表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

澄み渡る白

「それで、クロードはどうして今生きているのかしら?」


―――あの後、雨の中じゃ何だからと、庭園にある小さな東屋まで移動した。どうやら俺の名前はクロードというらしく、彼女―アリシアの婚約者だったらしいが、アリシアを庇って一年前に死んだらしい。


「俺だって分からない。さっき目が覚めたんだ」

「へぇ。それにしても、瞳の色が変わったのね」

「色?」

「ええ。ほら」


隣に座っているアリシアが差し出した手鏡を覗くと、黒い髪に黄金の瞳を持った自分が写っていた。

「ちなみに、元の色は何だったんだ」

「黒よ」


記憶はないというのに、アリシアの隣にいるとなぜだか心が浮き立ってくる。本当に自分はアリシアの婚約者だったのかは分からないし、なぜアリシアを庇うことで死んだのかも分からない。何もかもが分からないことだらけだった。


「雨に濡れて寒いわね。なにか暖かいものでも飲みましょ」

アリシアはそう言って、空中で指を鳴らした。すると、小さな東屋の中心に丸テーブルがどこからともなく現れ、その上に湯気の立ったティーポットと二つのティーカップが出てきた。


「今、なにをしたんだ?」

今まで見たことのない(そもそも記憶がない)現象が起きて驚きを隠せないでいると、アリシアがくすくすと笑った。


「私ね、魔女になったの」


―――まただ。このどうしようもなく悲しそうな目。その目を見ているだけで、俺の心のざわつきが大きくなる。


「魔女ってなんだ」

心を落ち着けてからアリシアに問うと、魔女について教えてくれた。


魔女というのは、激しい感情の発露によって、自然界のエネルギーと身体が共鳴した際に発生する爆発的なエネルギーが宿った者のことだそうだ。「魔女」という名前の通り、生命力の強い女性だけにこの現象が起きるらしい。魔女は一人で国を滅亡させることができるので、万が一魔女が生まれた場合はその国が全力で保護することが通例だという。


「じゃあ、ここはどこなんだ」

「あぁ、ここは私の家よ。王城とかじゃないわ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ