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001 0歳児

バナナの皮で転んで、電車に轢かれて死んだ。

何とも間抜けな死に様だろうか。

どうしようか…

月魄出海さんのサイン会行きたかったな…

零太ともっと遊びたかったな…

彼女作りたかったな…

…死にたくない…

… 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…






…死にたくなかったな…






目を覚ました。

そこは謎の場所だった。

(ここは?)

そう思った。

(一体ここは…駅…というか、病院ですらない…というか、ここは日本なのか?)

背景は明らかに『西洋』ていう感じだ。

ここが東京じゃないとすれば、県外、もしくは海外か?

もしそうじゃないとしたら…







(別の世界か?)

月魄出海の4作目にあった、血に塗れた世界を描いたお話。

確かタイトルは『血世』だったような。

(本当に僕、別の世界に来たのか?だとしたら歴史的快挙だ!)

そんなふうに思っていると、扉から人が出て来た。

それは知らない人たちだった。

(一体誰だ?)

「何とも可愛い赤ん坊ですわねぇ。」

この言葉で気づいた。

自分は『召喚』されたのではなく、『転生』したのだと。

(やっぱり僕は死んでしまったのか…)

死んでしまった事実に僕はショックを受けていた。

「それにしても、将来は絶対美しいですよ。」

へぇ、僕美男なのかな?

「そうですね、とっても可愛い女の子ですから!」

…へぁ?

女の子?

そう思い、僕は自分の息子をすぐ確認した。

そこに息子はなかった。

(えぇええええええ⁉︎)






(状況を整理しよう。)

まず僕はコミケ会場の近くで月魄出海のサイン会があるからそこに行こうと電車に乗ろうと東京駅へ行ったが、バナナの皮で転んで電車に轢かれて、気がついたら『転生』していた…

話を聞く限り『血世』のような地に塗れた世界ではないようだ。

ショックを受けつつも安堵した。

『血世』のような世界なら争いが今も勃発しているはずだ。

そういう意味では安全があるということだ。

そう、今は。

(今の僕の名前は…)

レミリスというらしい。

僕は亜島公太。

好きだった両親につけてもらった名前で、15年間使って来た。

僕はどこまで行っても亜島公太だ。

(と言ってもこの人たちに『前世』の記憶があるなんて言えないよ…)

そもそもこの赤ん坊の体じゃ喋れない。

「それにしてもすごいですね。歴代王族一の才能ですよ。」

ん?

王族なの僕⁉︎

まるで月魄出海さんの2作目の『王女の幻影』みたいだ。

大学生の男が『転生』してそこで王女の『幻影』を追いかけるというストーリーだ。

今の僕はどちらかと言えば追いかけられる側である『王女』だ。

だが、『幻影』ではない。

(今僕はまるで小説の中にいるみたいだな。)

月魄出海さんは7作発表している。


一作目『偽物の日常』

二作目『王女の幻影』

三作目『悪魔の晩餐』

四作目『血世』

五作目『友情』

六作目『愛』

七作目『夏』


この作品で例えると、今僕は二作目のような状況だ。

全く、飛んだ災難だな。

僕はそこで眠りについてしまった。

(まぁでも、この体での生活を堪能するのもいいかもしれない…)

僕は眠ってしまう前にそう思った。






「さて、亜島公太君。君はこの世界に転生して来た意味がわかるのかな?」







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