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もりのたなばた

作者: 壇 瑠維
掲載日:2025/12/11

ささの葉さらさら

のきばにゆれる

お星さまきらきら

金銀すなご


五色のたんざく

わたしがかいた

お星さまきらきら

空から見てる



七夕の日。キジのお父さんは人間の親子が歌っている声に気づいて、ひょっこりお庭をのぞいてみました。


そこではささの葉にお願い事を書いた紙をたくさん付けて、とっても楽しそうな姿がありました。


キジのお父さんは自分たちもやってみようと思い、早速森のすみかに帰って奥さんと相談しました。


「ねえねえ奥さん、人間の親子がとっても楽しそうな事をしてたんだよ。僕たちもやってみない?」


「それは面白そうね。じゃあ、坊やも連れて竹を探しに行きましょう」


キジの親子は竹林に向かいましたが、密集した竹は風がふくとお互いにぶつかり合って「カンカン」と鳴っています。


「さらさら言わないねえ」


キジの坊やが言う通り、これは困ったとキジのお父さんは頭を抱えます。そこにカニが現れ声をかけました。


「どうしたんだい、何かお困りごと?」


「カニさん、実はかくかくしかじかで…」


「なるほど。じゃあ、僕が増えすぎた竹を切ってあげるよ」


「本当?ありがとう!」


カニさんは大きなハサミでちょきん、ちょきんと竹を切っていきます。切り終えた竹は別のカニさんが引き受け、枝を落として程よい長さに整えます。


そこに、お猿さんがやってきました。


「やあやあ、何か面白そうな事をしてるね」


キジの坊やが言いました。


「お猿さん、実はかくかくしかじかで…」


「なるほど。じゃあ、僕が竹を使って素敵なベンチを作ってあげよう」


「本当?ありがとう!」


お猿さんがベンチを作り始めると、パンダさんがやってきました。


「美味しそうなささの匂いがするねえ」


キジの坊やが言いました。


「パンダさん、実はかくかくしかじかで…」


「なるほど。じゃあ、私が余ったささを食べてあげよう」


「本当?ありがとう!」


「よし、出来たぞ!」


「こっちも完成だ!」


カニさんとお猿さんのおかげで、竹林のささの葉はさらさら鳴り、ベンチに腰掛けて眺めることもできるようになりました。


「じゃあ、お願い事を書こう!」


キジの坊やが意気込んで言ったものの、みんなどこに紙があるのかわかりません。そこにヤギさんが通り掛かりました。何かをむしゃむしゃしています。


「みんな集まって、なにをしてるんだメ〜?」


キジの坊やが言いました。


「ヤギさん、実はかくかくしかじかで…」


「なるほど。じゃあ、私のおうちにある紙を持ってきてあげようメ〜」


「本当?ありがとう!」


ヤギさんのはからいで、たくさんの紙が集まりました。でも、まっ白な紙だけでは少しものたりません。そこにリスたちがやってきました。


「みんなで楽しそうに何をしているの?」


キジの坊やが言いました。


「リスさん、実はかくかくしかじかで…」


「なるほど。じゃあ、私たちがいろんな木の実を持ってきてあげるよ!」


「本当?ありがとう!」


リスさんたちが集めてくれた木の実をつかい、ヤギさんの持ってきた紙は五色のたんざくになりました。みんなは嬉しそうに受け取り、それぞれが願い事を書きます。お猿さんは竹をするすると登って、上の方にあるささにみんなのたんざくをくくりつけました。


みんなでベンチに座って、さらさら鳴る竹を眺めながら、森の七夕がはじまりました。嬉しそうなみんなの笑顔を、きらきら光るお空のお星さまがいつまでも見守っていました。



おしまい



挿絵(By みてみん)


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