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Blood of Dragon  作者: 居反り
第1章
19/32

第19話

■ハガネ■

 保護して一晩でもふもふですね、元々もふっっとしていたのでやせ具合とかわかりにくい子だったけど蒸らしタオルで拭いてもらった後さらにふくらんでますよ。癒し系の地位陥落のお知らせ?


 さっきまでサマサさんがひとしきりなでたりさすったり、水もエサも口にできてるので大丈夫じゃないかな、とかいってましたね。なでてる手のまわりに水の精霊とかもいたみたい、なんとなく光ってたような。なので回復効果はんぱないなでなでだった模様。


 それはそれとして、犬の肉球もいいものですね。


ぷにぷに


 肉球といえば猫、でしたが犬もなかなか。

 むっくりぶっとい足なのもポイントですか。


 この子の看病というなのもふもふはひきつぎましたので大丈夫ですよサマサさん、りっぱにもふりつくします。前足二本の肉球どうじにぷにりたおしますよ。おなかもわしゃわしゃしときますね、えぇむりに起こしたりはないですよ。

 というかすでに抱え込まれてますのでなちゅらるにもふもふわしゃわしゃしほうだいされほうだいですが。


***


■サマサ■

 この子の面倒は当面ハガネにまかせておいて大丈夫そう。

 アルケさんが柵作ってくれたので分別しながらミント干してきましょうか。野菜も保存するなら干したりが必要だったりするけど、ハガネが取り込んでるとそういうのいらないみたい。

 何でも、いつまでも新鮮でジューシーで肉汁たっぷりだとか。妙に生々しい例がでてますけど肉汁って何かしらね?



 3日ほど、と急に暇になったわけだけど。


 んー。


 暇。


 干して分別もあっという間だし、木陰にはいって座ってぼーっとしてます。時間あるし子犬の親さがしじっくりして見ましょうか?


「エレメンタル・ディテクト」

 今回は子犬、とその親をイメージ。

 範囲もゆっくり広げていく。

 まず、当然すぐそばの子犬が見えますね。時々ピクってしたりハガネ抱えなおしてますね、完全に寝ぼけてる。特に怪我もなかったしもう大丈夫そうね。

 子犬に意識残しつつゆっくりゆっくり範囲を広げる。特に犬の親、だと犬じゃなかったら引っかからないかな。なので獣?動物?そんな感じで意識する、けっこう小動物いるみたい、さすがに私たちが通ってきた川岸は避けてるのかな。

 ウサギもいるみたいだしこだわらなければクルスさんもすぐ帰ってくるかな。


 少しずつはんいを広げていく、10kmほど広げるが犬も狼も見当たらない。山の中で10km超えるとちょっとねぇ。元街道みたいな今のルートでも1日がかりで10~15kmかしら?

 樹海ほどじゃないから木の根が絡みまくっててほどじゃないけど、けっこう木で塞がれてるし、下草だとかも生えまくってて移動しにくいのに。


 鹿発見、っていうかクルスさん?

 うーむ鹿狙いですか? 場所はここからちょっと回り込んで8kmぐらい、持ち帰りにに困る大物狙うってのもねぇ。

 腿肉とか切り離して持てるだけにするつもりかしら?

 おいしいからありがたいけど勿体ないですね、アルケさんに行って貰おうかしらって、私は見えてるけどここから皆で移動するわけにも行かないし。馬と子犬とハガネ置いたままってのはさすがにまずいよね、熊もいるし。


 精霊が見えると何とかなりそうなというか見えるようにするというか? っていうかクルスさんが雄鹿仕留めましたね。木の上から脳天に剣突きたてるようにして落下ですか、頭蓋串刺しで地面に縫い付けてます。只者じゃないのは知ってましたけど改めて見るとすごいわねぇ。


 そういやクルスさんは精霊見やすいはずだし分かるかな? ちょっと目の前に行ってもらおう。


***


■クルス■

 子犬を拾った。

 今は干し肉を少しだけだがそれではとても足りなくなる。犬、といっているが実際はまったく別物、狼でもない。

 では何だ?と言われると困るが。

 なんていうか、ちゃんと犬の親からは生まれてるはずなんだけど親とは違う物というか、だからサマサがちょくちょく親探しの探知してるけど見つからないだろうと思ってる。そうなると置いていくわけには行かないし、山のモノが街に出ても大丈夫なのはわかってるので仲間にするのがいいのだろう。なにせ、この地の精霊に預けられたも同じなんだから。


 ウサギはけっこういるのでそれを数羽、もう少し大物をと探していたら鹿発見。大物過ぎるけど切り取って持ち帰ればいいか、場所が分かれば往復するのもさほど時間かからないし。先回りして木の上で剣を構える、さっきからなにか精霊がまとわりついているような?

 見られてる感じはサマサの探知?

 精霊の感応力高いと察知されるってことはちゃんと言っといたほうがよさそうね、というか見られてるとちょっと恥ずかしい。

 っと、鹿が真下に来たところでぶつかるように落下。鍔にかけた足で体重を乗せてそのまま地面に縫いとめる。


 ん?

 精霊が目の前をふらふらと。


 なにかしらね、サマサが目を借りてる子みたいだけど。


 両手を差し伸べ包み込むように、なんとなく繋がるような? 元々触れるほどに近ければなんとなく意思疎通なことはできてたんだけど。


 そっと包んだまま額に触れるように近づける。


 んんー。

『やほー』

 サマサの声じゃなしに精霊の声ね。

『そだよーれんらくだよーおつたえするよー』

 よろしくね精霊さん。

『はいあーい』

『でねー、なんかエモノはこぶのにてつだうから待てて?』

 サマサがくるの?

『んー、なんかね?

 ボクとボクらがあんない、いまその人にもボクらがはなしててー』

 アルケかな。

『おっきいおねえさん、すごくはやいねー。なんていうかいっしょに飛んでおいつけないねー。ひとり必死にぶらさがってるー』

 アルケさんてそんなに早かったっけ? 普通より早い方だとは思うけど体が大きいとくぐったりかわしたりでめんどくさいって。

『なんかねー、ぜんぶつっきってるー。っていうか向きかえるのに木を蹴ったら蹴りぬけて向うの地面でむきかえてー。さすがドラゴンはすごいですよー?』

 血が混じったとかいってたけど精霊からみたら人でなくなってるのか。

 まぁアルケさんなら気にしないかな?

『くるよー』


ズサッ


 空から降ってきました。なんかポーズ決めてますがヒザまで埋まってますね。

 生傷だらけってもう消えかけてますか、まぁいいですが。

「ごくろうさま、なんというか担ぐのまかせていいみたいですね?」



 なんていうか、アルケってば完全に人じゃなくなってない?

 鹿かついで山を直線で駆け上がるってどういうこと? というかそのドラゴン化しちゃってたらなんでもないのかしらね、すぐ後ろくっついて走ってるけど避けるそぶりがほとんどないですね。一応、木は避けてますけど小枝や下草なんかは完全に無視。

 こっちも避けなくていいから楽でいいけど。

 なんか帰りのほうがすごいわね、木を飛び跳ねて越していくってさすがについていけないわ。


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