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Blood of Dragon  作者: 居反り
第1章
16/32

第16話

■サマサ■

 アルケさんに起こされたのでおはようです。

 ていうかこの服寝心地よすぎよねぇ、ふかふかだし。アルケさんは着たままお花摘みかしら?私は先に着替え手からいくかな、雪駄っていったっけ? 脱ぎ履き楽だけどこういうとこで歩く靴じゃないわね。さて、昨日はあわててカゴごと回収してたけどどんな具合かしら?


 って予想以上ね、やっぱり。

 汚れを完全に落とすというか一部色が抜けてるのは黙っておきましょうか、私たちが洗ったところでいずれ落ちるものだし。

 変わった点といえばケープと服の裏地かしら? 全部黒の粗い網の布が裏打ちしてあるわね。シャツとズボンのほうはさらさらして肌触りよくなってるわ


 ケープだけど左首元から鎖がポケットに伸びてますね、この位置なら右手で取りやすいか。

 そしてこれは紙ね、革のケースで挟んであるけど二種類あるのは最初に見たのと、お花摘みのときのか。もう少し挟める余裕もあるしペンもさせるところはあるわね。そのペンがないのは、こちらのペンを見てないからと、あちらのペンは簡単に作れないから、ってことでしょうね。

 うー見たいような見たくないような。


***


■クルス■

 さて、この香りにも早く慣れねば、毎朝アルケに先越されるのもどうかと思う。なにしろ彼女はいままで最後まで寝てるほうだった、連続二日でお花摘みさきこされてるし先に着替えて朝食の準備しますか。


 ってずいぶん色々置いてあるね。

 とりあえず服、これは全部裏地が付いてる。この感じだとここにもウロコ混ざってるか。レザージャケットと靴はそのまま、魔方陣仕込んであるのに気が付いてるってことね。アルケに渡したジャケットはいろいろ工夫してあったし。

 あぁ、汚れ落としきってあの香油塗りこんであるみたい。これは魔方陣の効果も凄いことになりそうね、なにせ精霊魔法の魔方陣だし。


 ここまでは予想の範囲内なんだけど残りの装備、これは問題ね。組紐に帯とベルとが大量に剣が二本、鍔? でいいのかしら。

 いろいろ種類があるってことは好きなのつけてってことよね。重さや大きさが色々あるってことはこれで調節するものもわかってるってことか。

 それにしてもこの大きいのも鍔でいいのかしらね? 同じところにあるし、ほかと同じ穴もあいてるし。とりあえず一つずつ試すしかないねぇ。

 ゴハンはサマサに頼んどきますか。


 とりあえず一本目。

 二本あるってことは重さとかの差よね? あの子のことだから別かもしれないけど。



 鞘は白木、神木ねこれ。

 で、抜いたけど。予想はしてたけど。ドラゴンのウロコが刃に仕込んであるのか。白く輝く刀身にエメラルドの縁、この部分がウロコなね。今までの剣より少し幅広で分厚いのはどういう意図かな? ウロコ使う以上切れるでしょうし分厚くしたのは叩ききることも考えてある?

 刃渡り50cmほどで先端は両刃、わざと短くしてあるのか。少し湾曲しているけど、切っ先も鋭いし突きも十分使えそう。このままだと重心が刃の頭に寄り気味なのは鍔で調整ってことね。

 鍔の形も厚さもいろいろだけど楕円形でちょっと分厚い感じのこれがよさそう。さすがにあの大きいのはよくわからない。とりあえず好みの重さはわかったけど、他のももったいないわねぇ

全部彫刻いりでドラゴンのウロコが仕込んであるとかやりすぎ。


 とりあえずもう一本の方はと、こっちは刀身が黒っぽいね。ウロコの仕込みは同じだけど黒っぽいとこうまで感じが変わるのか。

 なんていうか、そこだけ強調されて輝いてるので凄く目立つ。

 うーん、重さはほとんど変わらない見たい。ということは鍔は同じでいいか。刀身の材質で差はあるはずだけどなにか切ってみないとわからないね。


 どれか選べってより二本差しちゃおうか、今までの剣もどちらの手でも使えるようにはしてたし。ただ、使い勝手はずいぶんちがいそう。刃渡り65cmの刃の潰れた細身片刃剣だったわけだし正直、刺突剣扱いしてたしね。

 15cmも短い剣にして渡す以上何かの意図はあるんでしょうけどしばらく危険は無いだろうし素振りや試し切りで馴染ませてみますか。


***


■アルケ■

 おはようございます、っていうかまだまどろみ中なんだけどね。

 うーん、サマサもクルスもおんなじ感じ、起きてるのか起きてないのか。とりあえず二人とも腕に抱きついてぐりぐりしてるから寝ぼけ中かな。


 森の中のキャンプでこれってありえない、無防備すぎるし。でも絶対的な安心感あるのよね。狼とか熊もいるみたいだけどそういうのは馬も含めて大丈夫だと思うな。ドラゴンの右手にかけて少なくともこの森で襲われることは無いでしょ。

 ゴブリンが徘徊してくるなら別だろうけど、昨日の話しだとそういう兆候はないみたいだし


 にしてももう日が出てずいぶんたつのかな、起きなきゃダメだね。二人も起こしてお花摘みもいっとこう。あの紙が手元に無いのが残念だけどハガネは熟睡か、カバンにはいってるってことは移動中もそのまま寝る気ね。


 お花摘みからもどったら二人とも着替え終わってた。サマサがお茶入れてくれてる。クルスの方はカゴの上にあったショートソードでなんかやってるわね。白木の鞘から抜きはしなかったけどショートソード二本ってのも豪華なのよね、私の場合はナイフ一本で昨日にプロテクター付きレザージャケットだし。


 二本とも使うつもり、よね? 使わないなら一本もらおうかとも思ったけど得意な得物じゃないのよね。自分の武器は洞窟探査には短い得物、なので今回は街で預けてきたけど。

 携帯の仕方悩んでるわね、思いつくこともあるんだけど物見てからよねその前に着替えましょうか。


 さて、リネンのタンクトップはちょっと短くなってる、このままだとおへそでるよ。

 で、これがその分の新しいシャツか。作ってくれたのねー。ショトソード二本もらったの見た後だと微妙なんだけどそんなこと思っちゃダメか。前の晩にレザージャケットもらってるしねぇ

一回り小さいけどかえっていい感じ。ベルト締めると胸肉固定できるし、戦闘時はこのほうがよさそうだし。

 それに腕のプロテクターも普通じゃない位置なのが面白い。ま、考えるのは置いときましょう。


 この先にハーブの群生地があるから街で売るほど取れるって? サマサの探知って便利なのね。

荷物はずいぶん減ってるし一山ぐらい積んでかえるのもいいんじゃない。食料は余裕あるし時間かけるのはかまわないわよ。皆とくに予定とかないでしょ?


 ハガネ?カバンからまだ出てないなら寝たまま連れてくわ。さすがに色々作って疲れてるんでしょうし。

 そうそう、ショートソードちょっと見せてみて。


 どうやって持つか悩んでるとかいいながら二本とも渡される。鍔はこれ以外にも重さ違いが何種類もあったとか、一組だけよくわからないのもあったそうど。

 とりあえず一本抜いてみる。


 凄いね。


 黒い刀身にエメラルドの刃、太陽にかざすと微妙に色の違う部分も見える。色々角度かえて見るけど間違いなさそう。違う種類の金属を組合わせているのが見て取れる。


 先端に両刃部分があるけど形状からするとカタナ、というより厚みや造りからタチ。長さも含めてかんがえてコダチかしら? このあたりではまったく知られていないものだからショートソード、と呼ぶようにしましょう。

 ハガネにきちんと聞かなきゃね。うまくしたらアレも理解して作ってくれるかもしれないし。


 ドラゴンのウロコがどうにかなるようなものなんてないはず。なのでこの刃は叩きつけようが刃こぼれしない。前に見た板のような弾力もったまま、かつ切れ味も鋭いはず。ウロコを武器とするのに欠点だった軽さと弾力を補う造りがこれなんでしょうね、たぶんどこかで見た記憶とかそういうとこから作り出してるだけってのもわかるけど。

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