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Blood of Dragon  作者: 居反り
第1章
13/32

第13話

■アルケ■

 何とか開放されてゴハン中。米と豆と干し肉の煮込みを食べてます、肉多めなのはいいね。

 クルスが戦利品の木の実、桑とか木苺にキノコを少し。キノコのほうは小枝にさして炙って即胃袋へ、ハガネがしょーゆだとかかぼすとか言ってたような?


 この森は魔物いなくてけっこう食べれるもの多い森らしい。ドラゴンとその龍脈のおかげじゃないか、見たいなこといってた。獣はいるけどあえてとってこなかったみたい、もう少し下流にいたらとってくるって。


 平和な森っていいわよねー。

 かまどの燠火眺めながらお茶をちびちび、お酒を少したらしてあるのもいい感じ。川のせせらぎがBGM。特に会話なくてもいいんだけど。


「さっきのことだけどさ」

 と話振っていく、たぶん二人も何か影響あったと思うのよね。改めて魔力が上がってる話をして右手じゃなしに左手だとどう?って言われて試してみる。

 結果、《トーチ》としては10倍ぐらい? でも右手はこの100倍はあるだろうと。何度か試したけどだいたい同じような結果なのでドラゴン化してる右手が魔法を100倍にしてるんじゃないかということに。小枝の火みたいなものが火柱だからねー。

 ハガネの仕掛けでさらに凄いことになってたけど。


「でね、二人とも何時間も全力で魔法使い続けてたのよね? それも一度に複数起動で継続的に」


 魔法ほど修行がモノをいう技能はないと思う。剣術や体そのものの鍛錬はどうしても素質がものを言う、というか才能なければ頭打ちになるのが早い。

 魔法だって才能による差はあるし、その差は顕著ではあるけれど才能が頭打ちになるところまで修行(使い続ける)できるなんてまずない。簡単に使えるかどうか、の差はあるけど極限まで使うことが難しいんだ。

 回復魔法に優れるものが希少なのはここにある。もちろん、精霊の助けや神の恵みなんて別枠はあるんだけど。


 つまり、二人は精霊の助けで極限を超えた魔法の使用を続けたということ。あの時使っていた魔法の力が飛躍的に伸びている可能性があること。ひょっとしたら精霊や地脈との感応力も上がっているのでは。

「ということでちょっと試してみない?」




■サマサ■

 アルケさんに魔法のことで指摘されましたわ、なんかくやしい。

 でもありえる話なのよね、回復魔法は使う機会がなさ過ぎというか大けがほど専門の人に任せるしね。命かけて育てるとかそんな余裕ないし、強化魔法にしても人の限度超えてかけたら潰れるし。障壁ですらあの時かけてたようなのなんてありえないしね。

 そういえば隠行してたスカウト(アサシン)探すのに探知だとかいろいろやってたっけ。んー魔法の探知ディテクトだけでダメだったから水の精霊の助けを借りて、その目で見る感じのをお願いを組み上げて、これってオリジナルの精霊魔法といっていいのかしら。


 《ウンディーネ・ディテクト》? 《エレメンタル・ディテクト》の方がいいかな?

 精霊魔法の名前は精霊との間でわかればなんでもいいんだけど、呪文で発動させるわけではないし必ずしも水の精霊だけだったわけじゃないし《エレメンタル・ディテクト》にしましょう

では、ためしに。

「エレメンタル・ディテクト」




■アルケ■

 サマサが呟くと同時に精霊が集まり始めるのが見える。

 ”精霊が見える”ってだけで異常だ。

 濃い土地とはいえ、せいぜい気配を感じるぐらいで見えたり会話したりなんてありえないのに。サマサやクルスみたいに元々感応力が高いなら見えることもあるらしいけど私みたいな一般人には無理なのに。

 ってドラゴンの血の可能性はあるか、龍脈の上でもあるしわかんないわね。




■クルス■

 これは凄い。サマサともともと繋がりやすかった水の精霊だけじゃないね。

 この地の草木と大地の精霊たちも集まってるし風の精霊もいるね。アルケが盛大に焚き上げたからかここにあまりいなかった火の精霊も少しいるみたい。

 もともとすべての精霊と交渉しやすいっていうか愛されてるっていうか同胞というか、精霊がいるのがわかりすぎるから巻き込んじゃう攻撃魔法が使いにくかっただとか、その代わりに回復とか強化はかってに助けてくれてたんだけど”こんなに観える”っていうのはなかったね。

 それにサマサがやってることもわかる。精霊の目を通して全てを見るってやりすぎだと思うけど私もこの状態で魔法つかったら森ぜんぶにかかりそうだ、なにしろサマサが交渉してる精霊全部観えてるから。




■サマサ■

「エレメンタル・ディテクト」

 意識しただけで全てが見える。

 いつもの「ディテクト」みたいに50mぐらい見るつもりで周りの森を見ようとしたのだけど周りの森のすべてが見えてます、生えてる木々や倒木どころか草も全部。目で見て回ってるのと同じことを森全部同時に見るって容量こえますわー。

 って桑の実発見、意識したら森中の桑の木マップがっ。今熟れごろなのはどれだとかこっちは来年食べに来てねって桑の木と会話してますか?

 あなたたち食べられていいの?

 食べてもらったらプーで移動できるって?

 むしろそうしてもらいたいのね、ああなるほど、言われればわかるわ。

 プーはいいいけど木の葉とか摘むのは、って早いか遅いかだけのこと?

 木を切ったりとかも?

 焼き払われるのはさすがにってそれも限度内はOK、むしろ次に替わるからいいのね。

 えぇアルケさんにはほどほどにするように言っとくわ、やっぱり獣はいるのね、何?強く意識すると驚く? 彼らにとってはそういう感じなのねってなんかお肉たべづらいわね。

 うーん食って食われて?

 無茶に狩りまくらなければいいってこと?

 あぁ狼とか熊もいるのね、それらの食事と同じになるわけね。

 ん?何?

 ここに行けばいいの?

 あぁ明日のキャンプ場所のお勧め?その側の倒木の下?

 少し手前にハーブ群生地もあるのね?

 さすがに疲れますわーって、見たいものを意識すれば全部見せることはないですって。なるほどー、そういうことになるのね。探したいものの近くにいる精霊がその目で見て教えてくれるのね。ありがと次そうしますわ。




■ハガネ■

 サマサさん撃沈。急にぼーっと遠くを見てるかんじになってしばらくしたらこてんて横になりました。ボクの上なんですけどね。

 いやまー気絶とかじゃないみたいでぽわーってしてるだけみたいですけど。


 アルケさんがすごかったねー精霊見えるなんてはじめて、でも何やってったんだろう? っていったらクルスさんには”何やったか観えてた”らしくて解説してくれた。

 サマサさんが何を見てたのかまではわからないみたいだけど、この森全体見てたみたいとか言ってた。うん、かなりありえないそうです。

 ちなみに”他人と精霊が何をしてるのかを観てわかる”とかもありえないそうですよ、よくわかんないけど。


 サマサさんはまだぐったりしてます、というかボクに抱きついてぽわーっとしたままですね。

 アルケさんはそんなサマサさんの頭撫でてますね、クルスさんはーアルケさんみて真っ赤になってますね?

 ん?アルケさんみてるというかその胸元?

 お好きですね?

 クルスさんに注目してるのばれました。




■クルス■

「ちがっ ていうか服作るんじゃなかったの?ただでさえ下着なのに穴増えてるし。ハガネはわけわからないもの作る前にこっちどうにかしなさい」




■ハガネ■

 何かとばっちりです、うん元凶と言われてひていできないけどとばっちりです。

 見られてたアルケさんはー。

 見せつけてますね?

 手で挟んでぷるぷるしてますよ?

 位置的に正面からは見えませんが脇腹の穴から下のぽよぽよが挟まれてるのとかばっちりみえてますよ。


 目の前に何かありますねってクルスさん剣突きつけるのやめてくださいあぶないですこわいです。まだぷるぷるしてるアルケさん呼んで革ジャケット渡します、命の危機です。

「アルケさんとりあえずこれ、ってクルスさん刺さってますよ?」

 取り込むつもりがないのでぐぐーっと押し込まれてますね、剣先が。


「サイズとかわかんないのでキレイそうなジャケットを元にしていろいろ手を加えてみました」

 なんていうか革ジャン?っぽいものの裏地にカーボンとウロコ込みの極太糸で編んだ特製荒布の裏地つけて、全体をベルト4本で絞めれるようにしてありますよ。

 ベルトのほうは特製荒布を挟み込んであるのでこれだけで十分鎧になるかな? あと両肩というか二の腕に黒鋼のプレートを白鋼のスパイクで鋲止めしてあるのでワイルドです。




■アルケ■

「んーちょっとちいさいかなー」




■ハガネ■

 とかいいながらベルト締めてますね。肩周り、腕周りは大丈夫そうなんだけど胸が収まらないみたい。というかベルト締めたらばいーんてなってますよ、二番目のベルトもしめてくださいよって抜いてるし。




■アルケ■

「この三本で絞めてちょうどいいかなー」




■ハガネ■

 なちゅらるなぷるぷるがばいんどされてばいーんてきょうちょうされてますね。

 穴あいたままなのでえらいことになってますね。

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