息しているため危険すぎて踏み入ることは自殺行為。


 樹海の切れ目を探し、それが旧道であるならば馬で移動も不可能ではない。

 ここまで来た道を逆に辿れば馬を連れて行くことは可能であるが、死んだ剣士一行の所属勢力が再度踏み入ってくる可能性もある。もっとも、彼らが単独であのようなことに及んだ可能性もあるが。

 なんにせよ、一度は街に帰らねばならない。


***


 北西砦の掘削は昼から再開し、日が落ちる前には転圧まで終了。中央に比べ男手が多いのもあるが、牛人の因子の濃い村民が多かったのもある。純粋種のヒトなどはそういるものではないが一応それと比べ1.5~2倍のパワーを誇る。また兵役や軍で土木作業に慣れていたのもある。さらには、本来なら掘って踏み固めるだけでなく土留めの矢板を打つか緩やかな土塁とするかが必要なところをU字ブロックを使うことで解消しているのも大きい。


 施設としては井戸は共同の物が既にあり、農機具倉庫の一角にかまどもあったため特に新規には作っていない、むしろ小型の塔とはいえ6基―各角と門のサイド―、この一階部分が武器置き場にも休憩場所としても十分。唯一無いのが厠だったけれどこれも必要に応じて穴掘るなり囲うなりで任せることに。

 アルケとエルフィナは木の切り出しと石材の確保だけ頼んで中央へ戻ってきている。


 中央倉庫群の広場にいたサマサとアスターを捕まえ。

「ただいまサマサ。向こうは思ったより掘削進んでたから一通り仕上げてきたよ。その分北西しか見てないけど」

「こちらは北面の一辺、200m分が終わったぐらいですかね、女の子中心にしてはけっこう進んでると思いますよ。明日以降は伐採した木の搬入が済み次第掘削の方にまわっていただける手はずですのでかなりはかどると思いますけど」

「言っちゃあなんだけどよく動いてくれてる。牛人だけあってこういうこと得意だからなのもあるんだろうけど」

「兵役や軍務についてた男性が率先してくれてるのも大きいんでしょうね。あっちを知っていればここの無防備さはわかるでしょうし」

「結界だよりってことだけどね。外にでない女の子にはわかりがたいかな」

「でしょうねぇ、ここだけで過ごしていれば危険なんてなかったでしょうし。他に出られないのが難点ですが」


「ま、出る理由もないけどねぇ。この娘みたいな子が街に出たら北でもさらわれちゃうんじゃない?」

 傍らでかしこまっていたエルフィナの肩を抱き寄せるアルケ。

「ふぇ?」

「そうねぇ、みんなおっとりしてるみたいだし」

 自分以上のブツがぶら下がっている胸をつつくサマサ。

「それはそうとお風呂はいりたいよね、温泉あるし」

 肩に回した手を滑らせ、アゴを持ち上げ耳元で囁くアルケ。

「ちょ、やめてくりゃひゃーーーーーーーーーーー」

 耳をあまがみ。

『なんかアルケさんがあぶない人に』

「注目の的ですね」

 すっと下がって醒めた目で見るサマサ。


 じー。


 アルケに抱きつかれるエルフィナ、それを10mほど離れぐるりと輪を作る村娘さんがた。胸の前で手を組み肩を寄せ合い。

「ちょっと刺激が強すぎるのかもしれませんね」

 サマサが言うように女性比率が高い上に適齢期の男性がさらに少ない村ならでは。ある種の感情の対象になったのかもしれないアルケがエルフィナあいてに見せる行為。

「さっきまで一緒にやってたくせに」

 あまがみはやめたが首というか咽をネコをあやすようにくすぐっている。

『だいちゅーもくだねー』


***


 あの後、村長にかけあい露天風呂を開放してもらって娘さんがた全員引き連れて入浴。ついでに酒も持ち込んで酒池肉林的な状況。元からの桶ではたりないのでハガネが神木で生産したせいで香りに当てられている娘さんもちらほら、さらに香油を湯船にたらして陶酔状態が加速。

 お酒のほうはかなり薄めの水割り、これをハガネが以前作っておいた石や磁器にオブシディアンの壺をピッチャー代わりになみなみと、桶に入れたクラッシュアイスでキンキンに冷やされているので飲みやすいことこの上ない。

 豊満な牛娘さんに抱きかかえられる安産型な馬娘さん、ただ丸まってるだけだと言うのに妖艶な雰囲気までかもし出す猫娘さん。さすがに湯船の中からは全員引き上げたものの縁に並ぶむっちりな桃にたぷたぷなメロンやらスイカやら。サイズとしては極小から超サイズまで豊富な取り揃えが壮観。


 どこの阿片窟ですか? といった惨状を前に。

「ちょっとやりすぎたか」

 ももいろをながめながらちびちび手酌でやるアルケ。

「私達も最初はくらっときてましたしね」

 さすがに慣れたというサマサ、湯船で泳ぐアスターを眺めながらこちらはお冷を。

「衣類の方は全部綺麗にしといたよ、さすがに香油はやめといたけど。それと外が妙に騒がしかったけど?」

「おじさんたちがんばってるんじゃないかな?」

「努力はしてたみたいですね。《ミスト・ウォール》だけでなしに他にも色々仕込んどきましたけど突破はされてないようですし」

「明日に響いたりしない?」

「ケガするようなのは仕込んでないですよ? そろそろご婦人方と交代しましょうか」

「そうだね、水でもかければ起きるかな?」


***

あとがき用


モータリス村の住人


猫人(Werecat)

 適性的にハンターになる者が多い。兵役に出る数は少なめ。

 女性はメ○テンとかのネコマタ風

牛人(Wereox、Werecow)

 村の大半を占める。農林業の主力。

 兵役~軍まで行く男性多数、およそ30%は村外にいる。

 ミノタウロスとは違い純粋種でもツノが目立つ程度。バッファ○ーマン風パワーファイター。 女性は超乳。

馬人(Werehorse)

 牛人に次ぐ数。農林業に従事。

 パワーもあるが瞬発力が大。さらにマラソン等も得意。軍では伝令として重宝される。

 女性はむちむち系脚線美。


それ以外はいわゆる人、各種因子持ちだが発現していないため特徴なし。

モータリス村の住人


猫人(Werecat)

 適性的にハンターになる者が多い。兵役に出る数は少なめ。

 女性はメ○テンとかのネコマタ風

牛人(Wereox、Werecow)

 村の大半を占める。農林業の主力。

 兵役~軍まで行く男性多数、およそ30%は村外にいる。

 ミノタウロスとは違い純粋種でもツノが目立つ程度。バッファ○ーマン風パワーファイター。 女性は超乳。

馬人(Werehorse)

 牛人に次ぐ数。農林業に従事。

 パワーもあるが瞬発力が大。さらにマラソン等も得意。軍では伝令として重宝される。

 女性はむちむち系脚線美。


それ以外はいわゆる人、各種因子持ちだが発現していないため特徴なし。

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